2014.10.01

津軽三味線に挑んでみた

Store Info

  • 店名MIKIミュージックサロン心斎橋
  • 住所大阪市中央区南船場3-12-12
    心斎橋プラザビル本館12F
  • 電話番号06-6252-4530
  • URLhttp://www.mikimusicsalon
    .com
    (公式)

1年ぶりに復活!即席かしましチーム

恒例の「楽器体験」も今回で2回目。前回は約1年前に、即席ウクレレチームで、ウクレッツな体験をさせていただきました。今回も前回同様「MIKIミュージックサロン心斎橋」にお世話になります。挑戦するのは、なんと津軽三味線!まったくもってワタクシの個人的興味でして、ディレクターからは「仕事の私物化厳禁!」と叱られ、センター・ナオコからは「あら、いんじゃない」と、まるで「本日ソムリエおすすめワイン」をほめるかのような感触。新メンバー・ミッキーに「断ったらメッタメタのギッタギタにするわよ」と脅して、即席かしましチーム3名で体験教室へと乗り込んだわけです。

本日の講師はこの道12年の演者・徳田恵美先生。お座敷のような教室でこわそーな先生から、座り方や挨拶の仕方、心構えなどを受けるのかと勝手に想像していたのですが、「あ、こんにちは、今日は宜しくお願いします」と満面笑みの恵美先生になんだかホッコリ。まずは持ち方のご指導からいただきました。

三味線は弦を弾いて胴に響かせる楽器。最も胴が響くよう、膝と左手の最小ポイントで固定させるのです。これ、案外むずかしい!弦を弾くうちにどんどんとずれていく。そうすると、音が響かなくなる。基本の基本から、困難さを感じるワタクシ。この後、大丈夫なんでしょうか??

恵美先生のご指導はほんっとに隙も無駄もなく、目前の楽譜に合わせて進むと、①弦の呼び名 ②バチの扱い ③弦から弦への移動の仕方 と、習得していく進行となっています。そしてメンバーがある程度習得するまで繰り返し繰り返し…。教室内にベンベンベベンと津軽の音が共鳴。そこで恵美先生がストップをかけました。「では、みなさん、聴いてください」。先生自ら三味線を弾きます。そこで鳴る2パターンの音には明らかな違いが!

津軽三味線は、弾くではなく「叩く」。先生は弾く音と叩く音の違いを聴かせてくれたのです。同じ楽器から奏でられる音とはとても思えず…。「叩く」音は聴く側の心身にもベィーンと響き、それに魅了されると、その音出してみたい!と、やる気がメラメラ湧いてきます。と、そこでひときわええ音が聴こえてきました。その正体は…

新メンバー・ミッキーでした。ミッキーはバチや三味線の持ち方が全くズレることなく、叩く音も先生に近くなっています。フォームって大切だと改めて実感。さて、3本の弦を順に叩く練習から、いよいよ棹(さお、ギターでいうところのネックのこと)上に弦を押さえ、さらに複雑な叩きへと進みます。バチで弦を叩く右手、音を操作する左手。弦はわずか3本。その上であの重厚な音を奏でるということは……。お察しのとおり!

そうなんです!ネックが…複雑に複雑を重ね、さらに複雑を足して、複雑を演算したかのような複雑さ。練習用の三味線の棹(さお)には①~⑱のナンバーが記されています。コレ見て正直眩暈がしました。できない、ワタクシなんかにこんな事できない。そんな弱気を察してか、「では、音がどう変わるのか聴いてくださいよ」とニッコリ笑う恵美先生。おもむろに叩き出すと、それはとても3本の弦が奏でる音とは思えず。奥ゆきがあって弾みがあって。「やっぱり頑張る」と気持ちが引き締まるのです。

モタモタと指を動かしながら、譜面にそって練習はすすみます。センター・ナオコの手元からは、早々にもええ音が聴こえてきます。メンバーの中で最も音が正確だったのではないでしょうか。習得の早さに期待を背負ったセンター・ナオコ。恵美先生から指導が入ります。

「ゆ、指が…これ以上広がらないんです…」消え入りそうなナオコの声。ワタクシもミッキーも心の中で泣きました。涙が止まりませんでした。いちばん上手いナオコが、ナオコが、いま折れかかっている。それは、先に高いステージへと進んだ者の哀しみでした。それでもナオコの三味線はベンベンと鳴り続けるのです。

こんな風に書いてしまうと、苦行や苦役をイメージされそうですが、実際はそんなこと一切ありません。三味線を抱えているとき以外は、楽譜を落としたりアタフタしたりの、まるでサザエさんのようなかわいい恵美先生のキャラクターも相まって、笑みの絶えない教室なのです。バチを瞬時に操作する弦の返し音に「おー!」となり、胴の前後で変わる音に感動してみたり、夢中の1時間です。習得したワザを駆使して、最後に「春の小川」を叩いた時には…こみ上げるものがありました。涙、です。

最後に恵美先生が津軽じょんがら節を聴かせてくれました。かわいいサザエさんは一瞬で消えて、バシバシの存在感です。目前で体験する津軽三味線は、吸い込まれるようなトランス状態。頭と耳で音を追いかけると、現世から泡沫(うたかた)や現(うつつ)へと誘われる非現実感。「もう還れなくてもいい」とすら思うほど、ずーーーっと浸っていたい圧倒的な世界観!

そんな恵美先生ですが、幼少の頃よりピアノを習い、12歳の頃コンサートで津軽三味線の生演奏を聴いたことがきっかけに。20代の半ばで民謡の先生に門戸を叩き、祖母や祖父ほどの年代の方々に混じって練習を積んできたのだとか。いまでは本場津軽へと定期的に赴き、さらに高いレベルのお稽古をつけてもらうほどの逸材なのです。

講師をされるようになり、初めに取り掛かったのは旋律の「見える化」。もともと譜面もなく、伝承によって継がれ伝播した津軽三味線ですが、より多くの方々に奏でる楽しみを知って欲しいと、ピアノの経験を生かして、お手製の譜面を起したのです。今回用いた譜面にも、恵美先生の丁寧な手書きが成されており、「弾いてみましょう!!」なんて実筆にも心が込められています。

温かな恵美先生の元で習得に励む生徒さんも多数。中には4年目に入った方もいるとか。そんな先生と生徒さんを支える「MIKIミュージックサロン心斎橋」。練習用三味線のレンタルや個人orグループレッスンの選択幅など、手厚いフォローも嬉しいですね。恵美先生、ありがとうございました!

  • 津軽三味線 レッスン
  • 入会金 5,400円
    月謝(グループレッスン)10,260円
    月謝(個人レッスン)12,420円
    レッスン時間(グループ)60分
    レッスン時間(個人)30分
  • ※月3回・曜日、時間固定制
  • ※レッスンでは津軽三味線無料レンタル可能
  • ※無料体験レッスン、随時開催。
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