中川政七商店

本日はワタクシ、9月にリニューアルした大丸心斎橋店8階の「中川政七商店」様に伺っています。2019年の年末の贈り物に是非とも同店のアイテムを選びたく…。ユニークかつ伝統的な数々の商品は、想像以上の利便性とユーモアを秘めた逸品ばかり。さて、隅々まで物色です。

ここで、中川政七商店さんのおさらい。創業は1716年創業の奈良県。台所の道具や季節のしつらい、服飾小物など、日本の工芸をベースにした暮らしの道具を生み出しています。日本の工芸はピーク時の1/5以下にまで減少し危機に瀕していると考える同社。

「300年、工芸の栄枯盛衰を見てきたものとして、なんとか100年後も工芸が人々の暮らしと共にあるように」そんな想いで、日本全国の産地から人の手によって生み出される工芸をいまに活かす。それが中川政七商店の大きなテーマ。

9月にグランドオープンした大丸心斎橋店では、地元大阪の工芸品も多く扱っておられます。そう、ピンと来た方、鋭い！年末に他府県のお世話になっている方々にも贈りたい、大阪ならではの技術や着眼や想いのこもったプレゼントを是非探してみてください。

ご案内いただくのはこの方。同店の店長三木様です。ニッコリ話す温和なご様子ですが、店長様の頭の中には商品アイテムの知識や工芸に対する造形がビッシリと詰まり、お話を伺うたびに驚きと発見の連続。そのうえ「もっと知りたい」欲求まで触発する、語り手の傑物！！！

まずは堺市で受け継がれる「注染（ちゅうせん）」の手ぬぐい。文字通り、染料を注いで染める技法で、浴衣生地の染にも使われる技法なのです。昨今はかわいらしいデザインやユニークな絵柄で好評。通常の手ぬぐいとは違い、裏面まで染められていることが特徴です。

すぐ乾き、持ち運びやすく、たたむとコンパクトになる手ぬぐいは、旅行などにも大変便利。いろんなデザインがありますので、贈る方のイメージに合わせてどうぞ。

次は「大阪ふきん」です。大阪と名を付けるには理由あり！ジンベエザメやトラにカニ、たこ焼きや大阪城に中央公会堂などなど。大阪ならではのイラストが描かれる、目にも楽しいふきんなのですね。

実はこのふきん。「蚊張（かや）」の素材でできているんです。「かやぁ？？」と思ったアナタ。その若さがうらやましいですが、まずは聞いてください。蚊帳とはその昔、就寝時に蚊よけとして用いていたお道具なのです。

その蚊帳を作る技術をふきんに応用したのが当プロダクト。吸水性と通気性に優れるのは目の粗い生地ならでは。濡れてもすぐ乾く、臭いが出にくい、しっかりとした持ち手で鍋つかみにも…などなど、素材の特徴が現代の暮らしにぞんぶんに活かされております。

「これは買い！」と決められた方、もうちょっと話を聞いて！そんなふきんですが、大判サイズもあります。畳むと分厚く、広げれば薄い。細かな場所にも力を込めて磨きたい場所にも使い勝手抜群な大判サイズは、通常サイズと合わせてセットでの贈り物にしても“気がきいてる”。

さて、ここまで手ぬぐいとふきんを見てまいりましたが、ここからが「旬」です。クリスマスから年末年始にかけておすすめ商品をピックアップ。

1919年創業の紙の道具「紙器具（しきぐ）」を扱う大阪企業が展開する「大成紙器製作所」のプロダクト。自然気化式の紙製加湿器をツリー型のフォルムで。アロマオイルを入れてディフューザーとしてもご利用いただけます。乾燥するこの季節に嬉しい1点。冬のお部屋のインテリアにもおすすめです！

こちらは筒形のぽち袋。紙製加湿器と同じく、「大成紙器製作所」のプロダクトで、紙管の技術を生かした型くずれしない構造です。

お正月らしいおめでたいデザインは、鶴や鯛や亀など。蓋を取った内側にも「水引」などのデザインが施され、なんともこにくいデザイン演出。眺めているだけでも楽しいぽち袋には、しっかりお年玉を入れて、姪っ子や甥っ子にオバチャンの存在感をアピールしましょうね♪

実は…この筒形ぽち袋にはもうひとつ仕掛けがございまして。蓋を外した瞬間に「ポンッ」と威勢のいい音が鳴ります。楽しい＆おめでたいを視覚にも聴覚にも楽しませてくれるんです。

「これらすべて、日本に継がれてきた工芸の技が秘められているんです」と話す店長様。懐かしい手触りも温かく、そして現代にアップデートされた「いまの、日本の工芸」は、まだまだ店内にズラリとならびます。年末の贈り物に是非どうぞ。