3年周期で第5派がうねり中!?
アジアストリートカルチャーの現在到達最前線
その「フィクサー」に迫る!!
3年周期で第5派。アジアストリートカルチャーはどこから来たのか?どこへ行くのか?
HUB LUB
文字数ももったいないので単刀直入に書いていく。当記事のテーマは「アジアストリートカルチャーはどこから来たのか?どこへ行くのか?」。これを紐解くにあたって、先日心斎橋筋商店街にニューオープンした「HUB LUB(ハブラボ)」の宮本幸生氏に解説いただいた。先に、宮本氏に関しての紹介をすれば、ここ心斎橋筋商店街においてアジアストリートカルチャーを専門に取り扱う唯一無二の店舗「HUB LUB(ハブラボ)」の代表である。店舗管理者であり、バイヤーであり、コーディネーターでもある宮本氏は、既に10年以上前から「アジアストリートカルチャー」の潮流を先見していた人物だ。
当時からアジア各地を飛び回っていた宮本氏の嗅覚が響いたのはソウルだった。それはまだ「形(ブランド/ライセンス)」にもなっていないマーケット感覚。南大門や東大門界隈の雑多ビルに入る、ショップ名もネームもない、いわゆる「服屋」にバイヤーや卸はもちろん一般客層も目を光らせている光景。宮本氏の嗅覚も「これは、来る」と感じ取ったという。
積み上げ売られる服をユーザーが購入し、コーデをアップしバズり始めるを追う形でブランド化が進むという、完全なる「ユーザー先行型」。ノーライセンスの1着に一隅が照らされて初めて服がカルチャーになるという、まさに「剝き出しのストリート感覚」。次に、インフルエンサーが身に着ければ、その話題性は瞬発的に指数関数的に爆発する。もちろん、消えてゆく服だって数多。つまり、極めてドラスティックなマーケットスタイルなのだ。「これからの流れはブランド先行じゃない」を肌身で感じ取った時、「この流れをどう日本にポジショニングさせるか」に宮本氏の食指が動いた。
一般にどんなブランドでも、まずは情報接触機会を増やし、次にファンを構築し、さらにはロイヤルカスタマーを形成し、最終的にエバンジェリスト(伝道者)を誕生させる。この既存のマーケットアクセスをまるで<逆方向>に配置したのが宮本氏が目撃したソウルストリートファッションのリアルな現場であったわけだ。「僕がバイヤーとして日本に持ち込むのは<商品>だけじゃないんです。この独自のマーケットスタイルと掛け合わせた商品、つまりは、それ自体がアジアストリートカルチャーと言えるでしょう」と話す宮本氏。
しかしながら、当然日本国内での前例が多いビジネスモデルとは言えない。それでも宮本氏はリスクを取りに行く。それくらい、ユーザー側の熱気と熱量は看過できないものであることを確信してしまったから。特にそれがストリートカルチャーという特異なジャンルならばなおさら。宮本氏が取り扱う商品は、今や韓国、中国、台湾、ベトナムとアジア地域を拡大中。これまでに構築してきたネットワークで、ここ心斎橋筋商店街にアジアストリートカルチャーの最前線を上陸させている。
そんな宮本氏がECではなくリアル店舗を開業した点も興味深い。賃料を発生させ、スタッフを通わせ、創り込んだ世界観がこのワンフロアだ。アジア各国のストリートカルチャーが集約され、交差し、スマホ画面では再現不可能な「代替えのできない」空間を創り出している。そう、これ。まさに、これ。この照度やネオンや並ぶプロダクト(商品)すら欠かせないディスプレイのように、アジアの最前線がハブとなる空間。ユーザーファーストだからこそ「空間」を用意する、それが宮本幸生氏。さらに欠かせないのが巧みなスタッフコーデセンス。今回は3コーデをご紹介。
MODITEC(モディテック)×MODITEC(モディテック) ※コーデA
MODITECは2017年始動の台湾の台南発独立系ストリートブランド。日本国内の取り扱いは限られた店舗のみで、まず他ではお目にかかれない。
オーバーサイズ&アーバンストリートテイストを、どこか華麗にも魅せるデザインで、アジアストリートスタイルをリードするといっても過言ではないブランド。
オーバーサイズ特有の流動線に赤&白の幾何学直線。このコントラストが身体を動かした際のインパクトを強調。当セットアップはユニセックス。レディースデザインが豊富である事も有名。
SUPPLIER(サプライヤー)×A FEW GOOD KIDS(ア フュー グッド キッズ) ※コーデB
日本でストリートファッションシーンを牽引するSUPPLIERを、アジアストリートで相乗を図る試みに満ちたコーデスタイル。相棒にはA FEW GOOD KIDSをセレクト。
バックにはSUPPLIERのシグネーチャー。ボトムは「これからの中国を変える」と言われるヒップホップグループHIGHER BROTHERSのMASIWEIも創設メンバーであるA FEW GOOD KIDS。ある意味、心地よいほどの攻撃性で上下をコーティング。
「この2つを身に着ける価値観」が前面に押し出され、「着るならばここまで上げていきたい」感を全身に。アジアストリートのある種の「完成」を体現するコーデ。
SUPPLIER(サプライヤー)×ノーライセンスのデニム ※コーデC
今回の記事を体現したかのような、こちらのコーデ。トップスは日本のSUPPLIER。そのSUPPLIERに合わせたボトムに注目して欲しい。未だ、現在は、バズり前夜のデニム。つまりノーライセンスである。
宮本氏がソウルで体感した、ショップ名もネームもないマーケットの1本。これからどんなユーザーが手に取り、どんなインフルエンサーが名乗りを挙げ、どんなエバンジェリスト(伝道者)が声高にアナウンスを始めるのか、「未知数が価値となる」デニムである。
ストリートデザインの王道・ファイヤーパターンをタイダイ染めで描くSUPPLIERのテクニカル。ノーライセンスデニムの絶妙ダメージ。双方の技巧が演算するワンコーデ。
最後の質問として、宮本氏に聞いてみた。「宮本さん、及び、HUB LUB(ハブラボ)のアジアストリートカルチャーは、これからどこへ行くのか?」。実は…この答えには大きな展望が秘められていましたが、現在は準備段階として公表はできないとのこと。「これから、 HUB LUB(ハブラボ)がアジアストリートカルチャーの醸成に一翼を担い、その先に迎えるフェーズはただひとつです。今は明かせませんが」と笑う宮本氏は実に不敵。これからも、当取材は HUB LUB(ハブラボ)を追っていきます!
gallery.
MODITEC(上)19,800円
MODITEC(下)14,800円
◆コーデB
SUPPLIER(上)15,800円
A FEW GOOD KIDS(下)20,800円
◆コーデC
SUPPLIER(上)10,800円
ノーライセンスデニム 未発売商品
※価格は税込み価格です。
その他、取扱アイテム例
Paragraph
What it isn’t
muah muah
GRAVER OF ANAHEIM
RMTCRW
NERDY
2PLAN
住所:大阪市中央区心斎橋筋1-5-22
TEL:06-4256-1755