水出し緑茶の実力
麦茶?緑茶?
「麦茶&そうめん」は最高のマリアージュだと思います。どれだけ美味しいものを知っても、幼少期に刻まれたあの記憶に適うもの無し。午後からのプールの前にそうめんをほうばり、麦茶をひと口。あの充足感、あの幸福感…。ところでなぜ夏は麦茶なのでしょうか。一説によると水出しができるからだそう。家族の水分摂取量が増え、生産の追いつかなくなったお母様たちの便利ドリンクだったのだとか。でも、もし、緑茶で水出しができたら?いや、それは、そりゃぁ緑茶でしょ。「麦茶&そうめん」の記憶もひっくり返る、美味しい水出し緑茶とは?
「水出し緑茶」、そんな魅力的なことできるの?「はい、できます」と答えてくれたのは、京都山城創業明治2年、宇治園の大山さん。老舗店の貫禄を背負い、本日はワタクシに水出し緑茶の魅力を教えてくださいます。1階店舗中央に位置する楕円形のテーブル。ここに並ぶのが…
氷たっぷりワインクーラーに用意された水出し緑茶の数々。緑色がすごくキレイ。でも、熱して茶葉を開いていない「水出し」なんて、本当に美味しいのでしょうか?疑い深くもジロジロと観察。大山さんはニコニコ。まずは茶葉の紹介です。
左は「小佳女(おかめ)」。生葉の発酵をとめる際の蒸し加減に秘密があり、通常よりも深く蒸すことで、渋みや苦みを抑え、コクのあるまろやかな味を引き出すのだとか。蒸し加減は、時間や温度だけでは語れない経験が必要。あえて茎の部分を残しているのも特徴で、独特の甘味香を活かしているそう。
右は「火男(ひょっとこ)」。なんと焙じ茶なのです。従来の焙じ茶に採用していた「ドラム式焙じ」から「棚式焙じ」を取り入れることで、さらに男前になった逸品。鉄板で出来た棚の上、遠赤外線により茶葉は時間をかけてじっくりと炒り上げられるそう。これにより、「火男(ひょっとこ)」は他に無い独特の上品な香りのお茶なったのだとか。
このコーナーは実際に試飲が体験できるのも嬉しいですね。では、いただいてみましょう。まずは右側「小佳女(おかめ)」から。・・・・・・・甘い。香りも風合いも甘くてまるい!そう、まるいんです。舌に軽くて、さりとて、しっかりと味は明瞭。これは、ほんとに水を加えただけの味なの?「水を入れて一晩、でも2~3時間でも味はしっかり抽出されますよ」と大山さん。
次に左側「火男(ひょっとこ)」。黄金色がきれいです。でもね、焙じ茶が水出しできるなんてありえますかね?疑いつつもひと口。 ・・・・・・・香ばしい!旨味が強い!当然ですが、麦茶よりも上品で奥深いのです。これも水出しだけ?「そうです、小佳女(おかめ)」と同じです。
秘密はこのワインボトル型の水出し茶ボトル「フィルターインボトル」。フィルターが付いた、シリコン製の注ぎ口がついています。この蓋がしっかりと閉まる!横にして冷蔵庫に寝かせてもこぼれることなく茶葉を抽出。蓋はパカッと外れるので、ボトル内もゴシゴシと洗えて便利ですね。夜のうちに茶葉と水を合わせれば、朝には爽涼感ある冷たいお茶ができあがり。
「どうでしたか?」期待以上、想像以上でした。煎茶や焙じ茶が水出しでこんなに美味しく仕上がるとは…なんともいやはや。宇治園さんが、この「水出し」に力を入れられたのが約3年前とのこと。フィルターインボトルは利便性はもちろん、フォルムのキレイさもあいまって、茶葉とセットにした贈答品にもオススメなのだとか。そのシリーズがこちらなのです。
煎茶の「小佳女(おかめ)」や焙じ茶の「火男(ひょっとこ)」に加えて、抹茶入りの「乙水茶」も好評なのだとか。冷たいお茶ならではの爽涼感は、必ずやお相手に喜ばれることでしょう。かなりセンス良しなプレゼントになるのでは?
「もちろん夏の麦茶は私も大好きです。当店でも麦茶は扱っていますしね。けれど、夏の飲み物にもっと選択のバリエーションがあっても素敵ですよね。こんなにカンタンに緑茶が冷たくて美味しくなること、たくさんの方に知っていただければと」はい、大山さんのおっしゃるとおりです。知らなかったら、一生の半分がもったいない。水出し緑茶の魅力、是非味わってみてください!」
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小佳女(深蒸し煎茶)+緑のフィルターインボトル 3,500円
火男(浅火ほうじ茶)+赤のフィルターインボトル 2,500円
乙水茶(抹茶入り水出し煎茶)+白のフィルターインボトル 3,000円 - ※全て税抜き価格。