竹翠書院
Store Info
- 店舗竹翠書院
- 住所大阪市中央区心斎橋筋2-8-2
- 電話番号06-6211-1320
- AREA
- 5
- WEST
年賀状、そう、年賀状
今年も来ましたよ、それはそれは達筆な年賀状の数々。
ワタクシなんて犬のかぶりモンで「あけましてワンダフォー!」ですよ。
その「ワンダフォー」年賀状と「謹んで新年の…」達筆年賀状が交差するんですから、なんともまぁ。
とはいえ、ひとつ気づきがありました。
筆字って、いただくと嬉しいんですね。
それは、折り目正しさなのか厳粛さなのか、よく分からないんですが、「あ、元気でいらっしゃるのかな?」って相手のことを想像したりして。
ワタクシ?そりゃ元気でしょ。なんせワンダフォーですからね。
書道…とまではいかなくとも、ワタクシも筆字が書けるようになりたい。
そう思いましてやってきたのがここ竹翠書院。
書法用品や印鑑、軸装、額装などを扱われる老舗店です。
そして書道教室もされております。
店内には和紙製品や便箋、ハガキ、色紙などなど趣きある商品や、
太さも長さも、筆の毛の種類も多彩な「筆」。壁一面にズラリと並びます。
これはこれは…「墨」が並んで!
小学校の授業で墨汁しかつかったことのないワタクシには珍しいものばかり。
竹翠書院さんは書法道具全般を扱われておりますが…書法にまつわる「骨董」にも造詣が深く・・・
例えばこちら。見慣れない形の硯(すずり)。
なんと中国は清時代のものと思われる1点。サラサラとした石の感触に驚愕!
さらには、なんと「ウリ」をかたどっているんです!
見てください、緻密なお仕事がほどこされて。
「ウリ」は繁栄の象徴、つまりは一族の繁栄への願いが込められているんだとか。
そんなあれこれを教えてくださったのがご店主様。
書道を始めてみたい…との旨をお伝えしたところ、筆のコーナーにご案内いただきました。
そこで「何のために書を学びたいですか?」とニッコリ聞かれ、いつか筆でお便りを送ってみたいと伝えたところ、筆談義に。
「筆の選び方」には正解も模範解答もなく「自分の手で何を書くか?」それに尽きる、とのこと。
店内には高価な1本も親しみやすい価格の1本もありますが、毛の柔らかさや太さ、自分にあったものを探すことが大切。
しなりや弾力も、実際にいろいろ使いながら自分に合う「これ」がいつか見えてくる。
先ほどの白い筆は「羊」、そしてこちらは「馬」。
では、自分に合う「これ」って、どうやって探したらいいんでしょうか??
実は、それが「要」だったのです。
「あのね、あのね」と話し始めた幼少から、「今日はいい天気で」と話す大人となったいままで。
自分の「話し方」は、より自分が納得できるように形成されてきたのですが…「字」も同じこと。
話に抑揚や息つぎがあるように、「字」にも自分の自然な形があり、心模様を反映することも。
だから、手書きのお手紙を見て…「お元気そうだな」とか「久しぶりだな」と、相手のことを思い起こす。
それはもう、瞬間的に。これをご店主は「書はキャパのある表現法」とお話してくださいます。
だから「上手になるのではなく、自分の型を探求するもの」なのだと。
なるほど!筆字の年賀状の「なに」に自分が響いたのか…やっと分かった!
ここまで解明して、では2階のお教室を拝見!
ここでご店主の素敵な趣味・嗜好をチラリと垣間見えるのです。
天童木工のバタフライスツールやムライスツール、どれも年代物の数々。さらには・・・
あらゆる文字を搭載したmacに・・・フランスのヴィンテージ自転車・・・・。
ご店主、相当な数寄者です。
まずは、筆の持ち方からレクチャーが始まります。
たとえば、筆を持つ位置ひとつにも、「なぜ、そうなのか?」をしっかりと。
そう、フォーマットだけではなく、その理由と本質もきちんと教えてくださいます。
それはもう、「身体論」。
非常に科学的でありながら、古来より認知されてきた普遍の身体の動きを「これを書では虚掌実指といいます」と教えていただくなど…興味が尽きない!
ふだん意識することなく動かしている自分の「手」が、こんな宙を秘めているとは…。
たとえば、この3本の指。
筆を持てば「たて、よこ、ななめ、まる」それぞれの動きに合わせて、アクセルとなり、ハンドルとなり、ブレーキとなる。
人間の手って、すごいんですよ!みなさん!車1台くらい、いや、それ以上に賢いの!
ワタクシ、ほんっとに感動します!
なにが「AIに取って変わられる」だっ。
こんな緻密でありながら、ふり幅があり、感情をも込められ、人同士もつないじゃう「字を書く(人の所業)」が、精密な機械なんかで代用できるわけがない。
字を手で書くって、すごいことだったんだ★
「だから、初心者の方でも安心して通っていただけます」とニッコリ笑顔のご店主。
ご店主ほか、講師の方々もそうそうたるご経歴の方々ばかりで、ワタクシ少々不安。
そんなワタクシに「生きている限り上達していくのが“書”なんですよ。
老成の芸です」と再度ニッコリ。
最後に、こんなものを見つけてしまい…どうしてもやってみたくて、お許しをいただきました。
さて、2019年の年賀状に向けて、ガンバリマス!!
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竹翠文化教室
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書道月謝/講座により異なる 7000円~※初歩の方から専門に研究したい方まで、その人の技量に応じて、親切丁寧に個人指導します。
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