甘く見てたら、火傷する。魅惑のサンドイッチ

巷で囁かれるサンドイッチブーム。頭をパカン！と割ったら「トレンドとオシャレと消費」しか出てこないワタクシも、サンドイッチモチベーションが上昇しています。ですが、今回ご紹介する専門店は只者じゃありませんでした。ブームとか、ブームじゃないとか、ブームかもしれないとか、そんな生易しいものじゃありません。軽食だと思って入ったら、火傷します。そう、外観に書いてあるとおり「サンドイッチは主食」なのです。

まず、ドカン。ボリューム感もさることながら、中身のミッチリとした密度に唖然です。「オリジナルソース+チキン」は680円也。ここでsandwich garage STOOPのおさらいをひとつ。

店内はアメリカンガレージの雰囲気。ゆったりとしたソファー席やテーブル席、カウンターに4名卓も。

今年2月にオープンしたばかり当ショップ。オーナー様が満を持して開業したこの店は、まだ心斎橋に1軒のみ。文字通り、唯一無二のサンドイッチ専門店なのです。

福岡・小倉にある、創業30年以上のサンドイッチ専門店がこの店の源。オーナー様が学生の頃から魅了されたその味を大阪に上陸させたいと、スタッフと共に「見習い」に行き、技術はもちろん、老舗のサンドイッチ論を習得したのだとか。

小倉のDNAは大阪の当ショップに継がれ、いまやリピートも後を絶たない一軒に。さて、その本物志向をとくと拝見しましょう。

入店すぐに位置するのは食材がズラリと並ぶショーケース。ハッシュポテト、スモークサーモン、パストラミビーフ、ソーセージ、ハンバーグ、エビカツ・・・・目移りするほどの多彩なラインナップ。

どの食材も「サンドイッチとして」美味しくなるよう仕込まれているのです。例えば、このミートソース。鶏ミンチを用い、一晩の熟成をかける一品。これも、サンドイッチに仕上がった際の完成度を考えて、仕込まれています。

オーダーシステムも面白い！サンドイッチベースはトマト・レタス・きゅうり・からしマーガリン。ショーケースに並ぶ食材2品を自由に選んで、自分好みのサンドをオーダーするという流れ。ショーケースの食材とメニュー表の価格を見ながら吟味します。

主役となるパンは、オーナー様とスタッフさんたちが試食に試食を重ねて「これだ」と辿り着いた、とあるブーランジェリーの山食。オーダーごとにカットするこだわりぶりです。

トースターに入れて、ちょうどよい焼き加減に…。

調理は全て目前で。見てるだけでもテンションが上がります。一晩熟成の鶏ミンチソースはたーっぷり、チキンには別途ソースをかけて。お仕事のひとつひとつが高密度！

こんなにいっぱい挟むんですか？？？と驚くほどの食材量。軽く手で押さえたら、最後のカットへ。それにしてもスタッフさん手が早い、早すぎる。

「オリジナルソース+チキン」の完成です。続きまして…

クリーム＆フルーツをたっぷり乗せたら、イチゴやキウイをその場でカット。切り置きしておくと風味が損なわれるから、注文ごとに包丁をいれるのだとか。

クリームチーズをペロンとのせて最後のカットへ。

「フルーツ+クリームチーズ」の完成です。

ドリンクのお薦めはメロンフロート。アイスをテンコ盛りにした圧巻の存在感！その他のドリンク類も「サンドイッチを美味しく食すため」その一点のみに厳選を重ねたそう。

では、実食。ボリューム感もさることながら、重厚な内容がたまりません。鶏の甘味が活きたミートソースに、チキンの淡白な旨味。きゅうりの食感に、トマトの酸味。大口を開けてかぶりつくからこその綿密な味覚層に、もうもう、ただただ、顔が笑ってしまう！理屈抜き、解説いらない、ウンチクが意味を持たないほどの鮮烈インパクト！

「フルーツ+クリームチーズ」も特筆の一品。トーストしない柔らかな食パンにクリーミーなフィリングがいっぱい。イチゴ、キウイの絶妙な酸味も秀逸。ひとことで言えば「闘争心を奪われるサンド」。心身のすべて、五感のぜんぶが骨抜きにされます。刃を抜かれてフニャフニャです。ニンマリ。

しかしながらsandwich garage STOOP最大の魅力はスタッフさんたちではないでしょうか。オーナーの右腕（←ワタクシ判断）石田さんのチャッキチャキな仕事ぶり。満面の笑みも、トークの返しも最高なんです！そして、立道さんの細やかな心遣いも一人ランチ女子の心を潤してくれることでしょう。

それもそのはずで…。実はこのお店、昼間はサンドイッチ専門店なのですが、夜は…。これ以上は書けません。気になる方は、お昼のサンドとその夜にも行ってみてください。「あー！そうだったのか！」と、驚きの展開が待っています。