2015.06.01

アイスココアが待ってます。

Store Info

  • 店名Cocoa Shop AKAI TORI
  • 住所大阪市中央区心斎橋筋2-7-25 金子ビル2F
  • 電話番号06-6211-6638
  • AREA
  • 6
  • WEST

特別な一軒

はじめにおつたえしますと、今回ご紹介する専門店はあまり詳細を書きません。このまま、どこまでもクローズドな世界であってほしい、そう感じて止まないお店です。最近は箱の中身(正体)がどんどんあふれ出て、事前にキャッチした情報を「確認」にいくような、そんな消費行動が主流に。でもここは、自分だけが捉えられる嬉しいとか美味しいとか驚きが凝縮された一店です。どう感じるか?で満ちています。

「Cocoa Shop AKAI TORI」は1972年創業。当時も今も、ココアを主としたココア専門店。ドリンクやフードは全てココア関連。階段を上がってエントランスをぬけると、まず、芳醇で香しい薫香に酔いしれます。日中でも陰影の効いた店内は、目を凝らすとココア関連のディスプレイに埋め尽くされていることに気づきます。この空間の全てがひとつの世界「ココア」を構成しています。

客席をぐるりと囲む壁面には、様々なココアが。ストーリーとしても、アカデミックにも、ヒストリカルにも。さらには、ゲストの記憶や思い出にも訴えかけてくる日常の小物にも。

キッチンでは創業者・菅田さんが黙して手を動かします。五感がアンテナを立てずにはいられないほど、静かな、静かな空間。そうやって目や鼻や耳が、ココアを捜し始めると「あ、この店の術中にハマッた」と気づきます。そんな気持ちのよいヤラレタ感が最大の魅力なのかもしれません。

店内には、屋号の由来ともなった「赤い鳥」が置かれています。大正時代に出版された児童文学書ですね。珍しい舶来物が食卓にあがった大正~昭和の時代。動物型のビスケットや色とりどりのキャンディ、憧れだったソーダファウンテン、アイスクリームやウェハース。そしてもちろん、チョコレートも。子供たちが甘いお菓子に夢中だった時代の児童書は、まさにこの店の主役です。

この店で用いるのはオランダ、デザーン社のココア。 世界最大規模を誇るオランダのココア加工業社であり、製菓の世界では最高級との呼び声も高い。そんなココアの多彩な魅力を伝えるように、幅広い品揃えが並ぶメニューブックはミントグリーンの二つ折り。これは撮影禁止なので、初めて行かれる方はご注意くださいね。

ほんとは、もっともっとメニューの数は多かった。いまでも少なくしたくらい、と菅田さんは言います。練る、寝かす、タイミングや温度、濃度や糖度、そして香りも。ココアはそれひとつでお料理であるくらい、デリケートかつ無限の可能性を秘める食材。辛味や苦味もともなって、際限なく表情を魅せてくれるそう。では、ひとついただきましょう。

注文したのは「バーディアイスココア」です。テーブルに置かれた途端、香りが立ち昇り続け、瞬時に気持ちを虜にされてしまいます。クリームをかき分けて、まずはココアを。冷やりとした食感の後は、原始的な力強いCACAOのインパクト。地に根付き実を成らせる逞しさが、上品に昇華して洗練された妙味。なるほど、これがココア専門店の一杯なのか!感嘆!

ほかにも、赤唐辛子やほうじ茶、ビールに「おうす」も。バラエティ豊かなココアメニューは全て香りや温度を計算尽くされ、それに見合った「カップ」や「味わい方」で提供されます。遊び心を効かせたユニークな一点も、実直な一品にも、菅田さんのCACAO愛が込められていることでしょう。

さて、ご紹介しました「Cocoa Shop AKAI TORI」。まだまだ謎はたくさんあって、嬉しい驚きや発見に満ちています。ここを訪れて「内緒」にしたくなるか「口コミ」たくなるかは、きっとパカッと2分されるはず。あなたはどちら派でしょうか?楽しみにお越しください。

  • バーディアイスココア 680円
  • ※価格は全て参考価格です。
  • ※全て税込価格。
  • 【営業時間】12:00~19:00 定休日/水曜・第一火曜

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