2022.04.18

心斎橋 はたらくお洒落手帖

心斎橋でいろんな女性を取材していると「こんな風になりたい!」と憧れる方に出会う事も多々。働くという事に真摯で実直、お洒落にもご自身のカラーがあり、なによりも活き活きしてる。自然な笑顔や立ち居振る舞い、興味を弾ませる話術も巧み。いま、世の中のモラルが大きく変わって、私たちのお母さん世代にとっても未知な社会に突入していく昨今。誰にどんなヒントをもらったらいいのか分からなくなるのがホンネです。ならば聴く!働くって?お洒落って?自分らしさって?心斎橋筋商店街の最前線で、お姉さん世代の皆様にインタビューです♪

三木楽器 心斎橋店/森下 樹さん


さっそくご登場いただいたのが三木楽器 心斎橋店 ハーモニーパーク チーフインストラクターの森下さん。ここはYAMAHAのエレクトーンやピアノのレッスンが「初心者」からでも受けられ「ヤマハ講師資格取得コース」では講師になる夢を叶えられる全4フロアーの施設。森下さんもその1人で、大学4回生の時からレッスンに通い、今はチーフインストラクター!「開放感があって、あったかい」そんな雰囲気の3Fメインフロアーでは、講師と生徒さんが和気あいあいと対話する様子も印象的です。


「森下先生のレッスンは生徒さんに人気なんです」と話す同社の次長さん。生徒さんがもしスランプに陥っても、その生徒さんの得意な部分を見つけて、自信を取り戻させて、時には好きな曲をガンガン弾いてもらうことも。「楽しむのも1分、ネガティブでも1分なら、“いま、このときの1分”を楽しんだ方が絶対いいに決まってる」と話す森下さん。


生徒さんからいろんな相談を受けることも多いという森下さん。生徒さんたちの憧れの存在、姉御肌、大きな包容力。店頭に立っているだけでもそのオーラが放たれています!
(※撮影は4階・ピアノサロン。ピアノ購入の際は家の間取りや家族の未来図など、ピアノ販売のプロが“しっかり”相談に乗ってくれるそうです!)


さて、5Fはライブスペースのある大人の雰囲気漂うのフロア。ライブスペース「LIVE AT MIKI」の扉を開けると……


なんと、そこはプロのライブが開催されるという本格的なステージ。ここでは毎月「ファンタスティックライブ」と銘打って、エレクトーンチケット制レッスンの会員パーティーが開催されるのだとか。森下さんはそこで司会をしたり、弾き語りも披露されるそう。スゴイ!スゴイ!


ここはムービングライトが映える1Fのデモコーナー、そこで演奏する曲やMC、弾き方りなど、やるとなったら<どう素敵に見せるか>に妥協がないのが森下流。
このかっこよさは、ポジティブな追及があるからこそなんですね。


皆様、ここからが森下さんの興味深いところ。あらゆる道を究めながら、「修練」とか「鍛錬」とか「我慢」とは無縁な感覚で、とにかく<それ自体>を楽しむ心。誰かと自分を比較するのではなく、自分が楽しめるかどうかだけを追い求めるからこそ、インストラクターとしても生徒さんに「(弾くことを)楽しんで!マイナスの気持ちじゃいい音出ないよ!」と伝え続けているのです。


そんな森下さん。音楽の次に長いのがサーフィン!なんと20年以上というから驚き。三重や和歌山に四国や宮崎の波に乗り、大会に出場して結果を残したり、ウクレレを弾いて海岸カルチャーを楽しんだり!「私、止まったら死ぬんです」と冗談を言いながら屈託なく笑う様子は本当に魅力的♡


この日の森下さんの指先。
春カラーのネイルに少しボリュームのあるエルメスのリングと、お気に入りだという
ティファニーのリングが素敵。「エレクトーンの世界を華やかに演出するのも大切な仕事。
指先のおしゃれも必須です。」とニッコリ。


だから、この笑顔。大学1年の時に1階・エレクトーン・デモスペースで音を奏でるインストラクターさんを見て「私もやってみたい!」とレッスンに通い…いま。「自分にできるかな?なんて迷いはなかったのですか?」という私の質問に・・・、
「やりたいことは、全部やっておかないと。迷う時間がほんとうにもったいない!誰かと自分を比べる必要もないし、自分は自分なんだから。自分の時間をどれだけ楽しめるか?それだけを追うことで、みんなもっと心が自由になれるんじゃないかな?」とのお言葉!


