「なんだか不安、身体も不調」
毎日の「お茶習慣」で迎え撃つ!
優しく寄り添う「薬膳茶」を体験
毎年、すこしずつ調子が悪くなる・・・
健康茶専門店 古傳薬膳
昨年よりもモコモコ靴下を履く期間が延び、朝起きて「よっしゃ、今日も仕事やってやる」の勢いが弱まり、そんなこんなが入り混じった漠然とした不安で、先日は気づかないうちに涙がボロボロとこぼれていました。自分でも引くほど最近確実に調子の悪い私です。婦人科にも行きましたが「まだ、その(更年期)症状が出ていないのでお薬の処方はできない」と言われ、とにかく食生活と運動量を見直すように言われたっきり。自分にしかわからないこのモヤモヤに、ほんとうに何か、突破口が欲しい。すがるような思いでうかがったのが・・・
1869年(明治2年)創業の宇治園さんでした。1階奥の「健康茶専門店 古傳薬膳」という薬膳カフェが気になってはいたのですが、「薬膳」や「生薬」という単語についつい及び腰となり伺う機会ありませんでした。はい、結論から書きます。
『もっと、はやく行くべきだった!』
そう感じて止まない今回の取材でした。
宇治園さん1階奥に足を進めると…スッと現われるこの空間。陰影の効いた静寂のワンスペースが「健康茶専門店 古傳薬膳」なのです。
カウンターと対する壁面にはおびただしくならぶ「茶缶」。その数…60。圧巻の光景です!
当スペースが誕生したのが2019年のこと。宇治園ではお馴染みの綿貫宏介先生のアートワークが随所に。この壁面画が石版1枚1枚に摺られた意匠を組み合わせた希少な作品。
ここ「健康茶専門店 古傳薬膳」の利用方法は主に3つ。ひとつめが…茶葉の購入。シグネーチャーと呼ばれる10種の代表的薬膳茶と季節の薬膳茶3種からご提案いただける購入スタイル。ふたつめが…カフェスタイル。心身の悩みなどを専門の方に伝え、アドバイスと説明を戴きながら一種の薬膳茶(全60種から選びます!)を味わうスタイル。みっつめが…個別カウンセリングも含めた1時間30分の講座スタイル。季節や健康をテーマに各分野の専門の先生からお話が伺え、実際に薬膳茶も味わえます。本日は、ふたつめ「カフェスタイル」を体験します!
ご対応いただいたのは同店のプロデューサーである重村桜子様。ほぼ初対面だというのに心身の悩みをスルスルと言葉にして伝えられるこの不思議さ。もちろん緊張はありますが、それ以上に「この方なら聴いてくれる、きっと受け止めてくれる」感が生まれるのです。しっかりと私の表情を観て頷きながら、時にニコッと笑みを浮かべて、「うんうん」と。自分にしかわからないこのモヤモヤを誰かに受け止めてもらえる、それだけでも心穏やかになるのに、加えて…この安堵感。①手先&足先の冷え ②寝起きに気力が湧かない ③それら含めていつも不安の感情 3つの悩みを聴き取りながら、重村さんの頭中では相当な速さの演算が繰り広げられているらしく・・・・・
さっそく3種の薬膳茶を提案いただきました。
①手足の冷え⇒[弐拾(No.20)]
芯からホッコリ 毎日手軽に続けることができるお茶
ほうじ茶・棗・よもぎ・続断・生姜
②寝起きに気力が湧かない⇒[弐拾捌(No.28)]
歳にはまだまだ負けたくない そんなあなたへの健康茶
ほうじ茶・クコの実・棗・続断・よもぎ
③それら含めていつも不安の感情⇒[肆拾壹(No.41)]
忙しさや年齢に負けない 健やかで無駄の無い毎日の為に
ほうじ茶・らふま・アマチャヅル・黒文字・連銭草
さて…ここまで見て皆様もお気づきのことかと思います。ご提案いただいた3種すべてに「ほうじ茶」が含まれていることを…!
