新店『New Balance』の体験記
シューフィッターの超人的仕事
部活少年少女もシニアも頼りにしたい!
New Balance Shinsaibashi
前回記事の伏線回収にやってきました。
2024年9月27日に心斎橋筋商店街にオープンし、客足の絶えない『New Balance Shinsaibashi』。
前回の記事で、
シューフィッター体験を取材します。次回記事にご期待ください!
と、大風呂敷を広げてしまったワタクシは、いま予告通り『New Balance Shinsaibashi』にて取材を完了しました。
そこで分かったこと。
自分で広げた風呂敷が想像以上のスケールでありました!
これを記録するにあたり、まずは下記を前置きます。
同店1F「ランニング シューズ&ウェア」の象徴的な壁面にあるこの言葉。
Run Your Way.
ワタシ翻訳で「自分の道を走りましょう」「自分の方法で走りましょう」だったりします。
この「Your」は、ワタシでありアナタ、そしてどこかの誰かで、ここに訪れるすべての人、もしくは世界人類みーーーーんな。
ランニングシューズという「アイテム」を活かして、ランニングの主体を「自分」に置く。そう、主体はどこまでも「自分である」。
『New Balance Shinsaibashi』が空間×サービス×プロダクトのすべてを懸けて、ワタシに伝えてくるのはソコなんです。
とかく“商品”に振り回されがちなワタシたち
ワタシ自身を振り返ると、いつからかスニーカーがファッションアイテムとなり資産物質となり、装飾や換金性で語りがちとなった昨今。「欲しい、手に入れたい」先行の購買動機は確実にワタシの人生に有限を設定してくるわけです。そのリミッター、解除したい。もういちどまっすぐにフィジカルな喜びを身体いっぱいに感じたい。それが、いまの自分の『Run Your Way.』と決意し…シューフィッターサービスのスタートです。
STEP1/まずは相談からスタート
『New Balance Shinsaibashi』ではランニングスペシャリストさんや複数人のシューフィッターさんが在籍しており、本日はシューフィッター吉田店長さんがアドバイザーを担ってくれます。実は吉田さん、入店してきた際のワタシの足元にすでに着眼されており、
・今日の靴は脱げやすくないですか?
・いまの歩行に違和感ありますか?
と、ゆっくりとやわらかく、質問の畳みかけ。「どうしてこちらが何も言わないうちから、すべてが読まれているんだろう…」と、この時点から驚嘆です。
続けて吉田さんからシューズ購入の目的などを聞かれまして、
・定期的にランニングを楽しみたいこと
・もしできたら、いつかはなにかしらのマラソン大会に出てみたい
・ただ、ヘタレハートなのでとてもとてもとてもとても…不安である
・これで挫折したら、もう絶対自分を信頼できなくなる、落ち込むだろうなぁ、嫌だなぁ
最後は人生相談みたいになっておりまして(汗)
STEP2/シューズを見ながらイメージしてみましょう
要は、何も具体的な目標やイメージの定まっていない状態だったのです。そこで吉田さんが案内してくれたのが例の壁面ディスプレイ。この中央から、
左側が⇒Fresh Foamと呼ばれる高クッション性のプロダクト群
右側が⇒FuelCellと呼ばれるスピード重視のプロダクト群
大きく分けるとそうなるのですが、もちろん各プロダクトによってさらに個性は細分化します。
そこでワタシが「ピン!」ときたのが、こともあろうかスピード重視の『FuelCell Propel v5 LK5』。安定性と反発性を兼ね備えたプレート入りシューズの入門モデル「FuelCell Propel」のv5です。
吉田さんはこのシューズの特長を「推進力です」と断言。「前へと進む動作をサポートし、スピードに乗る実感、走行の爽快さを支えます」と説明。この説明を聴いていると、自分が颯爽と走行し、景色が気持ちよく流れ「ああ!ワタシ走れるやん!」と多幸感いっぱいな自分のイメージが浮かんできて、先ほどの挫折への不安が和らいでいく。吉田さんにもそのようにお伝えしたところ…
「では、こちらもご覧ください」と案内されたのが高クッション性の『Fresh Foam X 860v14 』。クッション性=安定感が支持されるFresh Foamにおいて、2重構造ミッドソールのスムーズな蹴り出し、スムーズなライド感も適える一足。これは、先ほどワタシが「ああ!ワタシ走れるやん!」に多幸感を味わいたい…と言ったことから候補に入れてくださったようなんですね。
何も具体的な目標やイメージの定まっていない状態から、本人(ワタシ)もそれと気づかない潜在ニーズを引き出していく、吉田さんのヒアリング力。プロダクトの説明をしながら、ワタシの様子や発言を全身をアンテナにして吸収していく技量。これじゃどっちが取材されてんのかワカランってくらいです。吉田さん×シューズ×ワタシを通して、自分自身のプライオリティも整理されていくこの感覚!まさに対話の効力!