そんな三木楽器心斎橋店では森下さんがインストラクターで指導するエレクトーンチケット制レッスンやピアノ個人レッスン、ヤマハ講師資格取得コースなど様々なレッスンを用意。多くの生徒さんが通っておられます。詳しくは…当ページ最後の詳細でチェックです★

大阪浮世絵美術館/山本 伊津子さん


次にご紹介するのが、大阪浮世絵美術館の山本さん。ここは日本が世界に誇る浮世絵版画作品を、間近でじっくりと観賞できる施設です。さて私、山本さんにはひとかたならぬ想いがありまして。なんせ、仕事漬けであった私に浮世絵の楽しみを教えてくれた恩人!ある時は知性と教養で、ある時はユーモアで、ある時は人情深く…その1枚を紹介する語り口にすっかりと魅了されております。山本さんの中にあるインテリジェンス&ユーモア&エンターテイメントは非常に重層的かつ密度が高く、その瞬間瞬間に応じた即興的で瞬発的な引き出しが「ガラッ」と開けば、後は山本劇場!その語り口も流暢に…文字通り「ひと言も聞き逃したくない!」と夢中になってしまう。なんて魅力的な方なのか!?と常日頃から思っておりました。


さて、そんな山本さんのインテリジェンス&ユーモア&エンターテイメントのルーツはどこにあるのか?実は山本さん、とある美大のファッション学科出身なんですね。ファッションを学問として専攻しながら、現代美術や美術史、日本画や陶芸などなど、アート全般も学ばれた。それが第一のバックボーン。私の勝手な想像ですが…、今ではこんなに知性が舞い降りたような山本さんですが、たぶん学生時代はアバンギャルドだったのではないかと思われ…(失礼!)

そして就職した先が販売会社。山本さんはセールスで接客もすれば、展示会で商材を見極めるなど、多方面にわたって活躍。それが第二のバックボーン。そう、この時に「物事の価値・真価を言葉で伝える」事、その切実さと難しさを経験し、ご自身なりの「切り取り方」や「語り口」を体得されたようです。そこには、情報伝達の正確さや顧客ヴェネフィットだけでなく、商材の背景にある物語を興味深く伝えるユーモラスさやエンタメ的要素も。


その後、大阪浮世絵美術館とご縁があり…こちらのスタッフに。いつもスーツ姿が颯爽として見惚れてしまうのですが、実は「ルーティンでクローゼット内を回しているだけ」と屈託なく笑顔!ただし、ここが美術館だという特性上、営業活動でもなく(いわゆる)PTAでもない、そのニッチで独自のポジショニングを適えるスーツを愛用されているそう。それが証拠に…本日お召のスーツは光と影が絶妙交差の光沢。ショートラペル(襟)下にスーーーっと伸びるボタンライン。端正なフォルムに質感も感じさせ、抑制を効かせたデザイン。このシンプルで滋味深い1着を纏った山本さんが、関西弁でパァァーーーーっと浮世絵の解説を始めた時の瞬発的緩急ときたらっっ!有無を言わさず聴かせてしまう、山本マジックなのです!


山本さんが好んで選ぶのは、このようにラインの美しいスーツ。上半身をほどよくタイトに、黒の一枚がフォルムを描く。デザインされることをむしろ拒否するかのような、極極極ゆるやかなカーブから受ける印象は…まさにエレガンス。省略の中に潜む「美」は、決して安易に表層に真価を押し出さないのです。山本さんの美意識が垣間見れるかのような1着です。


足元にも秘密がありました。このスリットが適えるのは身体の自由度。身体の動きをストレスフリーに、今日も山本さんは大阪浮世絵美術館内を立ち動いています。そうそう、非常にお忙しい方なので、「山本さん(及び、スタッフさん)から浮世絵解説してほしい」といったリクエストは基本的に対応できません。でも、公式サイトや館内の各種案内に貸出無料のルーペなどで、見どころいっぱいに鑑賞できます!ご期待くださいね。


