2023.08.29

目の前で職人が仕上げる指輪
「最短5分」×「980円~」
ただし、その体験は数値化不可能な特別感!!!

glänta大阪店

ちょっと真剣な話を書く。

のっけからすみませんが、ちょっと真剣な話を書く。早く情報が知りたい方は読み飛ばしていただきたい。
あたらしく生まれる業態が「記号で成立する」度合いがますます強度を増していく、ここ10年ほど。『ハッシュタグ+おしゃれ』とか『ハッシュタグ+安い』とか『ハッシュタグ+カワイイ』とかね。ワタシたちを情報拡散の主体として、ハッシュタグの後に続く「記号」だけで成立する分かりやすい商品やサービスが溢れかえる昨今。ここで置いてきぼりになるのが「人の情報」。その商品やサービスに価値をもたらす、人の技術や人の信条や人の尽力が語られる機会を失っている、と常々思っているワタクシです。語られる機会を失ったものは前面には打ち出されない。打ち出されなければ、知る由もない。知らなければ、ワタシたちはハッシュタグの後に続く記号を消費する「記号消費者」としてしか存在しえない。商品やサービスを前に、当事者ではなく消費者としてしか立てないというのは、ちょっと寂しい現象ではなかろうか。。

ゆうても、ハッシュタグに続くキラーワードが強ければ強いほど、強い集客力を担保するのは事実。そう、事実なんです。ならば、その方程式に倣うのがメインストリームなのでしょう。ところが、そんな定石を逆手にとって、「人の手の技術」を最前面に打ち出すお店が現れた。それが、2023年4月にオープンした「glänta大阪店」なのです。この店を定石に倣って紹介するならば、、、
#オシャレ!作りリング
#安い!980円~
#早い!最短5
となるのでしょう。ですが「glänta大阪店」はそこが本質ではない。このお店での体験は、ワタクシを記号消費者から、感受する体験当事者にしてしまった。それこそ、最短5分の980円~で、オシャレに…、それを成し遂げてしまったのです。

gläntaをひとことで説明すると「職人さんが目の前でサイズぴったりの指輪を手作りしてくれるお店。約200本のサンプルから好みのデザインを選び、製作時間は1本約510分程。値段は980。予約不要、指輪はその場で受け取れる」となります。そうです、ワタクシだって、そのつもりで取材に来て、「自分好みの指輪がチャチャッと手に入るなんてラッキー♡」くらいの感覚でした。ところが…ところがです。あんな体験になるなんて、まるで想像もしていなかった。

それは入店した瞬間に気づきます。大勢のスタッフさんが一心不乱に手を動かす光景。手が空いている人が1人もいない。常に商品を磨き、道具を手入れし、何かしら手を動かしながら、射るような目線で自身の手仕事に注視している。その表情の真剣さ、懸命さ、切実さ。ガーとかシュルシュルシュル~とかトントントンとか、手仕事の音を奏でながら、お客さんが店頭に現れるとパッと笑顔に変わり「いらっしゃいませ」とニッコリ。スタッフさんの緊張感と歓迎がないまぜとなった独特な空気が、空間いっぱいに満ちています。

たとえが悪かったらゴメンナサイ。この空気は…仏のタイヤメーカーが星を付けた割烹や鮨店のそれにも似ている。技術者であり、もてなしにも心血を注ぐ、まさに「職人」たちのそれ。数値化も記号化もできない、そんな表現じゃまるで追いつかない空気感。それでいて「入りやすさ」も「気軽さ」もあって、お客サイドには決して緊張を強いない独特の空気感。

STEP.1 素材とリング幅とデザインを選択

カウンターには約200種のサンプルがズラリ!!ここまで広がると目が回りクラクラとしてきそうですが…ご安心を。このサンプルディスプレイがかなり秀逸で、サーーーーっと眺めていると「あ!」と自分の心が反応する「素材×デザイン」に目が留まるように、よぉーーーーできています。しかも各種の価格もしっかりと明記してあるので、心のトキメキ度×お財布の中身が瞬時にマッチ。迷うも即断も・・・どちらも楽しいディスプレイ。