さらに。吉田さんはしっかりと見て・観て・診て・視ていたんです。冒頭の、
・今日の靴は脱げやすくないですか?
・いまの歩行に違和感ありますか?
これには大きな意味が込められていました。(この辺は後述です!)
ここで紹介されたのが『Fresh Foam X 1080v14 』です。吉田さんは開口いちばんこう言いました「このクッション(ソール)は1つの素材でできています ※Fresh Foam X 」。つまり先ほどの『Fresh Foam X 860v14 』における2重構造ミッドソールに対して、1素材のクッション(ソール)のプロダクトなのだと。
STEP3/Fresh Foam X 1080v14 を深堀してみよう。
それが何を意味するのか?ズバリ、安定性です。衝撃吸収性に優れたFresh Foam Xミッドソールが叶えるソフトなライド感。着地時や蹴り出し時にグラリとならない踵(かかと)周りのフィット感。ぶれない重心移動と屈曲!
特に!着地時の重心が中心に集まるように設計されたアウトソール。前足部のラバー面積が増えたことで、蹴り出しのグリップ性も担保。
蹴り出し時に負荷のかかるつま先部分は、ご覧の通りカーブを描いて。「安定しながら、跳ねる」走行感が快適&安心。同社プロダクトの中でも<世界でいちばんユーザーがいる>「Fresh Foam X 1080 」のv14アップデート版。
STEP4/3Dスキャン計測で見えてきたもの。
次は3Dスキャンによる足実寸の計測です。このマシンに乗って、約1分。
測定値はすぐさま吉田さんのタブレットに飛んできます、それも数値+立体データで。ここから分かることは…
・足長の数値(左/右)
実寸以外におすすめのシューズサイズも判ります。ランニングの場合は蹴り出すという動きが必要なため、つま先にスペースを考慮したサイズとなります。
・足幅の数値(左/右)
これはほんとに知りたくない数値だったんです。ワタシは足の幅が大きくて、そういう自分の足がとにかく嫌い、大嫌い。どんな靴を履いてもかわいくならないし、痛くなるし、とにかく幅が大きいってだけで、自分の足が嫌なんです。
・土踏まずの数値(左/右)
・甲の高さの数値(左/右)
なんと、ワタシの足は「土踏まず」と「甲の高さ」のどちらも低めだったんです。「いつも足長や足幅で靴を選んでいますよね?」と聞いてくる吉田さん。
そうです、足長や足幅だけを考慮しての靴選び。その上、一回も試着無しで足長サイズだけを頼りにしたECサイト購入も…。
吉田さんは「だから、いつも靴が脱げやすい?」
ワタシ→はい、そうです。いつも歩くときにパカパカとします。
さらには「いつも歩くときに違和感がある?」
ワタシ→はい、そうです。スニーカーの時でさえそうなります。
推察いただいたことは、どれも身に覚えのありすぎることばかり。驚愕です!
