2023.02.20

来年のおせちにもお花見にも、そして●●●●にも重宝って…スゴ過ぎ♡漆器はワタシたちの味方!

増田漆器店

我が家では数年前からダイバーシティが導入されました。年末年始に「座ってご馳走を待っている」父や兄の尻を叩き、台所へと向かわせるのがワタクシの仕事。実母が老いてきたっていうのも理由にはあるけれど、ワタクシがわきまえなくなったのが1番の理由です。もちろん、弊害もあります。意外に兄の方が包丁使いが上手かったり、父のお雑煮の味付けが巧みだったりと、それはそれで冷や汗もの。そして「あたらしいお重が欲しいなぁ」とワタクシに甘えだす母。いつまでいられるのかわからない実家だけれど、長年使い続けた「お重」もアップデートする時がきたのかもしれません。とはいえ、ワタクシには、、そういった分野の知識がまるでなく・・・

やってきたのが「増田漆器店」さんです。1868年創業の増田漆器店。輪島塗(石川)や越前塗(福井)、山中塗(石川)や香川塗(香川)や会津塗(福島)に若狭塗(福井)などなど。全国の塗りの産地から「直で」商品を仕入れ。この「直で」がポイント。産地(職人さんたち)からの信頼の証とも言えるのです。

店内はジャンルごとに商品が並び、お目当ての品をゆっくりと吟味できたり、思いもしなかった逸品に心奪われたりもして、なかなかに目も心も楽しませてくれます。とはいえ、創業から150余年の老舗さん。

はい。ここで怯んだアナタやワタクシ。その感覚は正しい!歴史って、絶対に侮れない。だって150年間ずーーーーーーっと、ここ心斎橋でお店を構え続け、それこそさぁ、審美眼あるお客様にだって応え続けてきたきたワケなのだから、緊張はしてしまう。漆器って、どうやって管理したらいいの?洗剤は使えるの?食洗機は?こんな質問したら『バッカモーーーーーーーーン!』って怒鳴られたりして怯。

・・・・なんてことはまったく無かったのです。ご登場いただくのは同店で6代目を担う増田真実さん。「あれ?アタシと同い年くらいの女性だ」と思ったアナタ、それ!それなの!ワタクシたちと同年代な真実さんが今回の案内役。よし!思い切って、いろいろと相談してみよう★

真実さんが今日ご紹介くださるのは『黒内スリ 三段重 春秋』。あれ?まさかの?まさかの?まさかの?

円柱型!!!!!きゃ、きゃわいい♡♡

その名の通り、描かれるのは桜と紅葉。ふわり、ふわっと円柱のお重を舞うのです。お正月のお節もいいかもしれません、さらには春の花見や秋の紅葉狩り。あらゆるシーンに弾む逸品。

そして、よーーーく凝視を。素材は「栓(せん)」で、自然の木目と折り目正しい筋が全体の質感をより密度の高いものとしています。実はこちらは石川県/山中塗の1点。真実さんいわく「山中塗は木目を美しく魅せる塗り方が特徴」とのことで・・・

蓋をあけると中の明るさに再度嬉しい驚きが待っている♪この表面と中のコントラスト、お重を囲んだ方々の歓声が聴こえてきそうです。気品あふれる漆黒や朱も美しいけれど、どこか温かみがあり、かわいくて、キュートなお重。

大きさはこんなカンジ。この大きさ「6寸」といいますが、だいたい3~4人前って所。大人2人なら十分だし、プラスお子さん2人もいけるでしょう!しかも、造りは栓(せん)材を組み合わせたのではなく、栓(せん)材を「くりぬいた」というのだから・・・丈夫さもお墨付きなんですね。

眺めるほどに引き込まれそうなルックス。趣きある色合いに桜や紅葉の絵柄。温かみある素材感。
すべてが、気に入った!!!!!!!
よし、勇気を出して聞いてみよう!

真実さんに聞く/こちらは洗剤で洗えますか?

