ペコちゃんと昭和洋食体験
Store Info
- 店名不二家レストラン心斎橋店
- 住所大阪市中央区心斎橋筋2-2-23 2F
- 電話番号06-6211-9813
- URLhttp://www.fujiya-fs.com/
- AREA
- 6
- EAST
「家族で心斎橋」は、不二家レストラン心斎橋店へ
心斎橋に数々ある老舗の洋食屋さん。オムライス、ビフテキ、クリームコロッケ、ハンバーグ、エビフライ…。ほら、口中にあの味が浮かんできましたね?懐かしくて、思いで出深くて、なんともレトロなあの味は、老若男女、全ての方々を虜とします。遡ること1931年。心斎橋に一軒の喫茶店が誕生。
その後、洋食屋さんとしても人気を博す不二家レストラン心斎橋店。1931年ごろといえば…銀座にあの伝説の洋食パーラーが在り、大阪は心斎橋にもレジェンド級の洋食屋さんが誕生した頃。歴史において決して引けを取らない「不二家」。改めて、その存在感に脱帽です。そしてそして、ペコちゃんって意外にお年を召していたのね…なんて所も感慨深いのです。ペロリ。
そんな不二家レストランですが、昨年の10月から「昭和メニュー」と銘打った商品を提供しています。実はいま、これが口コミでジワリと広がってきているのだとか。懐かしの昭和テイストを体感すべく、お店へと入店すると…平成のレストランでは考えられない!匠技の内装が広がるのです。ぶっとい漆黒の梁(はり)には丸彫りが施され、褐色のレンガが重厚感たっぷり。暖色のシャンデリアも木製で、窓際のライトは吊り下げのアルコ型。キッチン側の天井には銅製のフードが架かり、しかも槌目(つちめ)まで打たれているのです。すみません!貧乏根性で叫ばせてください。「内装、どんだけお金かけてんの~~~!?」のっけから老舗店の矜持に当てられるワタクシです。
「老舗ファミレス」ともささやかれるこの店ですが、やはりありました!ワタクシたちが小さい頃、ファミレスでのお会計時に「かってー」「ほーしーいー」と駄々をこねたアレです。しっかりとレジ横に設置してありました。「ペコポコレーシングカー」は、ペコポコキャンディーが15個入って515円なり。カーナンバーは228。もちろん228⇒フジヤです。ポコちゃんの運転でペコちゃんはどこに行くのでしょう。海でしょうか、山でしょうか。ワタクシも連れて行ってください♪
では、昭和メニューの体験です。まずは「ナポリタンプレート」。じつはこの店で昭和メニューを復活させよう!となった火付け役の商品だそう。ブイヨンとシャスールソースとトマトソースの風合いが半熟目玉とマッチする本格的な味わい。しかもね、ひと口食べたら即分かるのは、スパゲティがしっかり乳化してソースと一体化していること。ツルツルと口に入っていく際に、油っぽくないのです!麺の小麦感もソースの旨味&酸味もいっぺんに口内にひろがると…もうシアワセ。悩みなんて、もうどうでもいい。長靴型した国のなにやら難しいパスタじゃなくって、なつかしのジャパン★スパゲッティ。いやいや、その斜め上をいく、ほんのり本格感が嬉しすぎます。
そしてこちらが、お子様ランチならぬ「洋食おとな様ランチプレートセット」。アイテム解説行きますよ!ハンバーグステーキ、クリームコロッケ、ケチャップライス、手づけ海老フライ、レモンハーブソーセージ、サラダ、也。もう、夢ですね。ドリームです。大人の“お子様くち”をこれ以上満足させるワンプレートは他にはないでしょう。特筆のアイテムはハンバーグです。粗めのミンチが間に空気をはさんで、やわらかーく繋がっています。食感はフワフワ♪さらには海老フライ。こちらも粗めのパン粉がサクサク、中の海老はプリプリです。パン粉の食感を際立たせるタイミングと、油熱によって海老の旨味を高めるギリッギリの分岐点がお見事な一品。箸休めとなるケチャップライスの控えめな酸味に至っては…もう感涙の神業。あぁ、大人でよかった。
最後に、ワタクシ一押しのメニューがこちら「ビクトリアハンバーグプレート」。ビクトリアハンバーグ???疑問に思った方も多いことでしょう。往年の洋食ファンの皆様は口のアンテナがビビビと反応したはず。そうです、ビクトリアンハンバーグとは知る人ぞ知る一品。ハンバーグに衣をつけて揚げるあの幻の洋食メニューなのです。メンチカツではありません。その証拠に、牛100%のミンチには、玉ねぎや生クリームやデミソースのほか、企業秘密である「アレ」を加えて、ハンバーグとしての旨味を高めているのです。
実はこの一品、相当なシェフ泣かせのメニューと思われます。ミンチ同士が繋がった塊(ハンバーグ)は加熱することでドンドンと脂分(肉汁)を外部に排出していきます。そうなると…外を覆うパン粉がしなる。サクッといかなくなるわけですね。加えて、油熱にさらしすぎたミンチは旨味高まる頂点をどんどん越えてしまう。にも関わらず、パン粉がカラリと揚がるにはある程度の時間が必要。存在自体が八方ふさがりメニューなんです。では…ナイフを入れてみましょう。おおおおお!肉汁が生きてますよ!そしてパン粉はサックリです♪シェフたちの矜持がこの一品に注入されています。
ワタクシ、不二家を甘く見ていました。技術、素材、構成、全てに脱帽です。横では、「まだまだ、こんなもんじゃないわよ」とペコちゃんが舌を出しています。洋食メニューを代表するハンバーグステーキやデミグラスソースなどは昭和40年代の味をそのまま再現し、昭和気分高めるステンプレートは、当メニューを再開発する際に新たに用意した…というほど、不二家レストラン心斎橋店の昭和洋食にかける意気込みは強いのです。そう教えてくれたのは岡店長様。
さらには、昭和洋食メニューの「顔」ともなるエビフライやビクトリアハンバーグなどのパン粉はひとつひとつ丁寧に手でつけ、その下処理は、当日提供する分だけを行うという徹底ぶり。ワタクシ、思うんです。昭和の頃って流通もそんなに良かったわけじゃなく、磨かれたのは手仕事。その高い技術が充分に感じられるのがハンバーグやエビフライといった昭和洋食ではなかろうかと。「○○産の△△」といえば、美味しいような気分になってしまうけれど、技術を感受する“美味アンテナ“を働かせてくれるのが昭和洋食なのでしょう。ペコちゃんに教えられた教訓でございます。
- ナポリタンプレート 961円
- 洋食おとな様ランチプレートセット 1,285円
- ビクトリアンハンバーグプレート 1,069円
- ※全て税込価格