2014.09.01

フードコーディネータの美レシピ

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「苦味は大切」

今回ご紹介しております「本福寿司」さんでも、さんま寿司がスタートしています。そこで、今月の「食・おいしいを楽しむ」テーマは「さんま」。秋の味覚到来を告げる一尾を、美味しくリポートいたします!

大根おろしとさんまとレモンは切っても切れない仲。この3つが同じお皿の上にあって、初めて「さんまの塩焼き」は完成するのではないかと思うほどです。先日、フレンチのシェフに“再構築”の極意を教えていただきました。「完成する伝統料理を一度解体する。どう、構成し直したら、より面白く再完成するのかイメージする」との事。そんな訳で、今回は「さんまの塩焼き」再構築にチャレンジです。まずは「大根おろし」を、大根の昆布煮に変換。昆布出汁でゆっくりと煮ていきます。

次に、三枚卸にしたさんまをバーナーで加熱。その際、せっかくの生さんまなので、加熱具合はミキュイ(表層のみ加熱)とします。生の部分と加熱部分、双方を美味しくいただける、この時期ならではの炙りですね。最後に、肝をソースへと仕上げます。肝とオリーブオイル、生姜の卸を少々とお醤油を小鍋で加熱し、火を止めてからレモンを一振り。

最後に器へと盛り込み、再構築「さんま塩焼き」は完成です。
中国とフランスには5つ。日本には7つあると言われる「味覚」の層。甘味・辛味・酸味・旨味・苦味・えぐ味・滋味の計7つは、四季が明瞭に別れる日本ならではの豊かな味覚。10歳までの味覚は苦味やえぐ味を「腐ってるかもよ!危険!」と判断するため、受け付けられないそうです。つまりは、大人の味ということ。さんまの肝…大人の味ですね!

走り・盛り・名残り…と、大まかに分けられる“旬”ですが、「二十四節季」では2週間で季節が移り変わるとも言われます。そんな細やかな季節のグラデーションの中で、古来より続く日本の7味覚。今年もさんまは「苦味」の魅力を伝えてくれます。

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