2019.07.01

串かつ だるま 心斎橋店

Store Info

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  • 4
  • EAST

愛される名店

10年前のこと。「串かつ だるま」で修業を始めて3ケ月で“揚げ場”を任され始めた田益さんは、その日も一心不乱に串かつを揚げていたそうです。とあるお客様が「もう外出ができなくなった老いた父親に食べさせたいから」と持ち帰りをご注文され。「串かつ だるま」という店の存在感と、長きに渡り多くの方々から愛されているリアルさに、緊張で震える手を落ち着かせながら、揚げ切ったそう。そんな、「串かつ だるま」のお話です。

そんな田益さんは現在「串かつ だるま 心斎橋店」の店長様。本日はご多忙な中、お時間を頂いてのインタビュー。

ここで同店のおさらい。さかのぼること1929年。通天閣のお膝元で3坪12席の小さなお店が「串かつ だるま」のルーツとなります。1人の女将さんが、労働者のために考案した…安価で美味しく満腹になるメニュー、それが串かつでした。(画像は心斎橋店)

「人が集うことで生まれる活気と、美味しいという声とともにこぼれる笑顔。それらがいくつも重なって社会全体にこだまし、街全体に明るい光を照らす」。これが同社の信条。美味しい以上の真価を求め、現在は国内15店と拡大。本日は、なぜ「串かつ だるま」は旨いのか?を徹底リサーチいたします。

なんと!当取材であの「串かつ だるま」の厨房に入らせていただくことができました!心より感謝です!そこには・・・あの「企業秘密」ともいうべき、衣やパン粉がデンと鎮座!さぁ、いまから同店の秘密を探っていきます。

極細のパウダーのようなパン粉は専門業者にオリジナルで作っていただいているもの。

本日は串ネタを数種ご用意いただいております。さて・・・料理人の手が動き出します。

粘度の強い衣は「山芋」だけが明かせる素材。他は絶対の秘密なのです。アレルギーが心配な方には「卵は入っていません」など教えてくれます。

衣をくぐらせたら、表面にパン粉をまぶし・・・

190℃のヘッド油へ。このとき、片時も目を離さず、むしろ、射るように凝視しながら、花菜箸(揚げる箸)を常に動かして串を泳がせ続けるのです。

蓮根、蛸、海老、ウィンナー、うずら、しし唐、紅しょうが、串かつ(豚)などが、「ものの数分」の間に、それぞれ最適な加熱具合を見極められ、秒ごとの差で次々と揚げられていく。針の穴を突くような職人技。

刻々と変わる油温度を瞬時に感じ取り、多彩なネタに最適な加熱具合をほどこす。この揚げ場は少なくとも数ヶ月の研修を経ないと立てない、専任者の仕事の場。同店の心臓部分ともいえます。

さて、ご存知の方も多いことかと思いますが、こちらの「串かつ だるま」にはお楽しみがひとつ。これ!列車の線路のようなこれです。

そう、こうやって、注文した串が列車で運ばれてくるの!!!

やばい!まもなくアラフォーのワタクシもテンションが上がる。「おまたせ」「おおきに、また呼んでや~」のアナウンスにもユニークなアイデアがたっぷり♪

というわけで、気分を上げながら「元祖 串かつ」をいただきます。田益店長様直伝、美味しい食べ方~実践編~

まずは半分だけソースに漬けて・・・

もぐり、と。そうそう、この味。10年前、20年前と絶対変わらない、口に含んだ瞬間に「だるまの味!」と五感が目覚めるかのよう。ふっくら衣にサクサクの表面、豚の甘みとソースの複雑極まりなくも、ストレートに右脳に直撃する香味!!!!!!!!!!

