<今週末はちょっといい果物を>に青果のプロがお応えします!
1人でコッソリ・・・
その家の家人が「こっそりと、自分だけ」で美味しいものを食べて、心身の英気をチャージするって話は、古今東西、どこにでもあるテンプレートな逸話です。池波正太郎先生のお母様はコッソリと鮨をつまみ、向田邦子先生の祖母様も西洋菓子を味わっていたそう。ワタクシの実母も「いつかあなたが結婚したら、ひとりでコッソリと食べる鰻がいちばん美味しいって分かるわよ」と砕けたアドバイスをくれました。ワタクシがいつか1人でコッソリと戴きたいもの、それは高級フルーツ!いつか丸々いっこを自分だけのために、心おきなく味わってみたい★
そこでやって来たのは大丸心斎橋店B2Fの「フレッシュワン」。そのルーツは1985年と歴史が深く、ここ「心斎橋フードホール」でも、とびきりにフレッシュな香りを広げるワンスペース。青果のプロバイヤーさんたちが仕入れる野菜や果実が季節を映し出すような売り場を演出してくれています。
結論から書いちゃいますが、この取材…かっなーーーーーーり面白かった!!!普段、お値段や用途しか見ないフルーツというジャンルにおきまして、こんなにも背景と時間軸を感じさせてくれる、まさに「果実を買う=真価ある体験」なひと時。それもこれも、売り場に立って接客をされる加茂さん(店長様)が、<自ら足を運んで中央市場で仕入れを行っている>から。目利き歴10年以上の審美眼はもちろんのこと、商品の語り口を聴いているだけで口内に甘い味わいが広がるほど。
マンゴー「1人でまるごと独り占め/濃厚orサッパリが移行します♡」
まずはマンゴー。この日は宮崎産と鹿児島産が鎮座しております。どちらも自然に落果するまで樹上で完熟させ、甘さや味の濃さにインパクト大な逸品。これは、たまらんね♡両者とも種が同種でありながら、もちろんキャラクター(味の違い)もあり。国内マンゴーは5月から生産量が右肩上がりで、7月ごろにピーク。そのあとは「名残り」タイムへと移行します。
ここで面白いのが、これから登場する沖縄産との比較。糖度が高く味の濃い宮崎・鹿児島とは異なり、サッパリ系の風合いが美味なんだとか。つまりは、アイスやクリームと合わせて、お家でパフェなんか作っても◎ってこと。ここで、加茂店長アドバイスです。「糖度の高いものがお好みならば、色の濃いものを選んでください!」とのこと。夢だった「1人でまるごと独り占め」を実現するべく、目を光らせるワタクシです!
シャインマスカット「手間いらずで極上の味わい/あの疑問がとうとう解明される!?」
次はシャインマスカット。贈答にも喜ばれるシャインマスカットですが、やはり、なんといっても、包丁を使わずにテーブルにポンっと提供できる気軽さがいいですよね。小さいお子さんがチョロチョロとするご家庭にお贈りするならば絶対喜ばれる!もちろん、ここ贈答用コーナーにも・・・
シャインマスカットは鎮座しています♡美しいマスカットグリーンにウットリ。果肉がはちきれんばかりに膨らみ、皮をピンっと張らせる…ひとつぶ・ひとつぶ。香りまでご馳走な一画です。
見てください、この実の大きさ。たわわに連なりながら「うまいでぇ~、ほんまに、うまいでぇ~」と囁いてくるかのよう。。5月~6月はハウスものが中心で、走りは「長野県」から。7月、8月、9月と進むごとに、岡山県や山梨県から露地ものが到来するそうです。伴い、甘味や味のインパクトも強くなっていくそう。
ここで、加茂店長に質問。ハウス栽培と露地栽培、結局のところどちらが美味しいんでしょうか?この質問に対する加茂店長の答えにご注目!「それぞれに生産側と消費者側の一長一短があるでしょう。召し上がる方が何を美味しいと感じるかにも大きく左右されます」と。だから、産地と食べ手をつなぐ専任者が活躍するのです。例えば、このシャインマスカット。「爽やかな酸味を楽しみたいなら緑が濃いうちに。糖度の高まりを味わいたいならば黄色が帯びてくる頃を見計らって。手元に届いた瞬間から<どんな味わいを楽しみたいのか?>を自由に選べるんですよ」と教えてくれます。加茂店長はじめ、ここフレッシュワンのスタッフさんたちは、まさにそんなご案内&ご提案のプロフェッショナルなんですね。
メロン「今夜は家族や友達と♪/小回りの利く贈答提案」
最後はメロンのご紹介。まず、ご注目いただきたいのが「価格」です。熊本のクインシーも茨城のアンデスも、この日はどちらも1,620円。つまり1,500円プラス「ちょっと」で丸ものが購入できる、絶妙すぎるほど絶妙なポジショニング!この価格帯ならば、丸ごと1個をダイニングテーブルに登場させて、ささやかで嬉しくて、なんだかちょっといい時間が過ごせること間違いありません。もちろん専門店たる同ショップですから、目が飛び出て戻らなくなるようなメロンもございます。ですが・・・
「気軽に購入できるメロン、このラインは私たちのこだわりなんです。皆様に喜んで欲しいですから」と加茂店長もニッコリ。左は熊本県産クインシーで赤肉の濃厚甘味。右は茨城産アンデスで青肉のさっぱり系。好みに応じて選べるのも嬉しいポイントです。さらに、この価格帯メロンにはもっと幅広い需要があったんです。ここからが当取材の真骨頂!さぁ下へスクロール!
「例えば、とても強く感謝を伝えたい贈り先様がおられるとします。でも、お相手に気兼ねもさせてはいけない。こんな絶妙な場面って難しいですよね」と話す加茂店長。そう、銘菓や商品券などでは現わせない<感謝>のケースって、確かにある。それでいて相手に恐縮させない程度のものって難しい。「そんな時にもこの価格帯のメロンは、気軽にお渡しできて、気持ちも込められると喜んでもらえるんです」。ナルホド!!!!膝にアザができるほど、膝を叩いて納得!!!
聞きにくい…予算の件「恥ずかしい予算なんてありませんよ」
最後に、なかなかに困ってしまう、予算の件。例えばワタクシなんかは気が小さいくせに見栄張りなので「ご予算は?」なんて聞かれた瞬間に頭がショートします。だって、こんな高級専門店で「4千円です」なんて恥ずかしくて言いにくい。そんなワタクシに「恥ずかしい予算なんてものはない」と話す加茂店長。例えば、先ほどの1,620円メロンに他の果実も加えて、盛りだくさん感を演出する。また、比較的親しみやすい価格のものを組み合わせるなど「ご予算の中身にお客様の気持ちを詰め込む、それを提案するのが私どもの役割なのですから」と話す加茂店長。
そう、毎朝ご自身で市場に向かい、ご自身の目利きで旬を選り抜く加茂店長だからこその言葉。コッソリと独り占めして味わうマンゴーも、ハウスから露地へと移行するシャインマスカットも、親しみやすい価格のメロンも。手をかけて育てた方と味わう方の「橋渡し」を鮮やかに。さらには贈る方と贈られる方との「橋渡し」も心を込めて。今日もフレッシュワンではいい香りを漂わせながら多様な利用シーンに応えてくれています!
◆マンゴー
宮崎産 2,380円
鹿児島産 3,240円
◆シャインマスカット
長野県産 7,560円~10,800円
◆メロン
熊本産クインシー 1,640円
茨城産アンデス 1,640円
※価格は税込み価格です。
※価格および内容は取材当日の参考価格です。