フードコーディネータの美レシピ
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年末のハヌカ
「ハヌカ」ってご存知ですか?12月のユダヤ教のお祭りです。クリスマス(キリスト教)の影に隠れて、なかなか認知の低い祭事なのです。ですがここ数年、ブログやインスタで「ハヌカを再現してみた!」を目にすることもチラホラ。クリスマスほど華やぎがなくて、微妙に控えめな感じがまた味わい深い。
ハヌカを知ったのは、ノーベル賞作家アイザック・B・シンガーの絵本「やぎと少年」からでした。ユダヤ民族の母国語「イディッシュ」で書かれた、稀有な一冊。「かいじゅうたちのいるところ」の、モーリス・センダックの初期の作画が見られることでも有名です。この本によると…ハヌカは8日間開催され、日を追うごとに1本づつロウソクを灯すそう。そして、ドレイドルという独楽を回して遊ぶのだとか。「ぶどう酒」「クジラの肉」「パイナップルや桃の実」など、ヨダレが出そうな(失礼)ご馳走ワードが並びます。
特に「じゃがいも入りパンケーキ」は最多で登場します。このパンケーキがハヌカで食べられないかもしれない…と家族全員でションボリするくらいの大ご馳走だそう。大阪でいうところの「冬のフグ」くらいの扱いなのです。それならば是非とも食べてみたいと、じゃがいも入りパンケーキを再現。
煮崩れしにくいメークインは、春から冬の今が熟成を増して甘みもアップ。生姜と蜜を効かせた煮汁でスライスメークインをサッと煮ます。甘さを抑えた生地をフライパンに広げ、表面に、煮上げたメークインをパラパラと並べます。後は、両面を焼くだけ。
粉糖と蜜を添えて出来上がり。じゃがいもは甘みを帯びて、ホクホクの食感がいい感じ。ユダヤ民族のソウルフードは、私たち心斎橋民族にとっては、お好み焼きやたこ焼きのようなものでしょうか。雑貨屋さんで購入した青い「ドレイドル」をくるくる回すと、まもなくやってくるクリスマス~年末の心斎橋イベントが楽しみになってきます。