関西パンケーキ頂上決戦(@心斎橋)を制するのは…!?
まずは、 512CAFE&SWEETSのおさらい
ご存じの方もそうでない方も。512 CAFE&GRILLといえば東京は港区の赤坂にあるカフェの神話的名店。なにゆえ神話的かと言えば、そのコンセプトを<セレクトカフェ>としている点。国内・海外の作り手が真摯に手をかけた素晴らしい素材を、ひとつのメニューに集約。四季すらもスイーツに映し出す流麗さ。クリエイターたちとコラボする意欲的メニューなどなど。客人と素材を創意で結びつける…ひとつのコミュニティのようなハブのような役割を果たしているのです。
そう!つまり2020年7月に大阪は心斎橋にやって来た「512CAFE&SWEETS」は、言うなれば<東からの刺客>ってワケよ。心斎橋パンケーキ勢力図に新たな新風を巻き起こし、さらには「大阪店限定メニュー」でスィーツファンの心を揺さぶる台風の目。本日は話題の大阪限定パンケーキをご紹介します!
ここでご登場いただくのが同店の高野さん。今回ご紹介するパンケーキ、コンセプトは「パンケーキのコース料理」。日本スィーツ協会認定のスィーツコンシェルジュでありスィーツライターの「はなとも」さんとのコラボレーションで生まれた…まさに珠玉の逸品。では、高野さんに腕を揮っていただきましょう。
まずはクッキー台とチーズ入りスフレを配置。
次に卵白の泡立て。卵は兵庫県は丹波産。味の濃い卵が支持される昨今の流れに逆らうかのごとく、淡白で端正な味の卵を厳選。生地やクリームやソースと構成したときに、全素材の“持ち味”が調和することに重きを置く、同店ならではのこだわりなんです。
鉄板に乗せてゆっくりと加熱のスタート。この鉄板は東京本店からわざわざ運んできた1機。そのくらい、このパンケーキが繊細で、高度な加熱技術を要する、とんでもないメニューだということの証なのです。高橋さんは射るような目で生地を凝視。その日の湿・温度、さらには卵の状態などを鑑み…「いま、最もベストな、加熱温度と焼き時間」を見極める…妙技。機械やAIでは再現できない、まさに「人の手の仕事」。
ここで生地はスチーム加熱に移行。水蒸気のジュワーっという音を聴きながら ①鉄板の表面温度を確認 ②生地をさらにふくらませる という工程なのです。
ボンボンにふくらんできた生地に…なんとプロセスチーズをIN。これが後にどんな味わいを生むのか?最後まで目が離せない!
さて、こちらでは盛り付けの準備も同時進行しています。4本並ぶ金色の匙には(手前から)「たまねぎベーコン」「黒胡椒」「ベリー&バジル」「ハチミツ」が!
焼き上がったパンケーキを配置し、たっぷりのチーズソースときび糖をON!全体像が見えてきました!
仕上げは客席で直火の炙り!一瞬で立ち昇り、店内に広がる薫香。目前で眺めるワタクシにもジンワリと火の熱が伝わり、五感が「パァアア」っと覚醒する瞬間です。
それでは「CHEESE PANCAKE KIWAMI ふるぷるチーズパンケーキ 極」を試食していきましょう。
熱されて溶けたチーズソースが3段パンケーキをコート。そこにゆっくりとナイフを入れる…ふるふると揺れるほど繊細な生地が割れたその瞬間!チーズソースが決壊へとなだれ込む!!!
まずは「たまねぎベーコン」を添えて。たまねぎの甘味とベーコンの旨味がチーズソースと相性抜群。まるでカルボナーラのような濃厚さにクラっとするほど恍惚に♡ベーコンが妙味なテクスチャーとなり、咀嚼ごとに口内に広がる肉汁がチーズソースの「焦げ味」と対峙する。そうなんです、きび糖が焼かれ、焦げた味。そう、モノ(素材)が焼ければどう変容するのか?それをまっすぐに突き付けてくるような香りや強い香ばしさ。これが味わいの“スタート”だったんです。
次に「黒胡椒」を添えて。黒胡椒が呼び出すのは、チーズの「ミルク味」。乳製品のミルク感を引き出して口内に広げ、儚い甘さを吸引して表層に拡大。先の「たまねぎベーコン」と同じチーズソースとは思えないほど、味覚や香りの表情を変えて迫ってくるのです。
次に 「ベリー&バジル」 を添えて。これは、バジルを先に行くか?ベリーを先に行くか?で物語をガラリと変えてしまう…嬉しい苦悩♡目の覚めるような強い酸味インパクトのベリーはチーズソースだけでなく生地の「甘味」ポテンシャルも掘り起こしていく。しかも極めて美しい強靭さで笑。バジルソースもフレッシュリーフをムシャムシャするような濃厚さでチーズソースと生地の「旨味」部分を掘り起こし。もちろん極めて美しい強靭さで笑。主張の強いソースペアですが、それを包囲的に受け止めるチーズソース&生地の底力を体感できます。
最後は「ハチミツ」 を添えて。皆様、きっとこのタイミングで生地内のプロセスチーズが果たす役割に膝を打つはず!自然の甘味=ハチミツが呼び起こすのは、チーズの「塩味」。口内が<あまじょっぱい>を感知すると、思わずニンマリと。なんて優しくて懐かしさも喚起する味わいだろう。これは心中の「憧憬」そのもの!
4種の味が「ひとつのパンケーキ」から多彩な味わいを引き出してゆく、この逸品。構成の巧みさだけじゃない、味わいの流れにも幾重にもトリックを潜ませて。まさにコンセプト「パンケーキのコース料理」。
さらには、味わいやテクスチャーを変えてゆく、スフレやクッキーもお楽しみに★
こんな高密度味覚なワンプレートの軸であり核であるのが…やっぱり「生地」なんですね。ふるふるに繊細な生地は卵白が要なのは言うまでもありません。そして、なんと…このメレンゲには「砂糖が一切使用されていない」のです。素材本来の味を押し出すかのような決断。砂糖なしのメレンゲなんて…相当な難しさだと思うのですが。。。
「だから、卵白の泡立てはかなり神経を使います」と話す高野さん。1秒2秒と秒単位で変容する様子を目や手で感じ取り、ベストな状態へと仕上げていく。「ここでゴールではありません、まだまだベストな状態を模索していきます」と話す様子に自信がみなぎっています!
ここで!関西のスィーツファンを自称するアナタに伝えたい!この「パンケーキのコース料理」を体験せずして、今の関西スィーツを語れるだろうか?この<東からの刺客>が放つ新味を体感してこそ、関西におけるパンケーキ勢力図に一筆が加えられるというもの。間違いなく行くべき!味わうべき!頂上戦の舞台は「心斎橋」ですよ!!!
◇ CHEESE PANCAKE KIWAMI ふるぷるチーズパンケーキ 極
2段仕様 1,400円
3段仕様 1,650円
※価格は税込
※別添えは日によって変更する場合があります