今回ご担当いただいたのが店長の南屋さん。少々迷い気味のワタクシに、各種素材の特徴や、日常的に付けるならばどんなデザインがおすすめか、ゆっくりと説明してくれるのです。特筆すべきは、そのヒアリング力&プレゼン力。ワタクシ自身も意識していなかったニーズまで汲み取って、 gläntaでできるベストへと…ふわりふわりと着地していく過程。ここで引き揚げられたワタクシのニーズがこれからどんな形(指輪)になっていくのか?「期待」をゆっくりと確実に高められていくのです。

ワタクシの「クラシックで、キラッとしていて、あまりキラキラとはしすぎずに、それでもキラッとしていて、ほどよい存在感で…」こんなワケのわからん希望が着地した製作プランがコチラ。素材は真鍮(しんちゅう)。経年によって、クラシックやヴィンテージな風合いが生まれる素材。金管楽器に使われている素材だそう!ほどよい存在感を示すならば幅を3mmと決定。そうすると…この価格になる、という分かりやすさ!

キラッとさせるために選ばれたデザインがこちら。表面を打つことで、陽光や照明の反射面を増やすデザインです。反射面の角度がさまざまとなるので「キラッ」の面が増えるワケですね。

「あまりキラキラとはしすぎずに…」のリクエストに応えるのは表面加工。シャイニー/マット/グリッター/スターと4種から選べる表面加工で、好みのツヤ感をセレクト。ワタクシは、デザインでキラッを適えたので、表面加工は柔らかな光沢を放つグリッターを選択。

STEP.2 サイズの確認

次はリングゲージを使ったサイズの確認。ワタクシ、指は11号(右手薬指)。世の中には8号や7号の女性も多い中…若干、いや、相当にテレるサイズでございます。ここで皆様に力の限りお伝えしたいのが…このサイズ確認の最中、gläntaのスタッフさんは一切「サイズの号数」を言葉にしないこと。さらには、10号のゲージがハマってちょっと小躍りなワタクシに「常に付けられるならこちらのサイズの方が違和感がないですよ」と、そっと、号数を告げずに、11号の方を勧め直してくれたこと。

取材の特権として…ワタクシはこのとこを南屋さんに聞いてみた。そうしたら…「号数はあくまで数値の目安です。ここからお客様にピッタリなサイズに作っていくので、数値を口に出すことはありません。お客様にとって気持ちよくご利用いただくためにも当然のこと」と。これだけでも感動するってのに、そっと11号を勧め直してくれたことには「ご自身の指に心地よくはめられることが最も大切なんです。無理のないサイズを選んで欲しいからです」と。つまり、ワタクシの指のサイズはワタクシだけのもの、数値や号数で恥ずかしいだのなんだの思う必要は一切なく、さらには自分が心地いいと感じるサイズが大切なのだと、、。ここらへんでやっと気づいた!gläntaの「オーダーリング」のオーダーとは、素材やデザインだけのオーダーじゃない。ワタクシの気持ちや心のバイオーダーでもあったのだと。

STEP.3 繰り出される…職人技!

素材が決まり、デザインが決まり、表面加工が決まり、サイズが決まって。いよいよ…このプレーンな1本がワタクシだけの1本になっていきます。ここまでの工程で大きく気持ちを揺るがされたのは…あくまで「前置き」。ここからが本番。前置きの密度が高かった分だけ、ドキドキが止まりません。

鉄芯棒にはめた指輪をカナヅチで打っていく南屋さん。トントントントントン‥‥軽快に響く音とは裏腹に、この射るような目。穴があくほど注視しながら、指先で変容していく3mm幅を捉える目線。南屋さんだけじゃありません、この怖いくらいの視線を店内のスタッフさん全員が指先の仕事に向けているのです。リズミカルに動くカナヅチと南屋さんの表情を交互に眺めながら、この光景から一瞬も目が離せなくなり、ピーンと空気が張り詰める…緊張のひと時。