「実は、ライターさんが入店した時からそのことに気づいていました。たぶん、土踏まずと足の甲が低めの方なんだろうなぁと。」
歩き方を見ただけでその人が抱える問題を的確に察知し、3Dスキャン計測で数値的裏付けを取り、とても分かりやすく説明してくれる。この吉田さんって心眼でも持ってるんじゃないだろうか。
・踵(かかと)幅の数値(左/右)
さらには踵(かかと)の数値や形状から「小指が外向きに出ていること」「足が内側に傾きやすいこと」が分かってきました。なんだか自分の足は問題だらけで、ジョギングどころか歩くことすら向かないのでは?と絶望ばかり。
吉田さんは言います。「だからこそ、自分に合ったシューズを選ぶんですよ。みなさんお1人ずつ足のサイズも形も異なりながら、よりよい“走る/歩く”を選ぶことができます」と。続けて「まずは安定した足回りの動きを知ってほしいので、先ほど『Fresh Foam X 1080v14 』をご案内したんです」と。
さぁ、ここからがRun Your Way.の真骨頂。絶望して甘えている場合ではない、プロの力を借りながら自分で「道」を「方法」を選ぶんです!
STEP5/たどり着いた!自分の「Run Your(Own) Way.」
いまのワタシの足の状態を鑑みておススメしてくれる『Fresh Foam X 1080v14 』。サイズは、足長はもちろん、足幅サイズも数段階から選べるなんて(歓喜!)。とはいえ、今回は数値だけでシューズを選びません。あらゆるシチュエーションとパターンの知見を持った吉田さんが、ワタシの足と走る目的などを考慮し、サイズをご提案してくださいました。
まずは、インソールフィッティング。
走行の蹴り出しを考慮し、つま先に絶妙なゆとりを持たせます。言われるがままに足先を曲げたり伸ばしたり。その様子だけでも吉田さんの脳内では相当数の演算が繰り返されている模様。
※この段階でサポートソックスのご案内をいただくこともできます。
つぎに、フィッティング。
ここはかなりの要です。足を入れたら、踵(かかと)をトントンと打って、シューズと踵(かかと)をしっかりと固定するイメージで。途中で吉田さんの手が踵(かかと)をグッとフォールドし、「まだフィットします。しっかりトントンしましょう!」と。おもっていたよりもしっかりとフィットさせることが大切なようです。
つづけて、シューレースの締め上げ
「足先からグッグっと引っ張ってください」と言われてそのようにしてみたのですが、吉田さんの途中チェックが入ります。左右の手の平で確認しながら「ほら、まだグラグラと余裕がありますよ、もっと締め上げていいんです」え?そんなに締め上げるものなの?
とうとう、フィッティング完了。
そしてスッと立ち上がってみたところ・・・・
∑(๑ºдº๑)!! ∑(๑ºдº๑)!! ∑(๑ºдº๑)!! ∑(๑ºдº๑)!! ∑(๑ºдº๑)!! ∑(๑ºдº๑)!! ∑(๑ºдº๑)!!
工エエェェ Σ”(⚙♊⚙ノ)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙ノ)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙ノ)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙ノ)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙ノ)ノ
それは、これまで生きてきた中で初めて経験する安定した歩行感。足が、足が、足が軽いっ!
その上、一歩目と二歩目の動作交差がまるでオートマッッ!!超ナチュラルッッ!
えええええええぇ?ほんとにこれワタシの足の動き????
そこで、もう一足は『Fresh Foam X 860v14 』です。クッション性はもちろん、2重構造ミッドソールのスムーズな蹴り出しにも特長を持つこちらも抜群の安定感。確かにワタシが「走る」となれば、こちらのギュッと地面に接地する安定感、程よく感じる重力は頼もしいはず。
『Fresh Foam X 860v14 』がどのくらい頼もしいか?ご覧のとおり、片足立ちしても身体がまったくグラつかない。
オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)
でもでも『Fresh Foam X 1080v14 』の軽やかさはどうしても捨てがたい!!!!!
