classic「赤い鳥」
Store Info
- 店名Cocoa Shop AKAI TORI
- 住所大阪市中央区心斎橋筋2-7-25 金子ビル2F
- 電話番号06-6211-6638
「 Cocoa Shop AKAI TORI」
「Cocoa Shop AKAI TORI」は1972年創業。
心斎橋の街で「ココア」だけを礎に、ドリンクやフードを数多く、幅広く展開されています。
珍しいメニューや思いがけない逸品に嬉しい驚きを秘めて、味わった瞬感に「ココア」という素材の無限を感じる。そんな老舗の一軒。
扉を開けると、シナモンの優しい香りに包まれ、日中でも陰影の効いた店内は、おとぎ話の中に出てくるお家のよう。
目を凝らすとココア関連のディスプレイに埋め尽くされていることに気づきます。
この空間の全てがひとつの世界「ココア」を構成しています。
客席をぐるりと囲む壁面には、様々なココアが並びます。
ストーリーとしても、アカデミックにも、ヒストリカルにも。
さらには、ゲストの記憶や思い出にも訴えかけてくる日常の小物にも。
五感がアンテナを立てずにはいられないほど、静かな、静かな空間。
静かな中で、目や鼻や耳が、ココアを探し始めます。
そうすると、店奥の厨房からカシャカシャとココアを溶く音。
鼻孔を抜ける香しい薫香。学校から帰り、お菓子を待つ、あの頃の感覚。それが1972年からずっと、です。
店名の由来となっている「赤い鳥」。
大正時代に発行された児童文学書。
珍しい舶来物が食卓にあがった大正~昭和の時代。
動物型ビスケットやカラフルなキャンディ、憧れのソーダファウンテン、アイスクリームやウェハース。
もちろん、チョコレートも。
子供たちが甘いお菓子に夢中だった時代の児童書は、まさにこの店の主役です。
使用されるのはオランダ、デザーン社のココア。
世界最大規模を誇るオランダのココア加工業社であり、製菓の世界では最高級との呼び声も。
そんなココア…練る、寝かす、タイミングや温度、濃度や糖度、そして香りにも妙味を効かせ、どこまでも尽きないココアの世界を魅せてくれます。
一杯一杯が、時に綿密に計算され、時に直感で織り成され。
まるで「ひとつの料理」のように組み立てられ。
46年間、ずっとずっと変わらないテーマと、更新され続けてきた無数のアイデア。
今も多くの方々を夢中にさせる、甘い世界観なのです。
今日は一杯目に「マシュマロ」をいただきました。
白、黄色、緑と、カラフルなマシュマロが浮かびます。実はこれも、オーナー菅田様のココアマジック。
マシュマロをスプーンですくった瞬間。
ほんとに一瞬で、放って広がるココアの香り。
蓋をして閉じ込めておいた香りを瞬時に飛ばす…そんな仕掛け。
もちろん、食感にも甘味にも。
二杯目は「アリス・ベルガモット チョコレート」
まさかの、紅茶とココアの融合。味わってみて驚きは増すばかり。
風合いを楽しむ紅茶に対しインパクトが強くなりがちなココア(チョコレート)ですが…。
こちらの一杯は先口にチョコのインパクトを。
中口にアリス・ベルガモット風合いがチョコに輪郭を支えられるかのようにふくらみ、後口にはココアの美が身と甘味が余韻を描く。
高密度でありながら圧倒的なインパクト。
オランダ、デザーン社のココアの素材を知り尽くし、その可能性を探り続けたからこそ、成し得る奇跡の一杯。
紅茶とココアでは、対峙に弱い。
紅茶とチョコレートでも輪郭がぼやける。だから、紅茶プラスチョコのW使い、なのです。
すべては、この手鍋から生まれます。
熱伝導が柔らかく、温度のコントロールが自在なホーロー。
ホイッパーから伝わる振動は、粘度や香りの強弱も測り。まさに五感のお仕事。
「ココアを、たのしむ」ただその一点に46年間。
どんな気温の日も、どんな湿度の季節にも。
心斎橋を訪れる多くの人が、ここに一杯を楽しみにきました。
そして夢中になりました。
2018年のバレンタインだって、きっと訪れるのを心待ちにしている方々もいることでしょう。
そんな「赤い鳥」は、この2月をもって長きに渡る役割を終了するそうです。
心斎橋の街とともにあった、みんなの大切な一軒。
最後にもう一度、あの甘くてやさしい時間を過ごされたい方は、是非とも足を運んでください。
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アリス・ベルガモット チョコレート 800円
マシュマロ 660円 - ※価格はすべて税込