果たして指輪は均一の幅で反射面を連ねる1本へと仕上がっていくのです。と、同時に。この工程は指の実寸に伸ばしていく工程でもあります。叩きながらデザインを施し、サイズも合わせていく手仕事。

さらに形を整えるべく、道具が変わります。先ほどとは打って変わって、カーンカーンカーンと金属が叩かれる音が響きます。目も耳も捉えられてしまうこの工程。この台はレールアンビルと言いまして、文字通り線路のレールなんです。木製カナヅチから打ち込まれる動力を逃がさない特別な台。

さらには…指輪内面を滑らかにするために、研磨機も登場。用途に応じてあらゆる種類がスタンバイされる一画から1点の研磨機を選り、シュルシュルシュル―と手元の仕事は続きます。次々と繰り出される道具、そのたびに音が変わり、目前の光景が変わる。いまPC前だからこうやって文字にしているけれど、リアルに目前にした際は目が仕事を追うので精一杯。「次はなにが起きる?」「その道具はどう使うの?」「この音、すごい!」の連続に、大げさでも盛りでもなく、手に汗が出てくるほど。

ここで指にはめたイメージがコレ。先ほどのプレーンの状態からいかに形状が変容したかがよく分ります。そして、ここから表面加工の工程に入るのですが・・・・・・

店内でもひときわ重厚な存在感を放つ、この研磨機。まさかのコチラの出番なのです。

しかも、主に使うのはこの右側のハリガネ研磨で、無数にブラ下がるハリガネが超高速でグルグルグルグルグルグルグルグルと回転。特殊な手袋を付けた南屋さんが、たった幅3mmの指輪を慎重に慎重に近づけてゆく。凝視し続けられない光景に「ヒヤッ」と思わず目をつぶってしまうほど。シャァーーーーーーーーと響く尖った音。南屋さんの手元や目線。マシンの機能と南屋さんの技術が一体となる超ド級の緊張感!!!!!!

側面の表面加工を施した状態がコレ。そう、ワタクシが望んだグリッター加工がこんな細かな場所にシッカリと。これが、こんなことができるのが、人の手の仕事。この技を眺める体験をハッシュタグなんかで表現できるわけがない。「なかなか見れないものを見た」のもそうだし「目の前で仕上がる」もそうなのでしょう、でも、職人の五感が自分の五感にトレースされたような、息遣いまで伝わってくるかのようなこの感覚は誰かと安易に共有できるようなものではなく、まさにジブンだけが感じ取ってジブンだけの気持ちが揺さぶられるもの。

表面加工後は超音波洗浄機や布での磨きがかけられて・・・

とうとう、その1本はワタクシだけの1本となるのです。これをはめた瞬間の気持ちは、さらに言葉になりません。もちろん嬉しいし、やったーな気分もある。けれど、うん…きっとすべての物って、こうやって人の手を介して、手元に届いていたんだと、「地球はまるい」くらい当たり前なことに体感でもって深く気づかされてしまう。消費者として、広告ライターとして、この体験は絶対忘れないようにしようと心の底から思うわけです。

だから、内側への刻印(別途費用、詳しくは概要欄)はこの日の日付にしました。ほんとうは大好きな飼い猫にちなんで「I ♡ tattiie」にするつもりだったのですが、ワタクシにとってこれから何度でも思い出したくなるこの体験の日をジブンだけの記念日に。

もちろん刻印も目前で行われます。この刻印機のまるい真ん中の中央に・・・

指輪をはめ込んで…サクサクと。

「2023/07/07」と刻まれた1本。ジブンだけが知っている特別な日なのです。

ここまで説明してきて…おそらく勘所の鋭い方は「自分でもやってみたい」と思われたことでしょう。その願いも叶います!同ビル2階にはこんなスペースもあり・・・

指輪づくりのワークショップも開催しています。シルバーリングやK10/K18リングが対象で約60分、4,180円~。

それにしても…。この店内に立つスタッフ全員が職人という凄さ。未経験の方でも半年以上の研修を経て、職人となっていく。毎日、毎日、毎日…技術習得のために研鑽を積んでいるのでは?と予想されますが…

