消費動機が変わってきた…？

2014年も私たちを取り巻く環境はあんまりよくない。未婚率は上がってるし、景気回復は体感できないし、親は毎年小さくなってくし。スィーツやおしゃれや美食でもってなんとか自分を元気づけてきたけれど、みんな悲鳴を上げています。そこで、ハタと気づくのです。自身の価値観を転換する時期ではなかろうか？今までは、シャンデリアどっかーんとか、ラインストーンがキラキラとか、そういうものがワタクシの救いだったと思います。もちろん今でも大好きだけれど、もうひとつのアンテナが反応するんです。それが「緑」。朝顔とかヒマワリもいいんだけれど、こんなに落ちてしまったワタクシの心にはもっと強大なパワーが必要なんです。ネイチャーですよ！地球規模でワタクシに新たな感性をくださいって思うんです。そんなわけで着眼するのがボタニカルライフなのです。

ボタニカルとは

ボタニカル…いまお洋服のデザインでも流行ってますよね。花柄だけではなく葉っぱや茎などのモチーフとしたアイテムがあふれています。そしてここアーバンリサーチ ストアには1年前より、葉物や多肉（サボテン科）やエアープランツなどの植物が集っています。これら植物は、プラントハンター西畠清順氏が立ち上げたプロジェクト「そら植物園」からのセレクト。兵庫県で幕末から続く老舗の植物卸屋「花宇」の五代目、そして今やプラントハンターとして世界を飛び回る西畠氏と、「着る・食べる・住む」という日々の暮らしを内面から心地よくするアイテムをそろえるアーバンリサーチストアがコラボした、小さな植物園なのです。

見てください。植物たちを愛おしそうに見つめる店長さま。皆様、不思議なことに気づきませんか？ここに並ぶ植物、あまり見たことのない形をしていますね。ユーモラスで力強い。うねうねと伸びる一本や、ドッシリ構える一本が、キャラクターを訴えかけてきます。それもそのはず、イエメンの砂漠や中南米のジャングル、熱帯のアフリカに生息する植物たちを西畠氏が採取。そして兵庫県・川西市の「そら植物園」で栽培したものなのです。一本、一本が魅せるキャラクターは、故郷の地の自然環境や風土をイメージさせます。岩山、砂漠、湿地…。それを想うと、店長様が愛おしく眺めるのも頷けるわけです。

それでは、ご紹介しましょう。!?

「アデニウム　アラビカム　(砂漠のバラ)」。原産地はアラビア半島やイエメンやソコトラ島。ドッシリと構えた幹は、低雨量の自生地で生き抜く強さを感じます。真冬には休眠し、気まぐれで花を咲かす…なんて、脱力加減もすてきです。「養ってあげる」というより「真正面から対峙する」が、付き合い方として正しそう…。一筋縄ではいかない面白味に満ちていますね。

「ドラセナ ソングオブジャマイカ」。原産地はマダカスカルやモーリシャス諸島。”幸せを象徴する木”と言われています。水やり目安は、夏季・6～8日に1回、冬季・10～12日に1回。何かと構いたくなってしまいそうな華奢なフォルムですが、こちらが思っている以上に強い。水の与えすぎは枯らしの原因になるそうです。よーく話し合って、お互いをよく知ることが必要です。

「メルシー」。原産地は台湾。「ありがとうと言えない人の為に、西畠氏がメルシーと名付た」という逸話を持つ農林水産省登録品種。実はこれ新種なんです。もとは“ミリオンハート”という植物。その名の通り、葉の一枚一枚がハートの型をしています。直射日光ではない日当たりの良い明るい場所が好ましい…という辺り、「ワタシと一緒やん！」と思わずつっ込みたくなるコです。

「チランドシア キセログラフィカ」。原産地は熱帯アメリカや熱帯ジャングル。葉から雨や空気中の水分を吸収するエアープランツを代表する一種です。樹木や岩に着生し土や根を必要としない、神秘の植物。フォルムもカラーも生息方法も、まさに「珍」。不思議さに満ちた一株は、与えられた環境でしたたかに呼吸する熱帯のクラウン（王冠）をイメージさせます。

知恵と進化と生命力です。

生まれた環境で生き抜く知恵と生命力。そんな自然とのmeetは、オーガニックコットンやナチュラルフード、天然由来のコスメにも広がります。しかしながら最もダイレクトにチカラを感じるのは…やっぱり植物そのものかもしれませんね。水（雨量）が無いなら、己が進化しろ！そうハッパをかけられるような「そら植物園」のプランツたち。さっそく購入した「ドラセナ ソングオブジャマイカ」をテーブルに置くと、オシャレでいながら勇気も沸いてきます。そして、ワタクシの必要水分である第３の麦水をプシュッと空けるのでした。