「普段お使いの中性洗剤で大丈夫です!」と即答の真実さん。OKマークを作ってくださった左手に力を込めてくださいました。それもそのはず、「同世代の方々にも入りやすくて、興味を持っていただける、そんな店内づくり」を信条とする真実さん。私たちの暮らしに「漆器」をもっと身近に感じて欲しいとも話してくださいます。

真実さんに聞く/こちらは食洗機で洗えますか?

「それは止めておきましょう!」とお応えの真実さん。食洗機の熱や水圧が漆器によくないので。他の物は食洗機へ「ポイ!」、このお重だけを「手洗い」で!

真実さんに聞く/洗い終わったら布巾で拭くだけでいいのですか?

「はい、大丈夫です」とお応えの真実さん。というのも…マイクロファイバーのなんちゃらとか、シルクの上質な布とか、そおいう特別なものでキュッキュと磨かなければいけないのかと思いきや、「普段使いの布巾」でOKとのこと。「ただし」と真実さんは言い添えます…「ただし、水気を残さないために1日~2日はそのまま置いておくことをお薦めしています」と。

真実さんに聞く/ではその後、、、箱に入れてクローゼットにしまっていいのですか?

ここで真実さんの「ちょっと、まったーーーーー!」がかかります!「そう、基本的にはしまってもらってかまいません」と。「ですが・・・・・」、ですが???

真実さんからのご提案

ここで、真実さんはお重を広げ始めました。そして「この中に、どんなお料理を詰めたいですか?お料理のジャンル気にせず、色々候補を挙げてみて下さい」と聞いてくださいます。そうだなぁ、母が好きな山菜の煮もの、父が好きな焼き魚、兄が好きな唐揚げ、私が好きな玉子焼き。もし、ワインを開けるなら、ショートパスタも鶏胸トマト煮も自家製オイルサーディンに生ハムも。そうだ!いま習ってる中華で八宝菜や焼売も。近くのブーランジェリーのバケットで作るサンドもいいかも。スィーツは苺大福に干し柿。あと各種チーズ&ドライフルーツ、それからワタクシ自慢の稲荷寿司も!!!!

そう思い浮かべると、すっごく楽しくなってきた。屋内外問わず、桜や紅葉の下でもよし!!お家でのパーティーにもきっと映える!!と教えてくれます。

て、ことは?お重って、かなり私たちの味方ってことじゃない???「そうです!お重は、普段のお弁当箱が大きくなった…、から…ホームパーティのおもてなし…、まで。守備範囲広く暮らしに活かしていただけるんです。ご自宅に皆様をもてなす時にサッと並べてしまえば、招いた方も席に座って皆様とゆっくり会話や食事が楽しめますよねだから、クローゼットにしまい込んじゃうなんてもったいない。いろんな場面で活かすためにも<目に届く場所>に保管するのがいちばんですよ」とアドバイスをいただきました。

まさか、そんな自由度の高いアドバイスを創業150余年の増田漆器店さんからいただけるなんて。『けしからん!バッカモーーーーーーーーン』なんてことは全くなく、むしろワタクシの頭の固さを和らげてもらったくらい!「お重」・・・もとい「漆器」の固定概念が少しずつ解放されていくかのような心持です。

さて、最後に。同店でお土産や贈答にも人気が高い「お箸」の話題で締めくくります。日本では奈良時代からの歴史を持つそう、こちらのお箸の表面にキラキラと煌めくのは「貝」なんです。こんな風に貝をあしらった細工を螺鈿(らでん)といい、婚約や結婚のお祝い、ご両親の銀婚式、さらには外国の方へのお土産などにもおすすめ。次回は是非ともこのあたりの内容もピックアップしたいところ。こうご期待!

黒内スリ 三段重 春秋/25,850円

※価格は税込

店名:増田漆器店
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-7-1
TEL:06-6211-0683
URL:https://smasuda1.wixsite.com/shikki

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