「茶は薬として始まった(Tea began as a Medicine)」という岡倉天心の言葉をテーマとする「健康茶専門店 古傳薬膳」。展開する薬膳茶は全60種。そのどれもがベースを日本茶(煎茶、ほうじ茶、玄米茶、和紅茶…など)とし、プラスで生薬を合わせてゆくという世界に唯一無二といっても過言ではない健康茶の体系を確立しているのです。私という1人の人間の様々な症状は関連付いて起きている、となると今回「ほうじ茶」ベースの薬膳茶3種をご提案いただくのも必然のこと。となると、あとはどんな生薬を身体に取り込みたいか?その観点からひとつの薬膳茶を選り抜きます。
とはいえ。生薬やハーブにはまったく知識のない私。そんな私に重村さんは「ここは頭で考えるよりも感性や直観を大切にしてみてください。インスピレーションを大事にして」とアドバイス。
そこで、ふわっと想像してみた。土の中で育ったものならば温かくて力があって、自分を元気にしてくれそう。そう伝えてみたところ「それでいいんですよ」と重村さんはニッコリ。「ここで大切なのは<じぶんがのぞんだ>ということ。その直感が大切です」と。数値やデータで対処法を考えてゆく西洋医学と異なり、人の五感を研ぎ澄ませて患いを診る東洋の医学。そこには私が私の身体に欲するものをアンテナで選り抜く五感もあるはず。そんな説明が後押しをしてくれます。
そこで選ばれたのが[肆拾壹(No.41)]。※ちなみにこの大字も綿貫先生のデザインです!
さっそく、背後の棚から茶缶が取り出されます。「なんだか、ここは薬局のような雰囲気!」と驚く私に、重村さんは「台湾や香港の伝統的なお茶屋さんでは、このように茶缶を並べています。そのイメージを再現したんです」と教えてくれます。
香ってみて…ウットリ。香りが鼻孔を上がった瞬間に「あぁ」と声が漏れる!そう、たぶん私の頭と言うより身体がこれを欲してる。理屈では足りない「実感」がここにあるんですね。
[肆拾壹(No.41)]には、
ほうじ茶をベースに「らふま」「アマチャヅル」「黒文字」「連銭草」をブレンド。より効果が感じられるように、生薬やハーブのセレクトはもちろん配合比にも検討と実証が重ねられているのです。
そうして[肆拾壹(No.41)]はこのようなミニサイズの茶缶に納められ、内容が書かれたティーカードと共に手元に。「このカードはいわばお薬手帳のようなもの。次回ご来店の際に持参いただき、その後の調子を伺いながら違う種類を検討したり…の起点になるんです」と教えてくれる重村さん。
それでは、いよいよ薬膳茶を淹れていきましょう。
同社オリジナルのティーポットにお湯を注いでしばらく・・・
お茶を待つ間に前菜としてピーカンナッツをいただきます。ナッツは身体によい…とはよく聴くところですが「食べすぎ=脂分の摂りすぎ」や「味気ないタイプは続かない」といった声もチラホラ。そこで重村さんは1日の摂取許容量をこのように可視化。しかも甘味をしっかりとつけて・・・・
味わった瞬間の「あ!美味しい!」という満足度を高めます。「いくら健康に良くても、取りすぎはよくない。それに食べた時の味覚の喜びがないと日々の生活で持続しない。だから、規定量でも満足度高く味付けているんです」と話す重村さん。実はこの言葉、この後の大きな伏線にもなっていたのでした。
約3分の時間を経て、二重構造ガラス茶碗に注がれる[肆拾壹(No.41)]。茶葉の香りとは異なる、より奥ゆき広がる薫香が鼻孔を刺激。そして、日本茶にはない、どこかエキゾチックな香り。これが生薬の香りだろうか?生薬って苦い飲みにくいという思い込みもあるけれど…実際どうなんだろう???