そんな大阪浮世絵美術館からのご案内です。2022年3月1日(火)~8月21日(日)まで、当館では「浮世絵 匠の技」を開催。浮世絵版画の技術・技法に着眼し、江戸時代から明治時代に摺られたオリジナルの浮世絵版画を約50点展示。紙の凹凸だけで模様を表した「空摺り」や髪の毛を1本ずつ細かく彫った「毛割」技術、画面のぼかすべき部分を濡れた布で拭き、水気を含ませたところに刷毛で絵の具をはいて摺り上げたグラデーション技法「ぼかし」など、匠技をじっくりとお楽しみいただけます。「浮世絵なんてスマホでも見れるやん」と思ったそこのアナタ!!!今回の「浮世絵 匠の技」は実物を肉眼で観ることの意味をシッカと体感させてくれるもの、受付でルーペを借りてマジマジと眺めてみて!すっごい発見が待ってますから♪


最後に山本さんへの質問です。私たちが抱える、ある種の閉そく感。これってどうやって跳ねのけたらいいんでしょうか?
「自分がやりたいこと、チャレンジしてみたいと思えることにしっかりと時間を使った方がいい。閉そく感っていうのは多くの場合自分で抱え込んでしまっているもの。誰かに圧されているものよりも、自分で自分を有限にしてしまっているものをまずは取っ払わないとね(笑顔)」
山本さん、ありがとうございました!

松屋/柴橋 真紀子さん


最後にご紹介するのが、昭和21年創業の呉服屋「松屋」さんから柴橋さん。創業70余年の呉服の老舗…なんて聞きますと、すっごく緊張する呉服屋さんを想像しますよね?実は同店は真逆の一軒。「祖母の着物をたくさん譲り受けたんだけれどどうしよう」「初めて着物を一式そろえるのですが…」などなど、着物にまつわるあらゆる相談に乗ってくださる老舗店。門戸を広く・守備範囲も広く、実生活の中でもっともっと着物・和装に親しんでいただきたいを信条とされています。


そんな中でも柴橋さんの行動力には感慨深いものがあります。同店の2階で運営する「M`sサロン」では様々なお教室を開催してきた実績が…。教えたい方と教わりたい方に場所を提供し、皆様のコミュニティを育むなど、企画し、運んで、適えてゆく敏腕さ。それが柴橋さんのプロデュース力。人と人をつなげて素敵な時間を創出してきたのです。


特に、ご自身が師範で輝月(きづき)道場の代表も務める「己書(おのれしょ)」は、自分だけの文字を慈しみ、書いて描く達成感を心に満たす習い事。自由度の高さや自身との対話的要素…まさに柴橋さんらしい活動です。


そんな柴橋さんに本日はお着物でご登場いただいております。うわ!きれーーーーと思いきや「あれ?」となんだか嬉しい違和感。通り一辺倒の感動じゃない、なんだか新しい感覚に出会った嬉しさが強く印象に残るのです。では、その秘密を紐解いていきましょう!


お着物は写実的な模様が特徴の加賀友禅。美しい和の花がいっぱいに描かれ、その技巧や色合いに恍惚と。見ててこんなに圧倒されるなら、どうか「着る側」になってみたい!そんな直接的欲求をグイグイグイと刺激するほど魅力的なのです!


合わせる帯を見て…「!?」。私の六感が「これって、面白くて素敵♡」と反応しています。そう!お着物の着こなしを見て、こんな感想を持ってもいいのでしょうか?どこか「ポップ」なんですよ!


ここで柴橋さんの種明かしです。実はこのお着物、約40年余り前に柴橋さんが親御さんに作っていただかれたもので、しかも加賀友禅の特徴を最大限に打ち出した古典柄。本来、こういったお着物には同じく古典的な帯を合わせるのかもしれませんが、なんと!柴橋さん…現代モダン柄を強みとしている和装屋さんの帯を用いていたのです。いいですか、皆様、古典に現代アートの合わせ技ですよ!帯に描かれるのは「ええじゃないか」を踊り狂うような、ウサギやネコにネズミやキツネ。加賀友禅の古典柄に、踊り狂う動物たち!