南屋さんによると、gläntaにとって大切なものは技術はもちろんのことだけれど、接遇やホスピタリティが最重要視されているのだと。目前のお客さんを技術でもって「喜ばせたい、楽しんで欲しい」というスタッフさんたちの気持ちがgläntaという業態を支えているのだと。手が空けばなにかしら道具を磨いているのは、その作業がまわりまわってお客さんの「嬉しさ」につながっていくからなのだと。

口コミでも多く見受けられる「接客への称賛」はまさにその証。そして、南屋さんの手にできているたくさんのタコやマメ。懸命に技術を習得し、身に着けた技術をいまも磨き続ける職人さんの手なのです。南屋さんのマネジメント信条も特異なものがあり「スタッフたちが“楽しんで”技術習得や接客をしているかどうか」が注視ポイントなのだそう。「職人である僕たちが心から楽しんでいなければ、お客様を楽しませることはできませんから」と。

この店をこれまでの定石に倣って紹介するならば、、、
#オシャレ!手作りリング
#安い!980円~
#早い!最短5分
となるのでしょう。ですが「glänta大阪店」が提供するものはソコじゃない。このお店での体験は、ワタクシを記号消費者から、感受する体験当事者にしてしまった。それこそ、最短5分の980円~で、オシャレに…、それを成し遂げてしまったのです。
最後に…「glänta」とはスウェーデン語で「空地」を意味するそう。ワサワサと木の生える森の中でポカっと陽の刺すエアポケット、のこと。まさに本日のワタクシの体験はエアポケットでした。
体験してみて初めて解かるこの感動。つぎはアナタも是非とも体験してみて!!!

◆My Ring(オーダーリング)
所要時間:1本あたり5分〜10分程

★真鍮
リング幅 金額(税込)
1mm ¥980
1.5mm ¥1,100
2mm ¥1,350
3mm ¥1,650
5mm ¥2,500
7mm ¥3,000
10mm ¥4,000

★シルバー925
リング幅 金額(税込)
1.2mm ¥1,980
1.5mm ¥2,500
2mm ¥3,500
3mm ¥4,400
5mm ¥6,800
7mm ¥8,500

★K10 YG(10金イエローゴールド)
リング幅 金額(税込)
1.2mm ¥12,000〜
1.5mm ¥16,000〜
2mm ¥20,000〜
3mm ¥30,000〜

★K18 YG(18金イエローゴールド)
リング幅 金額(税込)
1.2mm ¥18,000〜
1.5mm ¥24,000〜
2mm ¥36,000〜
3mm ¥52,000〜

★K18 PG(18金ピンクゴールド)
リング幅 金額(税込)
1.2mm ¥19,000〜
1.5mm ¥25,000〜
2mm ¥37,000〜
3mm ¥53,000〜

★2mm幅以上の指輪には内側にイニシャルや記念日などの刻印を入れることができます。
文字数 金額(税込)
5文字以内 ¥1,100
6文字以上 ¥1,650

※上記金額は税込価格です。デザイン加工料と表面加工料を含む価格です。
※アレルギーを起こしにくい材質に関してはご相談ください。

◆表面加工に関して
SHINY(シャイニー)
MATTE(マット)
GLITTER(グリッター)
STAR(スター)
上記から選べます。組み合わせも相談可能。

◆指輪づくりのワークショップ
約40~60分、4,180円~。詳細はサイトで確認ください。
https://www.kochentertainment.com/glanta/workshop/

店名:glänta(グレンタ) osaka
住所:大阪市中央区心斎橋筋2-3-21
TEL:06-4256-6118
URL:https://www.kochentertainment.com/glanta/feature/osaka-open/

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