2022.04.26

東急ハンズで実感!空前の文房具ブーム!

道具が仕事のクオリティを担保してくれるワケねーだろ。

あの大阪万博(1970年)が開催された頃、日本には電話しかなかったのであります。LINEもEメールもあるわけない。もちろんカメラはフィルムだし、なんとFAXもなかった。それでもあの万博は企画され設計され、建てられて運営されて、開催されたわけなのだ。ワタクシは常々思ふ。仕事の「質」はツールなんかが担保しちゃくれねぇ。もしワタクシが最新の道具をズラリ揃えたって、ワタクシの仕事のクオリティが本質的に向上することなんて「一切ない」。道具はあくまで道具、いくらお金かけたって、あくまで道具。仕事の質ってものは、その人の頭の中と身体と知見にしか「ない」。道具はそれを具現化するための「ツール」でしかない。

のっけから結論を書きますが、上記の強気口上はこの「東急ハンズ」取材で、すべて覆りました。いやぁ~語気荒く迫ってみたんですけれどね、なんせ<空前の文房具ブーム>の取材でしょ?すっごいのばっか出てくるうえに、取材担当の森岩さんの解説に心躍るわけよ。ステーショナリーってね、仕事の質を守ってくれる、あらゆる要素に成り得るワケね♪

まずは、ハイティーン学生たちから今絶大な支持を集めるペンケースです。森岩さんが小さくなっちゃったわけではなく、ペンケースが大きくなってきてるのよ。みて、このサイズ。メイクポーチよりおっきいわ★

なぜ、こんなにも大きいのか?そして、なぜ中身が見えることが支持を集めるのか?「中に入れるステーショナリー自体がかわいいデザインのものが増えているからです。そして、マスキングテープなど、ペンケースの必需品が増えていることも要因でしょうね」と話す森岩さん。ナルホドネ。

そんな昨今の流れは大人のペンケースにも顕著に現れています。この一見、シンプルかつ無個性なペンケース。実は、いまの時代に欠かせないアイデアがギュッと凝縮!

パカリと開いて中身をセットすれば…即席のツールボックスが出来上がり。スマホを立てて、ペンを立てたり並べたりして、付箋も配置して。そう、これまで「デスク」で配置していたシーンが持ち運べるようになった!リモートで自宅を即席オフィスに、カフェで卓上を即席オフィスに、フリーアドレス化が進む会社内でも即席デスクに!これはかなりのアイディーアアイテムです★

それにしても、なぜいま文房具はブームなのか?森岩さんに聞いてみると…「文房具市場は狭くて深いんです」と。続けて「私はこれらの商品を見ると、開発者さん自身が文房具に強い愛情を持っていることが感じ取れるんです。消費者のニーズをすくい取り、商品に反映させるスピードも速いですしね」とのこと。昨今「文具沼」なる言葉もあるように、どんどんとニッチニーズに応え続けるステーショナリー業界。もっとも顕著な現われは、「ペン」ではないでしょうか??

例えば、 <すっきりかわいく、ととのえる>とコピーが配される・・・こちらの「マイルドライナー」。蛍光ペンって「ここにマークしたよ!」と視認させるためにパキっとしたカラーが定石のはず。ところが・・・

「マイルドライナー」は、なんとニュアンスカラーの蛍光ペン。おだやかでやさしい色合いでマークされたノートは、全体のイメージもふんわり。そんな「感覚のニーズ」を商品化し、いまバカ売れのシリーズなのです。森岩さん情報によると「イラストが趣味の方にも支持されているんです」とのこと。なるほどね。

さらにはこちらの「nicolo slim」。1本のペンで右にひねると0.3mm、左にひねると0.5mmの芯が出るシャープ&シャープなペン。その「0.2mm」の差って、そんなに必要???と驚き!

「まあまあ、試してみて」と森岩さんに促され…書いてみたところ、アザができるほどヒザを打ちたくなる体感!!ご覧の通り、0.5と0.3の文字は微妙に線幅が異なります。これはスケジュール帳に書き込むとき、や、ノートに書くとき、と使用を変えるのは「分かる」。でも、このペンの凄みはそこじゃなくて、 0.3mmと0.5mmでは「書き心地」が全く異なるということ。これが「解った」ときの感動ときたら。極めて個人的な感覚の使い分けニーズも商品化した逸品と言えるでしょう!

次にご紹介するのが、<あなたの黒が、きっとみつかる>とコピーが配される「ボールサイン iD プラス」。もしかしたら、ここが「文具沼」の中央付近かもしれない…引き返せない分岐点! なぜならば・・・

さあ、ご覧なさい! 奥から、ピュア、ナイト、フォレスト、モカ、カシス、ミステリアスと計6種。これぜーーーーーーーんぶ0.5mmの「黒」なの。んで、こんな開発…ある種の拘泥な発案を商品化したのが「サクラクレパス」という「つながった――ーーー」感にもヤラレそう! 森岩さんはナイト(ブルーブラック)にハマったことがあるそうで「自分だけの文字を、自分がお気に入りの黒色に乗せて、お手紙を書く機会が増えましたね」と満面笑顔。なんて興味深いんだろう!

しかしまた、なぜこんなデジタル時代に文房具が流行るのか??そこの所を森岩さんに尋ねてみると「いっときは、デジタルとアナログの融合的商品もあったんですが、近年は文房具(アナログ)が独自の進化を推し進めていますね。時流に乗らない&媚びない独自のポテンシャルを発揮して、躊躇なく市場に乗り込んでくる。面白い現象だと思います」とのこと。

話は冒頭に戻る。「道具が仕事のクオリティを担保してくれるワケねーだろ」と息巻いてみたけれど、今でも、それは間違いではないと思う。じゃぁ、仕事の質(クオリティ)を担保するのは何か?当たり前の話だけれど、それは自分自身なのね。その自分が「このメモ見やすい!」「書き心地がいい!」「この黒色が大好き!」って感じられることって、仕事の上ですっごいポテンシャルを秘めてない?感覚を最適な状態に上げるためにも、文房具って大きな役割を秘めているのかも。。

そう気づいたきっかけが、最後にご紹介する「mahora」ノート。開発したのは、大阪市生野区で50年以上にわたりノートをつくりつづけてきた大栗紙工株式会社さんです。「レモン」と「ラベンダー」の2種カラーには、線の入れ方や網掛け帯など様々な工夫がほどこされています。ノートを使うにあたって、「紙からの反射がまぶしい、文字が書きにくい」、「いつの間にか書いている行が変わってしまう」、「けい線以外の情報が気になって集中できない」そんな悩みを持つ方々に向けて開発されました。もちろん、文字を覚え始めたお子さんや、目の疲れやすいシニア層にもおすすめ。

ふむ。文房具って奥が深い。どんどんとニッチニーズに応え続けるステーショナリー業界は、どんな小さなニーズもすくい取って、だれ一人こぼすことなく「文具を使う喜び」を担保し続けてくれているようです。

◇ペンケース
クリアペンポーチ 990円
otobaco 2,000円

◇ペン
マイルドライナー 110円(1本)
nicolo slim 550円(1本)
ボールサイン iD プラス 385円(1本)

◇ノート
mahora 各396円 

※価格は税込

店名:東急ハンズ
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3 心斎橋PARCO 11F
電話:06-6243-3111
URL:https://hands.net/ (公式)

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