2015.05.01

ホームパーティを開きたい

Store Info

  • 店名MAISON de NOEL
  • 住所大阪市中央区心斎橋筋2-1-24 アーバネックス心斎橋ビル1F
  • 電話番号06-4963-2747
  • URLhttp://maisondenoel.jp
  • AREA
  • 5
  • EAST

さて、この美しいお方。ワンピースは仏製ですがご自身は日本製とのこと。いえいえ、どーみてもEUあたりの古城で暮らしていそうでしょう??当のフランス人にもフランス人に間違えられるこのお方は、テーブルコーディネートの先生・水野さん。フランスのリモージュ焼きを専門に扱う輸入食器ショップ「MAISON de NOEL」のコーディネーターさんなのです。

今日は、ランチホームパーティ開催のためのテーブルコーディネートをご相談に伺いました。今回は春から初夏をイメージ。色合いもフォルムもカトラリーも美しいですね。

それにしても先生の着こなしが素敵すぎて。先生は言います。「ホームパーティでは招く側(ホスト)が一番にオシャレをするのがマナーなんですよ」楽しみにして待っていました、今日は寛いでくださいね…そんな気持ちをお洋服で表現するのが仏流のおもてなし。

そんな先生なのですが、今日はワタクシにもできる!テーブルコーディネートを伝授してくださるとのこと。まずはクロス。初めての場合は迷わず「白」を購入するのが正解、とのこと。白はどんな食器も色鮮やかに魅せる魔法の色なのだとか。なるほど!

クロスの次はランチョンマット。ランチョンマット…1色しか持っていません↓そんな時も大丈夫。ナプキンをランチョンマット代わりに使うのもOK。ナプキンがテーブルから下がった感じがエレガントだし、着席するときのゲストの目を惹き付けます。

そして器。最初に置くのはメインディッシュ用のお皿。そして前菜用の器も重ねます。最後に重ねるのはスープボウル。ようはお料理の順番に上から重ねましょう。

実はこの順番には理由がありまして。ゲストが食事を進める順番になっているのですね。食事のスタートは季節のスープで喉を潤して、「これから入るよー」と、胃を目覚めさせます。スープの後は、前菜かお魚の料理。それは、2つ目に重ねた器で。最後はメインのお肉料理。それは最初に置いた「プレゼンプレート」で。

招く側がなるべく席を立たずに、その場のお話をリードしたり聞き役に徹したり。それがホステスの役割なのだと先生は言います。ホームパーティはその為のセッティングが必須。初めから重ねてある器はホステスが立ち歩かない為のもの。あとはキッチンからお料理を運んでくるだけ。ゲストに食べる量だけ各自のお皿に取り分けてもらいましょう。

グラスだって不揃いでもいいんですよ、と先生は話します。気軽なランチパーティーだから飲み物にこだわらなくてもいい、だからグラスもひとつだけ。この日のランチコーディネートでも4脚のグラスは絶妙に形が異なり、それが返ってテーブルの華やぎになっていました。

そして、もうひとつのポイントが高低差です。テーブル中央に添えられる花器は実はキャンドルスタンド!それをチョコチョコッとアレンジして、生花を施す。こうすることでテーブル上の頂点が出来上がり、次にワインクーラやフィギアなど高低差を生むのです。動きと弾みと表情のあるテーブルはこうやって仕上がります。

最後に、先生が是非とも使ってみて欲しいというアイテムがナプキン。テーブルにカラーポイントを添えるだけではなく、ゲストに「お!今日はちょっと違うね♪」と感じていただくのに最適なアイテムなのだそう。レストランみたいに難しく織り込まなくとも、ペーパーのナプキンだっていい。それがあるorなしで、招く側の気持ちも華やぐ一枚なのです。

そんな「MAISON de NOEL」さん。商品の多くを占めるのがリモージュ焼き。パリから南南西に260キロ、ヴィエンヌ川のたもとに広がる街リモージュで生み出される磁器です。ご店主自らフランスに買付に行っており、まだ日本では珍しい「マリーダージュ」から日常使いのブランドまでこだわりの品揃えなのです。

昨今は、日本のものづくりにも造詣を深め、この日のコーディネートのカトラリーも国産品。新潟・燕市の伝統工芸品はステンレス製。ノーベル賞の晩餐会にも使われたという逸品なのです。斬新なデザインもさることながら、普段から使って欲しいという思いも込められたステンレス製。もち手も軽く、流麗なカトラリーです。

さらにこちらは紀州の漆器。3段お重は、使った後は一重に収納。「小さく納めて、大きく使う」、そんな日本古来の知恵をモダンにフォルム化。水野先生は言います。フランスと同様に、日本にも継がれるテーブルウェアがあり、今回のような洋風のコーディネートにもどんどん取り入れたいと。

それが空間と馴染むとき、脈々と継がれる日本の意匠が共有できるひと時はなによりのおもてなし…。そう話す水野先生は、フランス人風の面立ちながら日本の美意識にあふれています。この時ばかりは、「ほんまに美しい人や!」とため息ものでした。

うーん、今回の取材。○○ブランドの○○とか、オシャレなコーディネートとか、そんな記号で収まりません。もっともっと精神性の問題。たくさんの器があってもテクニックがあっても、司るのは心と品性です…ね。我が身を「5分」だけ反省して、次の取材へ向かいます。水野先生ありがとうございました!

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