女性リーダーに訊く！マネジメントの哲学
三⽊楽器⼼斎橋店ピアノ・エレクトーンショップ＆スクール／保坂琴乃さん

三⽊楽器⼼斎橋店ピアノ・エレクトーンショップ＆スクール

2015年制定の「女性活躍推進法」は、社会における女性活躍推進の機運を後押ししてきました。各種メディアでもたびたびその成果と課題が取り上げられています。今回のまとめ記事では専門分野を極めるビジネスのヒントとなり、また、働く女性へのエールとなるようなインタビューを試みました。ご登場いただくのは、三木楽器心斎橋店の教室フロアマネージャーとして、2400名の在籍生と40名の講師の取りまとめ役を担い、教室の管理はもちろん生徒参加型イベントやプロのライブ、心斎橋店ならではのプロ講座までを中心となって運営し、若手スタッフのメンターとしても活躍する「保坂琴乃」さんです。

4年前、三木楽器心斎橋店はピアノ・エレクトーンの専門ショップ＆スクールへと生まれ変わり、インタビュー当日もご年配の方から小さなお子さんまで、幅広い生徒さんが出入り。総合案内となる3階のメインフロアでは講師と生徒さんが和気あいあいと対話する様子も印象的です。先述の通り、保坂さんはフロアマネージャーとして2400名の在籍生と40名の講師の取りまとめ役を担っています。その業務幅は…ほんとうに広い。「生まれ持っての性格で、無駄や非合理的な進め方ができないんです」と笑み話す保坂さん。「優先順位を見極めて仕事は進めます。これは入社時から自分に課しています。入社したての頃だってお客様から見れば1人のスタッフ。新人という言葉に甘えず奮闘を続けて、1日1日と成長を意識して、10年後の今日に辿り着いています」と話す表情は真剣そのもの。

「私自身も3歳からヤマハ音楽教室でレッスンを受けていた」と話す保坂さん。小さいころから音楽関係の仕事を夢みていたそう。運命のきっかけは大学での卒業式。既に就職先が決まっていたにもかかわらず、掲示板でみつけた三木楽器の募集要項。袴姿で見上げながら、ここに行くと強く決意したのだと聞かせてくれます。4年前に三木楽器心斎橋店が生まれ変わったのは先述の通り。「生徒様やお客様に、さらに本物の＜音＞をお届けしたい、その意気込みです」と話す通り、4階ピアノサロンでは、ピアノ購入の際は家の間取りや家族の未来図など、ピアノ販売のプロが“しっかり”相談に乗ってくれるだけでなく・・・

世界的に活躍する著名なピアニストによる特別個人レッスンは、三⽊楽器⼼斎橋店ピアノ・エレクトーンショップ＆スクールならではのスペシャルプログラム。

4階ピアノサロンの奥には特別レッスンルームも完備されて、

本気でプロの演奏家を目指したい方やプロのアドバイスを受けて演奏力や表現力に磨きをかけたい一般の方が著名ピアニストから直にレッスンが受けられます。
※画像は「イリーナ・メジューエワ」氏。

また、こちら1Fのデモコーナーでも保坂さんは活躍中。毎月開催される「ELECTONE A-LIVE」ではMCを担当し、一生懸命練習を積んできた生徒さんを応援するとともに支えています。「音楽って生きていくのに必要不可欠ではないですが」と控えめに前置きながら「あれば絶対に人生豊かになる」と力を込める保坂さん。「聴くだけではなく奏でる喜びを多くの方に知って欲しい」と話してくれました。

生徒さんの中には、趣味でレッスンをしている方もいれば講師資格取得に励んで頑張っている方もいるそうで、それこそ20年、30年と習っている生徒さんもいる。「少しでもやってみたいなと思っておられる方の背中を押してあげたい」と話す保坂さん。続けて「夢を持って続けて頂けるよう三⽊楽器⼼斎橋店ピアノ・エレクトーンショップ＆スクールを運営していきたい」と言葉は次第に熱を帯びていきます。

さて。ここまで保坂さん及び三⽊楽器⼼斎橋店ピアノ・エレクトーンショップ＆スクールをご紹介してきましたが…ここからが真骨頂。保坂さんのプロフェッショナルな部分をさらに掘り下げるべく、5階LIVE AT MIKIまで上がってきました。

「LIVE AT MIKI」とは、同ビル内にある本格的なライブスペース。毎月「ファンタスティックライブ」と銘打って、エレクトーンチケット制レッスンの会員パーティーが開催される他、プロのライブも開催される。実は…三木楽器のエレクトーンコンサートは業界内では非常に有名で、北海道や関東や九州からも足を運ぶ熱心なファンも多いほど。

そんなプロプレイヤーのライブでも、ステージセッティングや音響や照明の準備にリハーサルなど多くの事に関わっています。この画像のようなプロプレイヤーさんたちはもちろんのこと、舞台監督や照明や音響と、それぞれのプロのハブとしても活躍する。「各分野のプロフェッショナルが持てる力を発揮できるためのスムーズさや円滑さを守り抜く、それが私の役割」と話す保坂さん。

多くの方々が関り、多くのファンの方が足を運ぶゆえに、絶対、失敗の許されないプロの仕事。ライブ当日はいつもより集中力を高めて挑むという保坂さん。そこには、保坂さんだからこそ胸に秘める想いもありました。

例えば、大阪サンケイホールブリーゼで行われる年1回の大規模スペシャルコンサートは約30年の歴史がありますが、保坂さんは「当時の担当者が、1人でも多くの方にエレクトーンの素晴らしい音楽を聴いてもらいたい、そして企業として純粋に聴かれた方の＜感動＞を大切にしたい、という熱い思いから成長させてきたと知ったんです」と教えてくれ、続けて、「いろんな方々の手により継承されたその想い、それを受け取ってコンサートに愛着を感じ取ってきてくれた観客の方々。そのどれも裏切ることはできないんです」と力を込めます。

特にライブやコンサートでは、演者もプロならば観客もプロ。「先人が積み上げてきた歴史を裏切らないよう、全クオリティを上げていく。そのような仕事に携われることに誇りを感じている」とも。大規模コンサートでは1年前から準備がスタートする程、綿密な調整の連続。「当然、私ひとりでは成り立たない、ノウハウだけではなくて、この想いごと次の世代にも継承していかなければならない」と決意を語ってくれました。

3歳から通ったヤマハ音楽教室。大学でグレードを取りながらも講師という職業に自分は向くのか考え続けた日々。音楽関係の仕事の「運営サイド」に舵を切り、奮闘した就活。そして、卒業式のあの日、袴姿で見上げたヤマハの募集要項。すべての点が線となって、今や一般の生徒さんから講師の方々やプロプレイヤーまでも下支えする保坂さん。「音楽は人生を豊かにする」と話してくれた時の真剣な笑顔は驚くほどに印象的でした。こんな素敵な女性が心斎橋の街で働いています。

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エレクトーントッププレイヤー講座の風景

プロプレイヤー「窪田 宏」さん（中央）。スタッフ森下樹さん（左）／保坂琴乃さん（右）