Pm21:00の本町-心斎橋-堀江あたりでは、まだまだお仕事中の女子も多いのです。デザインケースや図面ケース、企画書をたっぷり入れた出力屋さんの袋を抱えて走り抜ける女子や、クライアントの横をメモしながら歩く、ヒヤリング中の女性プランナー。照明のついたビジネスビルでもビタミンドリンク飲んでPCに向かう彼女たちが目に浮かびます。稼いでます、働いてます。

長堀通×御堂筋の北東側。9月5日に誕生しましたこの店が注目を集めています。ライフスタイルブランド「DIESEL」が放つプレミアム・カジュアル・ダイナー「Glorious Chain Café 」。LO23時、close24時の店内には、夜な夜な仕事帰りの女子が食事とアルコールで“ワタシ店じまい”を過ごす様子もチラホラです。今日1日もハードかつ重厚な仕事量。疲れ切った心身に効かせたいのは、柔らかなカフェでもハイエンドなグランメゾンでもなく、こんなダイナーなのかもしれません。

店内には電源やWifiも完備されており「あ！見積もり送るの忘れてた」なんて時にも、思い立ってお仕事をもう少し進めたい際にも、即席ワタシOFFICEが叶います。お仕事のうっかりさんやon＆offベタさんにはありがたいですね。空間はいたってミニマル。メタルスチールやトーンを落とした木目、くすみの効いたタイルにスケルトンの天井。質感で魅せる店内は無機質でスタイリッシュ。余計な記号を一切排する抑制の効いた空間は、めいっぱい情報を詰め込んだ頭をゆっくりとほぐしてくれるはず。ダイナーと銘打つだけあって、テーブル幅も大きく、ゆっくりと食事＆アルコールが楽しめます。

「DIESEL LIVING」照明のインダストリアルなフォルムを眺めていたら、とある一角に目が止まりました。ミニマルな空間でカラーポイントを添えるyellowの棚には、当店のグッズがズラリ。店内でも使われるコースターやカップは販売もしています。衣食住に留まらず、モーターシーンや音楽などにもプロジェクトを進める「DIESEL」。ここダイナーは、そんな世界観を提案する発信地でもあるのです。トレンド記号を消費するだけのイージーさは前時代のもの。「そのコースターを使ってどんな生活をするの？」と、問いかけるような店内が、仕事漬けの心身に嬉しいストップをかけてくれるかもしれません。

イタリア北東部の「DIESEL FARM」からは、EXバージン オリーブオイルも届いていました。メニューブックに並ぶワインも、同じ敷地の農園から届いたもの。Bianco di Rosso、Rosso di Rosso、Nero di Rossoのワイン3種類が並びます。畑にまで展開を広げるとは…。美食家ならずとも気になる情報ですね。「DIESEL FARM」のオイルやワインはどんなテイストなんでしょうか…。

もちろんランチも営業しています。サラダバーとスープがビュッフェスタイルとなっており、シンプルな空間に自然の発色が瑞々しい！仏製鋳物ココットや「DIESEL FARM」の木箱も目を楽しませてくれます。この時間帯にもビジネス女子たちがチラホラ。そして、渋谷に続いてオープンした当ダイナーを目当てにと、遠方からもゲストが足を運ぶのだとか。

こちらで是非とも戴きたいメニュー「BLT Cheese burger 」。バンズとパテの組み合わせ、ベーコン、レタス、トマトとのバランスを練りに練った一品です。パテはたっぷり200g。それを包むバンズはオリジナルレシピを開発するほどのこだわりぶり。全体にボリューミーなのもダイナーならではです。カブリとかぶりつきたいですね！

こちらも女性人気の高い一皿「ロースハムのエッグベネディクト」。自家製ローストハムは厚みがしっかり。大分県産の「龍のたまご」を用いたオランデーズソースは濃厚かつ、程よい酸味も。4年前にオープンした渋谷の１号店では「東京エッグベネディクト10選」にも選ばれるという…気になる一品なのです。

最後に…こちらもお薦めの「ミックスベリーパンケーキ」。生地しっかりのパンケーキには、クリームチーズがたっぷりかかります。そして、ナイフを入れると…生地にもブルーベリーを練りこむ隠し技。この一品に限らず、ほぼ全てのメニューが、ボリューミーでテクスチャーや風合いが明瞭。ふわふわとした女の子メニューではなく、量も味覚もパキッとして、いわゆる「カフェ」とは一線を画すダイナー感が新鮮ですね！

「待遇や報酬よりも、仕事の質にこだわりたい」「机上やWEBのマーケットではなく、自分の感度で挑みたい」そんな男前女子が増える昨今。梅田ではなく心斎橋に「Glorious Chain Café 」が誕生したのも、これ必然なのかも…。なんとも感慨深く取材は終了です。皆様も、ランチに仕事終わりに、達成感いっぱいの残業後に、是非立ち寄ってみてくださいね。