「銀装」の「赤箱カステラ」が窮地を救う

営業の秘訣は「手土産バクダン」です。古典的な「手」ですが、やはり効き目は充分。アイス最中は女子社員人数分、一升瓶はご担当者の好みを反映させて、グローバルに行くならばやっぱり「銀装」のカステラ！これは効果が高い！彼ママにご挨拶の時も、気難しい経営者様への訪問時も、いつ何時もワタクシを救ってくれた「勝負カステラ」。なぜこんなにも喜ばれるんだろうと、一度自分のおやつ用に買ってみた。そしたら…「手土産バクダン」どころか、夢心地にさせてくれる至福の一本。一人暮らしをいいことに、ぜーんぶ自分で平らげました。あー誰か、ワタクシに進呈ください！

遡ること1952年。心斎橋に開業した「カステラ銀装」は、直営店限定の「窯出しカステラ」を筆頭に、各種のカステラがズラリ。ふんわり、しっとり、キメ細やかな「窯出しカステラ」は、銀装の歴史と矜持そのものなのです。
これらカステラは、買い求めて家で食べれば切ってそのまま。けれど…専門店ならではの理に適ったアレンジが楽しめるのが…

2階の「カフェ・ラ・サール」なのです。かつては、心斎橋の旦那はんや船場のごりょんさんも過ごした歴史あるデザート喫茶。昭和55年開業の空間には、重厚なレンガ造りやアーチを描く窓面、ドレープを重ねるカーテンなど、レトロな雰囲気がたまりません。

季節毎に差し替えるという、フランス画壇の巨匠カシニョールの版画も、具眼あるゲストの目を楽しませます。そんな空間で提供されるのが、銀装自慢のカステラを用いたメニューの数々。パフェやグラタン、フレンチトースト風など、「カステラにこんな楽しみがあったの!?」と嬉しい驚きが待っています。

と、その前に。ワタクシが最初にオススメしたいのが「自家製ビーフカレー」。カステラ屋さんでカレー??と、驚かれるかもしれませんが、これが隠れた人気メニュー。表のサンプルケースには度々「売り切れ」のPOPが貼られていることも。調理スタッフ様によると「一度食べたらリピート必須」なのだとか。というわけで、実食です！

まずはルーからひとくち。最初の印象は「甘い！」。フルーツの甘味がしっかりと強い先口は、惜しまないチャツネ量の賜物なのですね。そして中口はバターのコクがしっかり。でも、このカレーの魅力は実は後口。じーんわりとスパイスの刺激が、ゆっくりゆっくりと口中にグラデーションで広がります。そうすると、また先口の「甘味」が欲しくなる。つまり、スプーン止まらなくなるわけですね。

さらに特筆したいのが、お米との相性。お米の甘味と旨味がルーと完全にマッチします。双方で相乗して、お米ってこんなに美味しかったっけ？と再認識。ひとことで言えば、洋食屋さんのカレー。でも、デミグラスではなくてスパイスがきちんと効いた正統派。先口・中口・後口の流れが流麗にしてエクセレント！たしかにリピートしてしまうわ～♪

では、本題のカステラメニューに戻りましょう。本日いただくのは「フレンチカステラ」。こちらも
リピ率高い一品なのだとか。カステラ自体は、砂糖を控え、卵黄や蜂蜜を多く配合したソフトな口当たりのカステ11、通称「赤箱」を使用しているとはなんとも贅沢。そして、こちらのカワイイ仕掛けにもご注目ください…

ネコちゃんです。こっちを見ています。しかも笑っています。実は現在、表のサンプルにはこのネコちゃんはいません。つまり、嬉しすぎて可愛すぎるサプライズなのです。この一品が提供された瞬間、女性はもちろん、男性も思わずニンマリすること間違いなし。野心マンマンなあなたも刃を抜かれますよ。

メニュー構成、スペックのご紹介です。フレッシュイチゴに挟まれるのは生クリーム。そして真っ白なバニラアイス。ココアのネコちゃんにフレンチカステラ。甘味と酸味とほのかな苦味で構成されるワンプレート。では、いただきます！

牛乳と卵に浸したカステラは、フライパンで表面を加熱コーティング。ほどよくカリリとした表面の中には、しっとーり、ふんわーりのカステラ。卵の味が強くて、素材感が強く打ち出されるホカホカの一片を、冷たいバニラや生クリームが更に際立たせます。

やさしくて、上品で、素朴かつ重層的な風合い。忙しい仕事の合間にほっとする…嬉しいワンプレートですね。カステラの新しい魅力に気づかせてくれる一品です。調理スタッフ様も、フライパンで過熱する際にフワリと立ち昇る、あまーい香りにうっとりするそう♪

そんな銀装2階の「カフェ・ラ・サール」は19時がラストオーダー、今日の会社帰りにでも是非お立ち寄りください！