まるで真逆の立ち位置にいるお着物と帯が合わさると、既存のカテゴライズのどこにも配置されない、独自の美しさに可愛さや面白みが豊かに交差するんです。これが私が感じた「嬉しい違和感」の正体。同じく帯締めや帯留めにも定石を超える妙味を添加して、そう一言でいえば「キュートで素敵♡」、これ以外の言葉が見つからない。


「こんなお着物コーデ、ありなんですか?」と聞く私に「逆に、何がダメだと思いますか?ダメじゃないんですよ♪」と話す柴橋さん。そう、創業70余年の呉服の老舗の立場から、むしろその立場だから「お着物はもっと自由に楽しんでいい」と。そうなんです、私も私の直感「キュートで素敵♡」と思った自分の感覚を信じていいのだと。


他にもまだまだ私の和装への思い込みはあります。お着物を着る時は美容院へ行ってキチンとした髪型にしなきゃいけないのでは?や、年齢を重ねたら年齢相応のお着物を選ばなくてはいけないのでは?など。


そんな思い込みも柴橋さんは覆してくれます。例えば、髪型は柴橋さんのように自分でできる「クルリンパ」で大丈夫。かんざしも、蒔絵の伝統的なものでなくても、モダンで可愛いもので大丈夫。


そして、いちばん大きく思い込みを覆されたのが、「女性がいくつになっても、素敵だな、可愛いな、と思うことにまっすぐでいんですよ」ということ。特に「着物」とは、そんな自由さを楽しめる衣服で、「たとえ、おばあさんから譲り受けた年代物でも、現代の感覚で着こなせる」と。そう、今日の柴橋さんの装いはそれを証明しているんです!

多くの女性が通り過ぎるかもしれない、気持ちの分かれ道のようなものがあって、いったい誰や何から不自由を強いられてきたのかと振り返れば、結局は私自身だったという。。最後までニッコリと送り出してくださった柴橋さん、私にとって憧れの女性で理想像なのです。柴橋さん、ありがとうございました!

■三木楽器 心斎橋店(ピアノ・エレクトーン ショップ&スクール)

住所:大阪市中央区心斎橋筋1-9-6
電話:06-6251-4595
URL:https://www.miki-hp.com

◆エレクトーンチケット制レッスン
 メンバーズチャージ 3,300円
 チケット制30分×3回 3,300円(4回 6,600円にて継続可能)
 ・毎日でも週1でもフリータイムレッスン
 ・無駄なく効率の良いチケット制
 ・レッスン曲は「500曲以上」用意
 ・無理なく楽しいマンツーマンレッスン
※全て税込価格
※公式サイト または お電話(06-6251-4595)で申し込みが可能です。
※ピアノ個人レッスン、ヤマハ講師資格取得コース その他コースについては公式サイトをご覧ください。
※無料体験随時受付中。

■大阪浮世絵美術館

住所:大阪市中央区心斎橋筋2-2-23 不二家心斎橋ビル3F
電話:06-4256-1311
URL:https://osaka-ukiyoe-museum.com

◇浮世絵 匠の技
 展示期間:2022年3月1日(火)~8月21日(日)

◇入館料
 ・大人 1,000円(ポストカード付は1,200円)
 ・学生 600円(ポストカード付は800円)※学生証提示
 ・小学生 300円 ※7~12歳

・現在、新型コロナウイルス感染症対策を行っております。
 ご来館前に必ず公式サイトをご確認ください。
・入場券1枚にて1名様に限り有効です。再入場はできません。
・入場券は切り離し無効です。
・入場券の払戻、交換、再発行はできません。
・館内の混雑の際には、入場をお待ちいただくことがあります。
・館内での飲食はご遠慮ください。
・館内の温湿度、照度は作品保護に適した環境に調整されていますので、ご了承ください。
・館内での写真・ビデオ撮影、模写ならびに鉛筆以外の筆記用具 の使用はお断りいたします。
・館内での携帯電話、携帯端末の使用はご遠慮ください。
・館内では係員の指示に従ってください。ご協力いただけない場合は退場していただくことがございます。

※エレベータ設備のないビルですので、予めご了承ください。
※ショップのみのご利用は、入館料不要です。お気軽にご来館ください。
※貸出無料ルーペがございますが、数に限りがあり全て貸出し中の場合はご容赦ください。

■松屋内/「M`sサロン」

住所:大阪市中央区心斎橋筋1-5-19「しんぶら街」なか
電話:06-6252-6829
URL:https://www.matsuyagofukuten.com

◆己書「輝月道場」
講師:柴橋 真紀子
【開催日】
第2火曜・土曜
第4木曜 
13:00~(90分)2,200円
15:00~(90分)2,200円
体験コースは1,100円

柴橋真紀子さんの活動をもっとご覧になりたい方は下記をご覧ください!
URL:https://www.hikarinosalon.com

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