脱ノームコアで手招きする
シンプルで高カロリーな世界
大人って、お洒落って、こういうこと♡

SENSE OF PLACE　by URBAN RESEARCH 心斎橋

「もう、ええやないですか」⇒よく分かります。

ワタクシは女性ですが「もう、ええやないですか」と言いたくなる男性の気持ちがちょっと分かります。男性同士の仲間内や女性、先輩/後輩、親や兄弟、とかく「おまえを評価してやる」という圧にさらされ続けて生きていくしがらみに「もう、ええやないですか」とタンカを切ってしまいたくなる衝動、とてもよく分かる。
そう、もうイチ抜けしましょう。「おまえを評価してやる」と迫ってこられたら「ごくろうさまですが結構です、自分の物差しは自分にだけ適用してください」で朗らかに応じておけばいいじゃないですか。

この数年『SENSE OF PLACE』で幾人もの男性スタッフさんコーデをご紹介してきました。
皆さま、ほんとに「自分が好きなコーデ」を心から楽しんでいたし、そういう人は笑顔の質がなんか違う。誰かの評価から切り離されて、自分に寛容になった人のセンスは漲（みなぎ）るものがあるんです。
さて。ここに登場した鳥谷（とや）さんも、その一人。今回のコーデは敢えて高カロリーに攻めています。シンプルが推奨される昨今に逆張りの選択。
それを「コーデ選ぶの楽しかったです！」と朗らかに笑える、これよ、これ。だから『SENSE OF PLACE』の取材はいつも刺激的なんです。

ワイド×ワイドの高カロリー、そのバランス演算にシビレる！

まずはこちら（※コーデA）。ご覧の通り、ワイドアウターにワイドボトムのワイド×ワイドスタイル。アウターを締めてスッと立つとワイド感がさらに際立ちます。これに配置する締めポイントも黒バッグと黒シューズで〈最小限面積〉に留め（この絶妙加減！）、ネックの「朱」も同様に〈最小限面積〉に。かなりチャレンジングなシルエットですね。

このアウター、実はかなりのワイドシルエットでして、ほら…腕を広げてみるとAラインに近いくらいのビッグシルエット。

ところが開けると一変！朱のニットに映えるのはヴィンテージ加工のビッグジーンズ。こすれたヴィンテージ加工が「縦」ラインとワイド感を強調し、フレアな足元はシューズのギリギリまで裾を配して。このジーンズシルエットを際立たせるのはアウターのビッグボリューム。
ワイド×ワイドの高カロリーがキレイめカジュアルに着地する、挑んだモン勝ちなコーデです。

マテリアル×マテリアルの高カロリー、ことしいちばんの上級編

極めつけははこちら（※コーデB）。一瞬で目をくぎ付けにして離さない、かなりの手練れ技コーデです。はい、同店でことしいちばん「弾み」をバウンディングさせたコーデに認定しました！
オリーブグリーン×チャコールグレーの配色に、バッグの黒ラインななめ1本を配置という大胆さ。

この大胆配置をハイエンドに押し上げているのが各アイテムのマテリアル。ローゲージのニットは凹凸に生まれる陰影や、凹凸に映えるグリーンのグラデーションがなんとも高カロリー。
鳥谷さんいわく「このニットに、シンプルなグレーのパンツを合わせてもよかったんです。でも、ちょっと遊んでみたくなって・・・」と、選ばれたのが、、、

このパンツ。フレアシルエットのユニセックス風味や、チャコールグレーの絶妙カラー、ご覧の通りの裾仕様ももちろんなんですが・・・

いちばんの魅力はこのマテリアル・ツイードテイスト。ここにガガガガガーーーーっとカロリーが投じられることで、コーデは一気にエレガントな弾みを魅せる。この思い切ったセレクト、鳥谷さんの「ちょっと遊んでみたくなって・・・」が大勝利を修めた要因です。さて、ここまで解説して、もう一回全体を俯瞰してみると、

じゃん！やっぱりスゴくいい！これが、ほんとに「自分が好きなコーデ」を心から楽しむってことじゃないですか、だから『SENSE OF PLACE』の取材はいつも刺激的なんです。

敢えて高カロリーに攻めてきた今回のコーデ。定石のようなものもルールのようなものも「ヒョイ」と超えられる、そのトリガーやフックの源ってなんなんでしょう？
「自分が着ていて、自分がいちばんうれしくなる、自分の感覚に正直であること」
そう教えてくれる鳥谷さん。「冬物で面白いアイテムいっぱいそろっています、ぜひSENSE OF PLACEへどうぞ！」とのことでした♪