2022.05.13

クラシックで王道!これがミツヤのかき氷だ★

<the喫茶系>と銘打ちたい心斎橋ミツヤ「かき氷」

心斎橋筋商店街が「かき氷」で活気づく季節は目前!各店舗様がそれぞれの強みを前面に打ち出し、個性豊かな一杯に矜持を宿す「かき氷」。お茶系やハイブリット系、革新型や回顧型など、毎年様々な切り口が登場しますが、<the喫茶系>と銘打ちたいのが心斎橋ミツヤ。そろそろ、夏期休暇のスケジュールを立て始める遠方の方々もおられることでしょう。心斎橋筋商店街に来たら「心斎橋ミツヤ」は外せないスポットです。そして、心斎橋ミツヤの夏はかき氷の夏。これを食べずして心斎橋は語れまへん。

その前に、心斎橋ミツヤの歴史をおさらいしたい。さかのぼること明治30年の後半。六甲山から氷を切り出し、製氷して馬に運ばせ、現在の福島区で販売していた「小儀凍氷店」。それが心斎橋ミツヤのルーツ。「小儀式氷削機」を考案して特許を取得。それが心斎橋ミツヤにおけるかき氷販売の始まり。アイスクリームの製造と販売も行っていた…関西における氷菓のパイオニア的存在。

大阪で初めて「あんみつ」を提供したのもミツヤ。 戦後の価格統制をかいくぐった、商い人の知恵とアイデアと挑戦の結晶…そう、ミツヤは高価であった氷菓を我々庶民の味覚に運んでくれた立役者でもあるのです。今では心斎橋のレジェンド級純喫茶ともいえる存在感なのですが、始まりからこれまでには「前例のないこと」に挑み続けた先人の矜持が秘められているのです。

そんなミツヤの歴史を存分に注ぎ込む、この一杯。名前を「フルーツたっぷり」と言います。まるでフルーツ山でフルーツ狩りをするかのようなヴィジュアル。実はこの一品、ビジュアル先行型でもなく、味だけがピカイチなのでもなく、「食べること味わうこと本来の楽しみ」が幾重にも仕掛けられている…。それも純喫茶の風合いをまとって!

まずは、まずは。心ときめきながら味わい始めてください。その名の通りバナナ、桃、マンゴー、ミカン、ラズベリー、ブルーベリー、イチゴ、ライチなどなどなど。果実のテクスチャーと味わいがグググっと迫ってくる。馴染みあるベリーが、イチゴが、桃が…それ本来のポテンシャルを超えてくる実感に戸惑われることでしょう。それもそのはず。

各果実の持ち味を際立たせるのは…この純氷あってこそ。スプーンで触れた瞬間に「フッ」と指先に儚い感触を伝える、フワフワの氷。果実の持ち味を受け止めて、口内にスッと広げる最適な媒体!!選り抜きの氷削機にも秘密がありまして…それを解説してくれるのがこの方!

同店の中川店長様です。店長様が両手で説明してくれているのは、氷削機の刃の調整に関して。純氷が最も繊細にフンワリ感を持って削られるための刃の調整を綿密に設定されているのだとか。様々なかき氷メニューを世に送り出してきたミツヤですが、このベースたる純氷プライドあってこそ!

さて、味わいは中盤に差し掛かります。なんとワタクシ、思わぬ金脈を掘り起こしてしまいました。それが・・・ソフトクリーム!!シャリ&フワの氷に馴染んだ口内に、これはなんとも嬉しいハプニング。トロリと粘度を湛えるミルク感が氷と相まって、さすが喫茶のかき氷と膝を打つ!!!

さらに掘り起こせば、大阪が誇る喫茶の味…ミックスジュースの登場です♡♡♡クリアな純氷にしっかりと浸み込ませてパクリとひと口。ここ心斎橋にいながら「大阪に来たデ~~~」とテンションが上がること間違いありません。ここで「フルーツたっぷり」を味わうポイントとして<果実は最後まで取っておく>を強調しておきます。ミックスジュースとの並走はとんでもない効果を生みますからね!ね!ね!

最後は別添えのミルクシロップを惜しみなく注いでください。トローリと滴り落ちるミルクシロップは練乳のような甘みを想起。一気に懐かしさへと誘う感涙ものな仕掛け。素材(果実)を楽しみ、技巧(氷削)を楽しみ、ソフト→ミックスジュース→ミルクシロップと3大ミルク感で回顧喫茶を満喫。これぞ、心斎橋ミツヤのかき氷。どこか古典的でクラシック、そして喫茶の氷菓としての王道さ。どれをとっても<ここでしか味わえない>逸品に仕上がっています!

さて、心斎橋ミツヤと言えば…このコもお忘れなく。さかのぼること2014年、心斎橋ミツヤに彗星のごとく現れ、多くの争いを鎮めたとも言われる脱力系・かき氷…「こぐまちゃん」。まっすぐにアナタを見つめるチョコチップの瞳が、心中の邪念に「よくないよ、やめようね」と語りかけてきます。

眺めるほどに、醜いマウント合戦もバカバカしくなる。多幸感…、平穏なシアワセ。純氷ふわふわの顔部分。みかんの耳に、チョコチップの瞳。バニラアイスの鼻。練乳たっぷりの甘味は凝り固まった心を溶かしてくれます。そう、食べるこちらが溶かされてしまうのです。

かつて「こぐまちゃん」はU10指定であったかと記憶しております。つまり、お子様限定。しかしながら、ほんとうにこのコの存在を欲しているのは「大人」なのかもしれない、そんな仮説から年齢リミット解除に踏み切った心斎橋ミツヤ。思い切った<決断>でした。

かくして、心斎橋筋商店街に舞い降りた天使は大人たちの心も浄化するに至るのです。そして今年も、「こぐまちゃん」は、あの狂気の猛暑から我々を救ってくれることでしょう♡

最後にワタクシからの切なるお願いです。もしアナタが「こぐまちゃん」と出逢うことができたなら、どうかその姿を皆様におすそ分けしてあげて欲しい!この多幸感が、上司に叱られたとか、彼氏に八つ当たりされたとか、御堂筋線乗り遅れたとか、そんな寄る辺ない心痛に必ず効くはず。
今夏も心斎橋ミツヤのかき氷は皆様に幸福をお届けします♪近隣の方も、遠方の方も…是非ともお立ち寄りを★

フルーツたっぷり 935円

こぐまちゃん
・お子様価格 550円
・おとな価格 770円

※価格は税込です

店名:心斎橋ミツヤ
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-3-21
TEL:06-6211-1028
URL:http://www.mitsuya.co.jp

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