2015.01.01

NECO REPUBLIC OSAKA Shinsaibashi

Store Info

飼っていた動物が亡くなり胸が締め付けられるような思いをしたり、飼い主のいない動物が「しかるべき場所」へ連れて行かれるのをただ見ているしかできなかったり。小さい頃の動物の思い出は、たのしい・かわいい、ばっかりじゃなくて、ひと口では説明できない、複雑なものがあります。今回ご紹介する女性も、きっとそんな思いをしてきた方ではないかと。

ここは「NECO REPUBLIC OSAKA Shinsaibashi」(通称ネコリパ)。ありていに言えば“猫カフェ”なのですが、その開業にはひとつのエピソードがあります。このビルで、57頭の猫と暮らしていたシニアの女性。彼女はこの街で野良猫に不妊去勢手術をするボランティアグループに参加。猫たちを引き取り、自宅で世話をしていたのです。

ある日、突然の病に倒れ、彼女は二度と戻って来れなくなりました。最後まで猫たちの今後を心配しながら、息をひきとったそうです。

残された57頭になんとか行き場を探したいと、彼女のご友人、周囲の方々はブログやポスターで里親を募集。すると全国から応援のメッセージや猫フード、お掃除のボランティアさんが集結したのだそうです。

その中のひとりが、自走型の保護猫カフェ・猫パブリック首相 河瀬麻花。まずは10頭あまりを地場の岐阜へ大移動。その後も里親が見つかったりと、30数頭までに猫は旅立ちました。しかしながら、残った猫たちはどうするのか?そこで当カフェが誕生したのです。しかし始めは、極度の人見知り&怖がりだった猫たち。

人が近寄れば、フー、シャー。みんなで端っこに固まって、警戒心をむき出しに。飼い主を亡くした猫たちも、どうしていいか分からないからしょうがない。心を開かせるために、オープンまでの3ケ月をかけて、少しずつ、少しずつスタッフと猫の距離を縮めていったのです。そこは、やはり猫のプロ。生態の本能を刺激し、人と遊ぶ楽しさを猫たちに教えていったのです。

猫を飼ったことのある方はご存知のこのオモチャ。目前でピョンピョンと飛び跳ねるオモチャに、次第に猫たちは夢中になっていきました。

そして、猫に大切な上下運動を促すキャットタワーも。床から天井まで延びるタワーを、猫たちは嬉々としながら動き回ったそうです。そうして23頭は、当カフェの主役となっていったのでした。

ひと口に23頭と「数値」で納めてしまえるものではないですね、すみません。かりん、はさみ、きゅーた、ちゃー、りきいし、しょう、さら。1頭、1頭には名前があって、それぞれにキャラクターがあって、ちゃんと生きています。多くの支援と理解と意志がなければ「しかるべき場所」に行かなければならなかったコたちなのです。

今回取材にご対応いただいたのは、ネコリパ防衛省 防衛大臣 兼マネージャーの和田さん。2022年2月22日までに、日本の猫の殺処分ゼロに!を目標に「自走型」の運営にこだわります。自走型とは、寄付だけに頼らない運営のこと。つまり、お客様が猫に逢いに来て下さることで利益を生む、当カフェの形態そのもの。

もちろん、今でも里親は募集中。中には「きっとこのコは飼い難い性格だろうから、猫に慣れている自分が貰っていきます」と、申し出てくれる方もいるのだとか。そして2014年の10月オープン以降、活動に賛同される方、猫の存在に癒されたい方々が訪れて下さいます。

店内はほぼ、スタッフたちの手作り。爪で引っかいてもすぐに貼りなおせる様にと、パッチワークの壁紙がとってもキュートです。キャットタワーを見上げる場所に位置するソファー席では、アールグレイ、ダージリン、ローズヒップ、フルーツガーデンなどお茶やコーヒーもいただけます(セルフサービス)。

 

猫好きにはたまらない!猫アイテムも。こちらも購入することで、ネコリパの活動を支援できます。

最後に、ネコリパスタッフ様から、ご利用になられたい皆様へのメッセージです。

~猫は環境の変化に弱い動物です。当カフェの猫に、「遊んでくれない」「寄って来てもくれない」と感じることもあると思いますが…。人慣れしていない猫たちには毎日スタッフが声をかけ、愛情を注いでいます。少しずつですが距離を縮めてくれています。どうか暖かい目で見てあげてください。

 

  • ※30分/平日・1,100円 土日祝・1,300円
    ※60分/平日・1,500円 土日祝・1,700円
    ※120分/平日・2,400円
  • ※価格は全て参考価格です。
  • ※全て税抜き価格。
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