ここから、ソース無しで味わうならばこのまま。ソース有りで味わうならば、キャベツでソースをすくって漬けるという、まさに二度漬けお断りの“現場作法”。そうなんです、二度漬けお断りってキーワードが渡世を独り歩きしてる感もありますが・・・

これは、不特定多数のお客様たちが心地よく食せるための、伝統的な現場作法ともいうべきものかと。何かを共有する際の大阪人の叡智のようなもの。いろんな人たちがいるんだよーっていう、大阪の包み込むような共存精神。禁止!なんて命令的なものじゃなくて、逆に、懐の深さの現れなのです。

ところで。この独自の味わいの秘密を田益店長様に迫ってみます。衣には山芋の他に何が入っているのか?ソースのベースは何なのか?「僕も知らないんです」とニッコリの田益店長様。そこを、なんとか…ほんとは知ってるんでしょ!?BIGスクープくださいっ!お願い…と追求するも・・・

その秘密はまるで一子相伝のようなもの。社内でも一部の方々が“鍵のついた部屋”で衣やソースを仕込んでいた時期もあったほどなのだとか。「僕だって探りようにも探れない、だから、串かつ だるま、なんですよ」とさらにニッコリ。

ただし!ここまではお教えしますと明かされたのが、この衣の断面。皆様分かりますでしょうか?コンガリと揚がった表面と豚の間に位置する「白い衣」。この部分が素材の旨みを閉じ込め、蒸し焼きのような加熱をほどこした証であるのだと。

この「白い衣」の部分が少々厚くても少々薄くてもダメ。表面のサックリと中のフンワリと、持ち味を逃さない素材の旨み。さらにそれに合わせる門外不出のソース。「すべてが合わさって、私共の変わらぬ味になるんです」。衣やソースの仕込みと、揚げる妙技の…まさに演算技!

さて、夏休みに他府県からお越しの方にオススメの一品もご紹介。この赤色が浮き出る串はといいますと・・・

なんと紅しょうがなんですね。カリッとした衣の中にアツアツの紅しょうが。テクスチャーの妙味も抜群な1品は大阪・心斎橋の思い出に是非どうぞ。

大阪人のワタクシにとって「大阪、コテコテ、B級グルメ・・・・」そんな記号でひとまとめにカテゴライズされるのは、なんとも忍びない。そうじゃない!と声を大にして言いたいくらい!約90年の歴史、伝統の継承、一子相伝、街場への想い、そんないろいろがギュゥ~~っと詰まった「串かつ だるま」。それを支える田益さんのような職人さんたち。

この空気感は、どのお店でも決して代替えできない、唯一のものなのです。まさに体験&体感するくらいの味わい心地が待っています!

とはいえ、人気店がゆえに、もちろん混みます。夏休みなんて行列必須でしょう。そこで…裏(裏でもないけど)技を伝授します♡

土日・祝日・繁忙期間(春・夏・冬休みなど)以外の「平日」、心斎橋店では、なんと予約が可能です。1400円(税別)以上のセットをお1人様1セットのご注文が条件となります。つまり・・・待たなくてもすぐ味わえる。夏休みに是非ともご来店を!

  • ◇新世界セット 1400円
    元祖串かつ/豚かつ/アスパラ/つくね/うずら卵/ウインナー/もち/チーズちくわ/天然えび
    (どて焼・キムチ・枝豆より一品)

    ◇道頓堀セット 1800円
    元祖串かつ/つくね/アスパラ/ウインナー/うずら卵/チーズ/もち/チーズちくわ/天然えび/さつまいも/豚かつ/若鶏からあげ
    (どて焼・キムチ・枝豆より一品)

    ◇心斎橋セット 2200円
    元祖串かつ/チーズ/アスパラ/チーズちくわ/うずら卵/さつまいも/もち/若鶏からあげ/天然えび/ハモ 又は 牡蠣/豚かつ/レンコン/つくね/たこ/ウインナー
    (どて焼・キムチ・枝豆より一品)

    ※上記の他、単品メニューなども豊富です。

  • ※価格はすべて税別です。

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