NO RAIN NO RAINBOW
2020年5月21日、大阪は緊急事態宣言が解除され、それでもどんな気持ちで「外」に出たらいいのかよくわからない頃。Gapの「NO RAIN, NO RAINBOW」デザイン&コピーがSNSで自分の元にも届きました。「雨が降るから 虹が出る」と訳されるコピーに7色の虹。虹って、雨が降るから空に架かる。虹は多彩な色で、その1本どれも他の色に替え難い。改めてアパレルウェアブランドGapのメッセージ性を再認識。そんなGap/Gap Kids 心斎橋店にお話を伺います。
2018年の11月22日に心斎橋筋商店街にオープンしたGap/Gap Kids 心斎橋店。最大の特徴はオールスタイルを網羅するフロア構成です。メンズフロアに…
ウィメンズや人気のロゴショップ。そして、
キッズフロアも。
さかのぼること1969年、創業者ドリス&ドン・フィッシャー夫妻は「洋服を売る以上のことをしよう」とサンフランシスコで第1号店をオープン。若者とのボランティア活動から芸術の支援や教育プログラムの資金援助など、CSR活動も目覚しく。Good business can change the world ― 正しいビジネスが世界を変えるを信条に、ひとつのメッセージカンパニーとして全世界のアイコンといっても過言ではないでしょう。
2020年、この未曽有の事態に早々と(そして堂々と)宣言した「NO RAIN, NO RAINBOW」。公式リリースには「私たちは、先の見えない状況が続くなかで、周りを思いやる気持ちと笑顔を大切に、一緒にこの状況を乗りこえていこうという想いを込めて NO RAIN, NO RAINBOW (雨が降るから 虹が出る) のメッセージを選びました。」と書かれていました。
4月9日、福永mgrは同店を一時クローズしました。「お客様とスタッフの安全・健康は何にも替え難い」と振り返ります。Gapの信条を詰め込む「店舗」は、お客様とスタッフのコミニケートやメッセージの発信など、「洋服を売る以上のこと」で溢れていました。その場所を閉じなければならない、苦渋の決断でした。
そして5月7日。ソーシャルディスタンスの施策を最大限に、アフターコロナのGap/Gap Kids 心斎橋店は再開します。スタッフのマスク着用や検温、お客様用のアルコール配置など、見える予防は徹底。残念なことですが、あのGapならではのスタッフさんからの声掛けや会話も、今は控えています。
Gapらしさを今は排除せざるおえない。福永mgrの焦燥感はもちろん募るのですが「今の期間を“次の機”につなげていかなければ」とも話してくれます。
(今)できないことよりも、(今だから)できることを。福永mgrは同店の「次の一手」の構想と準備を着々と進めているのです。
同社のサスナビリティ活動にADVANCING PEOPLE AND COMMUNITIES-人々の暮らしとコミュニティの発展-という項目があります。地域や地場のコミュニティがつながり、エンパワメントな発信を起こす。Gapの信条のひとつ、です。
2018年の開業からCOVID-19まで。Gapから眺めてきた「心斎橋の街」は福永mgrにとって、多様な側面がありました。いいな、と思ったことも、もちろん、そうじゃなかったことも。世界中から観光客が訪れる心斎橋筋商店街だからこそいろいろな場面があります。
「この街のひとりの当事者として、Gapに何ができるか、心斎橋店だからこそできることを、心斎橋のみなさんとしていきたいんです」と話す福永mgr。だからこそ(今)できないことよりも、(今だから)できることを観て、練って、動き出そうとしているのです。
世界中から観光客が訪れる心斎橋筋商店街。ここを訪れた多くの方々に「素敵な街だった」と、記憶に残して欲しい、と話す福永mgr。 「洋服を売る以上のことをしよう」と発信するGapの神髄は福永さんの中にしっかりと息づいています。
さて、Gap/Gap Kids 心斎橋店および福永mgrがどんな素敵な企てを考えているのか。ここではまだ内緒なんです(ごめんなさい!)。楽しみに一報を待ちましょう。
最後に。取材のこの日、店内にはお子様が塗ったと思われる塗り絵が飾ってありました。これは同社が子どもたち向け配信したレインボーの「ぬりえ」。
力作ぞろいの1点1点が大切に掲示されていました。