健康志向スイーツ

心斎橋筋商店街で「雪のはな Dessert Cafa」といえば、北海道ミルクのふわふわパッピンスで有名なお店。スノーパウダーよりもっと、はかなくてサラリとしていて、それでいて濃厚で、水っぽさはなく、さりとて口の中で溶け…な、奇跡の食感。さらには、たっぷりフルーツのビタミンや、きなこの滋養など、伝統的な粗食のアイテムをふんだんに用いた健康志向のスイーツとしても支持されます。

こちらの麗しいお方は李惠眞（LEE HYE JIN）女史。釜山国立大学で栄養学を修めた超がつくエリート。その上、学術だけでは飽き足らず、韓国調理師免許まで習得してしまった技術者でもあるのです。「雪のはな」商品全般の開発を手がける彼女には、いくつかの信条があります。

★★甘くて肥満の原因といったスイーツの概念を変えたい。
だから、1個の商品には、動物性・植物性たんぱく質やビタミン＆ミネラル＆食物繊維、栄養価の高いトッピングなど、1回の食事のようなバランスを。そして…
★★どこにも無いものを生み出してみたい。
韓国伝統の「食」に関する考え方を受け継ぎ、なおかつ現代の嗜好やスタイルに沿って表現し続ける決意。李惠眞女史は、開発者であり学者であり、クリエイターでもあるのです。

そんな李女史が商品を発案する「雪のはな」。今ではトッポギを用いたフードメニューや季節限定メニュー、そして、豊富なドリンクメニューと、パッピンス専門店の枠を超えて、あらゆるメニューに挑戦し、2014年のオープン以来、多くのお客さんから厚く支持されてきたのです。そんな当ショップが、3月にバージョンアップした「フレンチトースト」が・・・爆発♡♡♡しています♪

国産きな粉に、天然黒蜜をたっぷり効かせた「きな粉＆黒蜜」、自家製リコッタチーズクリームを用いた「リコッタ」。

バナナとキャラメルソースの相性バツグンな「バナナキャラメル」に、国産のこだわり抹茶と自家製あずきの「抹茶あずき」。

これらフレンチトーストは「Fluffy French Toast」と名づけられています。 Fluffyとは“ふわふわ”のこと。では、一番人気「フルーツフレンチトースト」の作り方をみながら、人気大爆発スイーツの謎を追っていきましょう♪

まず、用意されたのは卵とミルクをたっぷり使ったブリオッシュパンの一片。小ぶりで厚みを持たせた見た目は“ドッシリ”とした面持ちに。このブリオッシュパンをアパレイユ（フレンチトーストを浸す卵の液）に漬け込むこと…一晩。そのアパレイユにも卵やミルク以外に、秘密のエッセンスが混ぜられているのですが…ここでは内緒です。

バターを溶かした熱々スキレットに、ブリオッシュパンを乗せると…ジューーっという音と共に卵やミルクやバターの香りがふわっと漂い始めます。表面が加熱されコーティングされたら・・・

オーブンへIN！！180度の定温でさらに加熱を続けます。この時間6分。ブリオッシュパンの厚み、アパレイユの漬け込み時間、スキレットでの加熱、そしてオーブンの温度と時間。すべての数値に何度も試作を重ね、ベストマッチを導き出す。これがプロの開発。

6分後、さらにいい香りをさせながらフレンチトーストがオーブンよりお目見え！たまりません！

たっぷりの季節フルーツとクリーム、自家製ラズベリーコンフィチュール、メイプルシロップを添えて「フルーツフレンチトースト」は完成しました♪

ドリンクセットは200円と250円の2種。コーヒーやエスプレッソで苦味と合わせるもよし☆カフェラテやモカも捨てがたい・・・ワタクシのオススメは・・・

華やかな香りと酸味のキレイな「ローズヒップティー」で。では！いただきましょう♪

しっかりと焼き目でコーティングされた表面は、ナイフを押し戻すほどカリカリとしています。ここで怯まずに、ググッとナイフを押し込みますと・・・・・

アパレイユをしっかり浸透させた中身が…。フォークやナイフを押すたびにジュワジュワと！！！表面と中身の大きな違いにかなりドキドキが高まるのです♪

それではひとくち・・・・「！？」カリッカリの表面の中身は・・・もうパンでもなんでもありません。まるでプティング！トロリトロリトロリ、そしてフワフワフワフワのプティング状態。あの完成から、どうしてこの中身が想像できたでしょうか！！！そして、同じ一片のパンなのに、この食感と味覚の対比は・・・極端すぎる、あの加熱がこんな結果をもたらすなんて！！

この一片は、ほんま「奇跡」です。素材の選定から、仕込みの工程、注文後の調理、道具（スキレット）のチョイスに、トッピングの精査。すべてがこの味わいに向かって練られて練られて練られてきたわけです。それだけではありません。

「お客様の食べ進み方」にも綿密な計りが伺えます。クリームのコクや自家製ラズベリーコンフィチュールの甘酸っぱい酸味。

メイプルシロップをたっぷりと落とすときのドキドキや味の変化。いま、あえて！李女史ありがとう！こんなスイーツを世に生んでくれて、感謝申し上げます！そしてもう1人ご登場いただきたいのがこの方・・・

「雪のはな Dessert Cafa」店長、松宮さんです。李女史が考案したスイーツメニューを「いつでも、どなたにも、必ず最高の状態で提供する」こと、それが松宮店長の使命。「今回のフレンチトーストメニューは、仕込から仕上げまで、こだわり出したらきりがない」話します。

1枚ずつ切り分ける無数のブリオッシュパンの厚みを、1ｍｍの相違なく切り分けるにはどうすればいいのか、スキレットを充分に加熱するためには何を目安とすればいいのか、日々変わる温度や天候の中、オーブン何分が妥当なのか？李女史が発案する「最高の状態」を、どうやって「いつでも、どなたにも」提供するのか、また、それをどう継続させるのか？

ひとたびメニュー開発が本格化すれば、こちらの両者は夜中でもメールのやり取り。相談しあって、アイデアを出し合い、ふたりで解決へと導くそう。そのチームワークで奇跡を生むのが「雪のはな Dessert Cafa」のスイーツ。

当フレンチトーストが商品化された際、とあるお客様が食べ終わり、席を立つときに松宮店長様に声をかけてくれたそうです。「パッピンスのお店のフレンチトーストだから、まったく期待していなかった、舐めてました、すみません（笑）こんなに美味しいと思わなかった！」と。その言葉があるから、いつでも「最高の状態」に向かって「見えない仕事」を妥協なく進めることができるのだと。

李女史がまたも新たなスイーツトレンドを生み出した「雪のはな Dessert Cafa」。どこにも無いものを生み出してみたい…その気持ちは2014年のオープン以来まったく留まることなく、いや、かなりパワーを増してまい進中！ぜひ皆様、フレンチトースト召し上がってみてください。参りますよ♪