STEP6/だから、プロがいる。
この難題に対しても、解決してくれるのがシューフィッターの吉田さんなのです。その提案が「中敷き(※別売り)」。このシューズ交換用インソール、最大のポイントが踵(かかと)部分の青い丸形。ここがクッション性&反発性にすぐれた仕様となっており、着地時の衝撃を軽減するのです。
右足にこのインソールを入れて、左足は何もなしで立ってみると、瞬時に解るその違い。右足のフォールド感や安定感が格段にアップし、 『Fresh Foam X 1080 v14 N14』の軽やかさに『Fresh Foam X 860v14 』のようなギュッと地面に接地する安定感、程よく感じる重力が添加されたような感覚になるんですね。
つま先の蹴り出し、踵(かかと)の着地、それを左右交互に動作し、前へ前へと推進する「歩行/走行」が、味わったことのないほどスムーズで 「ああ!ワタシ走れるやん!」の多幸感がもっともっとリアルに近づいてくるRun Your Way.
さらには、立っているだけで身体がほんとうに「気持ちいい」と感じる正しい姿勢。そう、本来ヒトの身体でこう!何年かぶりに味わう正しい姿勢の快適さ。
気づけば「大きな足幅が大嫌い」っていう自分の身体への嫌悪とか、「きっと自分はランニングを挫折する」っていう自分への不信とか、そおいうものが一切無くなって、
・自分の身体が大好きだ
・この身体を動かして充足感を味わったるねん!
そんな気持ちがドワーーーーッッッッと無限に湧き出てくる。『Fresh Foam X 1080v14 』を手に入れることで、この気持ちを獲得した、それがうれしくてたまらんのです!!!
この体験は「人も動機も、選ばない」。
ワタシがシューフィッターサービスを体験して分かったこと。この体験は「人を選びません」。
そのためにも、とにかくなんでもどんな不安でもシューフィッターさんに言葉で伝えること。言葉1(いち)に対して、その背景にある100や1000の状況は読み取ってくれます。「挫折するかも~涙」なんて泣き言でもいいから、まずは伝えてみて。
もうひとつ。自分の欲求に実直でいいんです!今回の場合は「挫折が怖い」が本質的課題だったんですが、それを回避するための安定感= Fresh Foam X という提案が来て、自分の身体が好きになるという副産物まで生まれるという効果が。同じように「デザインの素敵なシューズで走行したい」でも「カラーで選びたい」でも「よく買い替えるからコスパ重視」でもOKなんだと吉田さんは話し、続けて「だって、 Run Your Way. ですから!」とニッコリ!
たとえば、部活動に励むティーンのお子さん、歩行が不安になってきたかな?というご年配のご両親。そんな10代やシニア層にも、その方に合った説明と提案が細やかに展開されるシューフィットサービス。まさに『New Balance Shinsaibashi』は“商品”ではなく、“人”を中心に回っています。
そんな『New Balance Shinsaibashi』を支えているのが、吉田さんのようなプロフェッショナルたちが蓄積した知見。第六感のような察知力に、指の先まで研ぎ澄まされた感覚に、ヒアリング力や提案力。これは絶対にAIなんかで代替えができない、ほんものの「人の智慧」。
みなさまにもぜひ体感して欲しい、シューフィットサービスです。
◆Fresh Foam
・ Fresh Foam X 1080v14 N14/19,800円
・Fresh Foam X 860v14 Z14/16,500円
◆ FuelCell
・FuelCell Propel v5 LK5/13,750円
◆SUPPORTIVE REBOUNDING INSOLE/2,200円
◆シューズフィッティングサービス/0円
◆3D計測サービス/0円
※上記金額は税込価格です。
※紹介商品は一例です。在庫は流動しますのでご了承ください。
住所:大阪市中央区心斎橋筋1-4-18 マリング心斎橋ビル
TEL:06-4300-3391
URL:https://company.newbalance.jp/store/official-store/shinsaibashi