あたたかいスイーツ

温かいスイーツって、何を思い浮かべます？？パンケーキ？いいですね、でももっと熱々なやつ。そんなものあるんでしょうか？だいたい甘味という味覚は冷温で感知しやすくなる、これ、セオリーです。だから多くのお店では“温かいスイーツ”って容易に提供できないの。もし、温かいスイーツが食べられるなら、ワタクシの貯金すべてはたいて、リオからサンバ呼んで、心斎橋商店街のド真ん中で踊りまくってもいい。それくらい、インポッシブルなことなのよ。

それが、あったんです、しかもとびきり美味しいのが！！！ここはカステラ銀装の2階「カフェ ラ･サール」です。窓から銀装さんのお馴染みの緑の看板が見えます。歴史は古く昭和55年開業。心斎橋の旦那はんや船場のごりょんさんも過ごした歴史ある喫茶店。

レンガ造りの壁面、アーチを描く窓、ドレープたっぷりのカーテンに、フランス画壇の巨匠カシニョールの版画が飾られ、こんな建築、今じゃ作ろうっても、なかなかよぉ～。古き良きthe心斎橋の社交場、落ち着きある空間に出てきたのが・・・

「カステラグラタン」です！あの“熱いのでお気をつけください”のグラタン皿からは、熱気がほんわかと伝わってきます♪あったんです、ここまで熱々のスイーツ。では♪ひとつ♪

スプーンを入れると、このネットリとした感触。熱気がさらにフワッと上がり、カスタードのバニラの香りが昇ること昇ること。表面に焦げ目をほんのりと浮かばせ、中はトロトロなグラタンは・・・やさしくて、それでいて、しっかりとした甘み。上品です★

ひとことで言いますと「あたたかい！甘い！」。ふーふーと息をかけながら、待ちきれないひと口を次々と。香り、食感、甘みの全てが絶妙に調和。中からはリンゴやオレンジが登場して、食感にさらなるアクセント、酸味が甘さを強調。食べ進めるのも楽しい逸品。

では、いよいよ大本命のカステラへスプーンを進めましょう。加熱された表面から、カスタードに浸かった溶けた生地へ。手に伝わる振動からも期待は高まるばかり。口に含めば･･･しっとり＆トローリの2層食感★

ここで止まらなくなったぁぁぁっ！！紳士淑女の社交場「カフェ ラ･サール」で獣（けもの）化するワタクシ！もっともっと、生地とクリームの好相性を味わいたい、もう、本能がそうさせる♡それもそのはずで・・・

カステラは砂糖を控え、卵黄や蜂蜜を多く配合したソフトな口当たりの「赤箱」を使用。その上、クリームも甘さ控え目で、双方の調和を綿密に作りこまれた味わいは「甘い＝美味しい」じゃなくて、素材を強く打ち出した風合い。こりゃ、上品でっせ♡

夢中でスプーンを進めて、「ハッ」と我に返ったのが、このいちご。♡型にカットされたフォルムで、爽やかな酸味が見事な箸やすめに。「おぉぉぉぉ」と我に返り、ハタと気づく。このカステラグラタン、キッズからシニアまで、みんな大好きな味や！！

気がつけば、身体はポカポカ。心はウットリ。この寒い時期にピッタリな逸品。とはいえ、この味に魅了されたお客様は、1年を通して楽しまれているそう。わかるわぁ～♡

「カステラ」それ自体で完成された一品を、アレンジして唯一無二の逸品に仕上げる。これこそ、専門店の神ワザです。皆様、これは一食の価値あり、というか、食べずにいたら絶対損！！ぜひお試しあれ。ワタクシは今からサンバの練習でも始めときます。