2019.07.01

do Art.

Store Info

  • 店舗カワチ画材心斎橋店
  • 住所大阪市中央区東心斎橋筋1-18-24 クロスシティ心斎橋ビル2F
  • 電話番号06-6252-5800
  • 営業時間11:00-19:00 不定休
  • 公式URL
    http://www.kawachigazai.co.jp/

カワチ画材心斎橋店

心斎橋は芸術の街。それは昔も今も変わらない。そんな街のアート心を支えるカワチ画材心斎橋店。1920年(大正9年)創業の同社。スポンサーが芸術家を支え、国内の洋画への注目が高まりを見せたその頃。洋画材料に特化した同社には著名な画家たちが行き交い、文化の社交場的役割も果たしていたそう。

そんなお話を聴かせてくださったのが株式会社 カワチ代表取締役の河内様。画材販売はもちろん、額縁のオーダーメイドも請け負っていらっしゃいます。5月18日に東心斎橋でリニューアルオープンした心斎橋店でお話を伺いました。

額縁の製作というのは…いわば作品と空間をマッチングさせる最後の仕上げ。同店には経験の深い専任フレーマー様たちが、今日も多忙に手を動かします。

壁面にびっしり並ぶのは額縁のコーナーサンプル。
無数の色や材質にデザイン。作品と背景となる壁面の質感まで精査し、フレーマー様たちはお客様1人1人に御対応。作品が「鑑賞」される、まさに息を吹き込むような段階を担うフレーマー様。作家さんを始め、すべての描く人を支える、同社ならではの伝統ですね。

そんなカワチ画材心斎橋店が移転リニューアルするにあたり、心がけたことを店長の柏原様にうかがいますと…ひとつは“画材を見せること”、そして“画材が試せること”。そして、店に立ち寄る“楽しさ”も演出したいと考えたのだそうです。

そのひとつ、黒い什器棚。たとえば、パステル画材だけでもおびただしい種類がズラリと並ぶ、この一面。

黒の什器を背景にグングンと迫るような画材棚は、「こんな色も描ける」「こんな色にもチャレンジしたい」と、気持ちをどんどんと高めてくれます。

色鉛筆もこの通り。まるで壁面一面が生き物のように迫ってくる。森羅万象の色を集約したかのような大迫力で、描く楽しみを触発してくれるのです。

こちらは試し描きができるコーナー。メーカーごとに分かれて配置されるので、それぞれのメーカー毎の特徴を感じることができる。描く人を支える同社ならではのコーナーですね。

こちらは油絵の具のコーナー。ひとくちに「黄色」といっても、多彩なラインナップ。PCでは描ききれない、私たちの視覚だから得ることのできる印象を手で映しこむ。そんな絵画をもういちど始めてみたくなります。

芸術を学ぶ学生さんやご年配の趣味の方、教室に通うお子さんなど、お客様の幅も広く。小さい頃に連れてきてもらった・・・なんて80代のお客様がご来店されることもあるそうです。

油絵の具の背面にはアクリル絵の具もズラリ。もちろん、筆やキャンバス、スケッチブックやクロッキーブックなども多彩に。

描きたい人、始めてみようかな?って人、極めていかれたい人などなど、すべての描く人の欲しい!や発見!や思案や発案を誘う…魅惑のスペースなんです。

こんな風に、質感や発色を比べられる「ヒント」なんかもご用意してくれていています。皆様ご自身のゴールに向けて、是非ともゆっくり見比べてみてくださいね。

昨今人気の高い「コミック」制作に特化したコーナーもあり。今夏の大作にチャレンジはいかがでしょうか?

そして、同ショップのリニューアルにあたり、こんなコーナーも出来ていました。「画人画廊」と銘打ったこちらでは、定期的に作家さんの展示が展開されています。

この日は「おじいちゃんのぜんぶ和紙」展と題しまして、和紙を駆使したフェイクフードが展示されていました。

とってもリアル、だけど紙の質感も感じられる。これを手がけられた作家さんは、これまで一度も作品を世に出したことがなく、ご自身の趣味として楽しまれてきたのだとか。まさに一隅を照らすような企画展示です。

こちらのコーナーは「アートマルシェ」。物販も兼ねた展示イベントスペースで、この日は「犬・イヌ・いぬ展」と題しまして…多彩なDOGが大集合。マルシェというだけあって、生活雑貨の展示なので、お気に入りを即購入も可能です。

そうなんです!お店に立ち寄る楽しさに加え、集まる・話すといったコミュニティの役割も担うのがリニューアルした同店の魅力なんです。こちらのワークショップスペースでは、作家さんと同社の企画担当者様が打ち合わせをしていたり・・・

作家さん同士で情報交換やお話をされていたり、定期的にワークショップを開催したりと、フリーな空間。「人×画材」だけではなく「人×人」から生み出されるものも大切にされたい、とのこと。

「本日のお試し画材」など、ここでも“試せる”楽しみがあります。みなさん、思い思いに手にとっていらっしゃいました。

さて、ここで発見しましたのがこのカード。「LINE@作家さん大募集」や「KAWACHI作家さん大募集」のお知らせのようです。さて・・・ここからが同社の真骨頂。

こちら「do Art.」のコーナーを散策。たとえばこの「白いシリーズ」は・・・

真っ白な立体のフォルムに自由に色が描けるキットなんです。同社の作家さんが手がけるとこの通り。招き猫はマトリョーシカ風に、ダルマは古来エジプトのような様相で。スタート(真っ白)とゴール(色付き)の妙味にクスッと笑いがこぼれます。

この「do Art.」シリーズを監修するのがプラスデザール事業部の水口様。水口様が主体となって広がる作家さんとのコミュニティが、数々の新プロダクトを生んでいるんです。

例えばこの「切り絵用 濃黒 切り絵用紙」。商品の右下に作家さんのお名前が入っているのですが、その切り絵作家 碧輝うろこ様と協同開発した切り絵用紙なんです。実際に使用する作家さんならではの“ちょっと些細な困りごと”を解決する企画製品で、切り絵ファンの方々の心を鷲づかみに!

さらにはこちらもご紹介。「ペーパー3Dキャンバス」は、一枚の紙が3Dキャンパスとなるアイテム。高級水彩紙製で、水彩絵具・アクリル絵具・色鉛筆・マーカーなどで描けます。1枚は約36gで、何度折りたたんでも傷まないハードな3Dキャンパス。押しピンで壁面に飾れます。

これも作家さんたちのニーズを汲み取ったプロダクト。水彩作品で展示会に出品してみたい、額縁がなくても絵を出品したい、展示会の搬出入が重くて大変、カンタンに展示できる仕様だったらいいのに、そもそも絵って2Dじゃないとダメなの??などなどなどなど!

そんな「まだ声(要望)にもなっていない潜在的なニーズ」を汲み取り、作家さんたちが何かをあきらめる前にカタチにする、それが水口さんのお仕事なのです。そのためにも・・・

これまで以上に多くの作家さんたちとつながりたい、との思いから… 「LINE@作家さん大募集」を展開されています。愛称は“ミッキー”さん。このLINEは直接ミッキーさん(水口さん)とつながります!

2020年には創業100周年を迎える株式会社 カワチ。時代に応じて、描く人たちを支え続けた矜持は、本日も最新のカタチで描く人たちを支えています。

最後に「画人画廊」のお知らせです。7月7日(日)まで、『ミニチュアフェミニン展』を開催します。フェミニンな1/12サイズの小さなミニチュア作品は、精巧さにため息もの!是非ご来場ください。

  • 価格は店頭でご確認ください。
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