WEGOの原点

カウンターカルチャーを牽引し、タウンウェアとしてオリジナルアイテムやセレクトものも扱い、その勢いは全国に拡大。歴史は遡ること1994年。アメリカ村の一軒の古着屋さんにルーツを持つWEGO。そんな同店も2020年、COVID-19によって岐路に立つことになりました。しかしながら、危機感や焦燥を逆手に繰り出される新手は、まさに同店の底力。WEGOの原点はいまここに在るのです。

「2020年の2月には、既に危機感がありました」と話す牧田mgr。国外にも多くのファンを持つ同店は日ごとに客足が減少。出口の見えない未曽有の事態に牧田氏も焦燥を募らせたそう。次々と他のアパレルがクローズしても、最後まで踏み切れなかった、その理由とは、、

「それでも来店されるお客様がいたから」と牧田氏は話します。お店（WEGO）に来て、欲しい服を選び、買い物をする。楽しく迷って選び、お会計をして、帰ってゆく。そんな“お客様の日常”をどうかこのままに、といった切望。それでもCOVID-19は国内でも拡大しはじめ、日常は少しずつ壊れていきました。「いや、僕らにできることが必ずある」牧田氏は当時を振り返ります。

ファッションの力で元気にさせることができる

“お客様の日常”を再現するために、くわえて、おうち時間を楽しめるように、少しでも元気なってもらうためにーーー始めたのは圧倒的なスケールでのインスタライブでした。まるでお客様がお店（WEGO）に来て、欲しい服を選び、買い物をするかのような配信。同店で人気のスタッフが陳列されたアイテムを次々と手に、おすすめポイントなどをリアルに発信するライブは、2000人以上の閲覧者を獲得。そんなライブ配信と並走して、、、

売り場フロアのゾーニングも一気に変更したのです。例えばウィメンズフロア。これまで「スカート」「トップス」といったカテゴリー陳列であったのを、「ストリート」や「ガーリー」といったテイスト陳列に。正面右から左へとグラデーションを帯びるようなテイストの移行で、これまで接触のなかったジャンルにも挑戦したくなる！そんなモチベーションを喚起されるゾーニングに。

フロア内にキャンプ場を作っちゃったのも着眼。終息したら、開放感あるシーンで思いっきり楽しみんでみたい！そんなお客様の声を代弁するかのようなディスプレイ。新しいゾーニングの中をスタッフが動き回り、次の「やってみたいこと」を魅せていくようなインスタライブ。2000人を超える閲覧者から次々と届くDMには、アイテムへの質問や購入希望が殺到したのです。

ここに1枚の記録があります。同ビル5階フロアを埋め尽くすおびただしい梱包準備の様子です。WEGOスタッフはDMで届いた購入希望にひとつずつ応え、時には着心地やサイズ、カラーバリエにも応えていきました。そう、まるでお客様がお店（WEGO）に来て、欲しい服を選び、買い物をするかのようにです。

販路でいえばEC（electronic commerce）に分類されるこの販売方法。ECは店頭スタッフの接客を伴わないことが最大の販路特徴のはず。ところが、スタッフがひとつずつの購入希望に真正面から（DM上で）接客して期待と満足を最大限に高めるという…逆説手法。「お客様にとって、価値ある購買体験を提供する、それがWEGOですから」と話す佐藤店長。

その結果、通常よりも買い上げ点数や買い上げ単価が上がったというから驚きです。つまり「インスタライブを閲覧～購入決定」までの一連の流れに、お客様の高い満足を得たわけです。もう少し筆者独断で言ってしまうと、お客様は「服」を買うアクションで自身のモチベーションを得たとも言えるのではないでしょうか。あの混乱と不安のさなかに、WEGOがフックとなって、です。

もうひとつ。この時期に思わぬ前兆があったそうです。様々なSNSで情報発信するなかで、同店のTikTokから配信したスタッフのダンス動画が、約80万回の再生数を得る…思わぬ快挙でした。
しかしながら、約80万回の再生数はもちろん、それ以上に牧田氏と佐藤店長が「ありがたい、嬉しい」と感じたこと。それは、スタッフたちの前を向く姿勢。WEGOファンからのDMは「楽しい！」「ありがとう！」とたくさんの応えが届き、スタッフとお客様がエンパワメントし合う軌跡が残せたことが何にも替え難い財産に。

「もちろん、お客様とスタッフの安全あってこそ」と話す牧田氏と佐藤店長。店内には至る箇所にソーシャルディスタンス施策が設置されています。ですが、いまWEGOにあるのは後ろ向きな守りではなく、安全に確実に、そして楽しく前進する歩みです。

実はWEGOは2020年1月にコーポレートスローガン、ステートメントを制定しています。「若者の“自分らしさ”を応援する者であること」を核に、皆さんの応援者宣言をしています。このステートメント、全文読んでみて欲しい、ほんっとに感動します。

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YOUR FAN
フツーなんて、人の数だけあっていい。そういう未来を、WEGOは目指します。ここに立ち寄った人、ここではたらく人、その一人ひとりのかっこよさをリスペクトしたい。そこで生まれる情熱を糧にする会社でありたい。そう、WEGOは「あなたのファン」でいたいと思う。わたしたちの仕事は、ファッションやカルチャーやライフスタイルを、いろんな方法でかき混ぜ、組み合わせ、新しい価値を見つけること。そうやって街を、世の中を、もっとにぎやかに彩ること。そのために、あなたが欠かせないのです。遊び心を忘れなければ、この世界は、おもしろいことだらけ。時代が変わるなら、その変化さえ一緒に遊んでしまおう。WE。わたしたちは。GO。進み続けます。最高に楽しいものは、いつだって道の途中にあるってことをもう知っているから。

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最後にお2人から皆様へのメッセージです。

佐藤店長
アフターコロナで新しいスタンダードが始まります。漠然とした不安もあるかもしれません。ですが、オンラインを通じて、これまでにない楽しさや価値を創造することもできます。WEGOと一緒に楽しみましょう。

牧田mgr
お客様に伝えたいのは「一緒に元気に、一緒に盛り上がりたい」ということです。WEGOは皆様のファンです、皆様ひとりひとりの個性や夢を応援しています。