2017.03.01

胡麻がすごい! | 特集 201703

胡麻がすごい!

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旨味が要。

「和食」のユネスコ無形文化遺産登録から、はや4年。キーワードとなる「旨味」は様々な角度からクローズアップされています。そもそも、中国やフランスで5つ、日本では7つと言われる味覚の層。
日本人がいかに味覚に敏感かが分かります。とりわけ、関西は独自の食文化を作ったエリア。例えば貴族文化の京都には有職料理、商人文化の大阪には、なにわ料理が伝えられます。

かつて南地と呼ばれた心斎橋周辺。料亭や割烹が凌ぎを削った場所でもあり、江戸時代に北前船が運んだ北海道の「昆布」が上方の食文化を発展させたエリア。そこにある、明治45年創業の「松前屋」。上方料理の歴史を支えた老舗名店でもあるのです。

店頭にはおっきな昆布!これはかなり目を惹きますね♪本場北海道の道南地方でも特に品質が優れている、白口浜の川汲や尾札部等の最高級真昆布を使用。しかも素材本来の味わいを引き出すために、2~3年もの間一定の温度のもとで寝かせて熟成させるこだわりぶり。

原料から商品になるまで何回もの厳しい選別を行うなど独自の技法を創業以来現在に至るまで、100年以上にわたって変わらず受け継いできたそう。あくまでも手作りの良さにこだわり、煮炊く、合わせる、削る、乾燥させるなどの製造工程を可能な限り職人が行って。なかでも最高級真昆布の旨味を余すところなく凝縮させる煮炊きの技はまさに職人の真骨頂といえるでしょう。

そんな松前屋さんにも春が来ておりまして、新商品や季節商品が店頭にならんでいます。

中でも「胡麻入り短冊昆布」が店長様のお薦めで、真昆布を使用した細切りの塩昆布を、すり胡麻と合わせた一品。以前は粒ごまを使用していましたが、すり胡麻にした事により胡麻のアンチエイジングパワーを、もっと吸収しやすく、また、商品の塩分を35%低くすることができました。

昆布の商品と言えば「塩辛い」「味が濃い」なんてイメージがまだまだあるかもしれませんが、こちらは胡麻の力を借りた一品。つまり素材の味がつよーーーく出ています。

そのままいただくと…すり胡麻のフワフワした食感に、昆布の旨味がなんとも◎袋を開けたときの香りの強さは、食欲をグンと上げてくれます。

そこで・・・先日ミシュラン星の料亭の料理長様より教えてもらった「昆布だしの取り方」で、出汁茶漬けにしようかと。松前屋さんで購入した昆布を水につけ、そのまま冷蔵庫で2晩寝かせます。ここでポイントは…5~7度の定温であることと、48時間水出しするということ。

48時間でとった昆布出汁でご飯を炊きます。水量はいつもの通りでOK。では、ご飯が炊けるまで、松前屋さんのトリビアなど。駆け込み天井や床の間がある店内は、和の雰囲気も素敵です。床の間のお軸は、明治から昭和に筆をとった歌人「吉井勇」氏がしたためたもの。具眼の持ち主ならば「すっごい!こんなものが残っているなんて」と驚かれるかもしれません。

ごはんを盛って、「胡麻入り短冊昆布」を添えて、ここで梅干も。ねぎとか大葉とか載せたくなるところですが「我慢」です。昆布出汁を際立たせるためのお茶漬けは、このくらいの構成要素で。温かな湯気から、香りが立つ昆布出汁に、胡麻の香ばしさと塩昆布の旨味、それを引き立てる酸味(梅)が調和。お好みで塩少々もいけますよ。

  • 胡麻入り短冊昆布 432円
  • ※価格はすべて税込み

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