緊張しながらも、ひとくち、ふたくち。フッと吐く息にまで温かさが満ちるこの瞬間。飲みやすいとか飲みにくいとか、そおいう問題ではありませんでした。ほうじ茶がベースに置かれたブレンドティーは「その味」なんです。口に含むスタートから余韻を愉しむゴールまで、何か流麗な広がり。それでいて密度が高い。じわ、じわじわ、じわーーーーーっと首へ肩へ胃へお腹へと浸透していく何か。もう「あぁ」と感嘆しか出てこない。
デコルテ部分がぽかぽかとしてくるこの実感。身体だけじゃない、心も静かに着地するべき場所にスルリと降りてくるような安堵。フッと、ほんとうにフッと、全身の力が緩み久しぶりに感じる心身の一体感が心地よくて。そうなると、次の一杯を欲するわけです。そう、日本茶(ほうじ茶)としての美味しさがしっかりあるからこそ、続けて味わいたくなる、毎日の習慣になっていく。先ほどのピーカンナッツと同じ考え方で「持続できること」を主眼とした味わいなのです。
毎日続けられる…の仕掛けはこんな所にも。このガラス製ティーポットはなんと台湾でオリジナルプロダクトを叶えたアイテム。直火も電子レンジもOK。マグ使いもあり。注ぎの際は液だれがなく、蓋を開けなくともこのように湯が注げる。しかも360°どこからでも注げる!!「便利であるということは毎日使い続けられるということです。さらには、当店の薬膳茶はいわゆる<作法>といったものはありません。濃さも量も自由に!ご自身がが嬉しい・楽しい・美味しいと感じられることこそを正解と考えて」とニッコリの重村さん。
最後に是非とも触れておかねばならないのがこのパウンドケーキです。上白糖を使わずきび糖を使い、小麦も最小限にのみ抑えて焼き上げる逸品。ザクザクと練り込まれたナッツに程よい甘味とモッチリとしたテクスチャー。その秘密はなんとバナナ。バナナの糖を最大に活かし、さらにはバナナの粘着力を繋ぎにも活かして。モッチリと甘味を湛えながら罪悪感はほぼゼロというパウンドケーキ。薬膳茶と味を相互に引き出し合いながら…見事なペアリングを魅せてくれます。
2019年に開業した「健康茶専門店 古傳薬膳」。それを手掛けたのが、150年以上の歴史を誇る宇治園の重村桜子さん。多くの方の協力を得て日本のお茶の可能性を「健康」というキーワードで切り拓いた立役者は…どんな試行錯誤と想いを秘めていらっしゃったのか。そして、ここを起点に次なる一手は何か。いろいろと気になるので、ぜひともそのあたり…次回インタビューを!
ただ、私の感想で何なんですが…。 「健康茶専門店 古傳薬膳」で展開される全60種のお茶、それをただただシステムで選んで味わっても…今日のような実感にはたどり着けなかったかもしれません。目前で話を聴いてくれる方がいて、いっしょに考えて提案をしてくださり、いろんな例え話からヒントを散りばめていただき、「味わう私」の主体を起こしてくれた一連の流れ。その前段あってこそ、心身に薬膳茶は浸透していったのではなかろうか??そう思えてならないのです。
◆カフェスタイル
ヒアリングとアドバイスをもとに3種の薬膳茶を提案。
そのうち1種を体験。ピーカンナッツ&パウンドケーキ付(八宝がゆの場合もあり)
約90分/事前予約制/1,600円
◆講座スタイル
個別カウンセリングも含めた専任講師の講座スタイル。
薬膳茶の試飲もあり。講座内容は各回によって変更。
約90分/事前予約制/5,000円
健康茶専門店 古傳薬膳 特設サイト
https://yaqzen-teasalon.jp/
講座開講のアナウンスなどは下記より
LINE公式アカウント @ekf5940r
Instagram公式アカウント @ujien_official
ティーポットは3,800円で発売中です。
※上記金額は税抜価格です。
※薬膳茶の販売のみも可能です。