2023.01.23

実録『心斎橋ミツヤ 死闘編』 伝説のミツヤライスを徹底分析 「勝ち方」にこだわる方も必見!!

冬休み、春休みに『伝説』に挑まんとする方々へ。

心斎橋ミツヤ

文字数ももったいないので早速書いていくけれど、冬休みor春休みに心斎橋に遊びに来る予定の方で、心斎橋ミツヤの『伝説のミツヤライス』に挑戦しようと思っているアナタ。いま予想している通り、かなり手ごわい相手です、覚悟してください。初めての挑戦であれば最初から時間のリミットなんて設けなくていいです。とりあえず完食を目指して。ボリューミーなメニューですから、完食まで飽きずに美味しく味わえる工夫は細部まで秘められています。それでも超えられない壁が1度はやってきます。そのあたりも克明に記録しますので、まずは下にスクロール。

これが、今日落す城。

心斎橋の駅で降りたら、心斎橋筋商店街をまっすぐまっすぐ南下してください。途中に信号のある横断歩道が1回だけあります。その先もズンズン進んでください。「あれ?グリコ看板見えてきた?」となり始めたら(周囲とぶつからないように注意しながら)左手方向を目視。こんな看板に、上部をクルクルとブランコに乗る人形が現れたら、それが<今日、落す城>心斎橋ミツヤです。

エントランスアプローチには様々なメニューがディスプレイしてあります。ここで必ず「他のメニュー」に目移りします、必ず。全メニューが魅力的だから仕方ありません。それでも挑むなら『伝説のミツヤライス』一択で。後に「あそこが引き返す最後の機会だった」と思い出すか「やっぱりあの時目移りしなくてよかった」と思うかは、アナタ次第です。

店内はレトロな上品な純喫茶風でスタッフさんも優しい笑顔で迎えてくれますが、警戒は怠らないでください。席に座って「伝説のミツヤライス」を注文しましょう。その時に「ジャンボ(サイズ)ですか?」と、

ニ ッ コ リ と ほ ん と う に、や さ し く、スタッフさんは聞いてくださいます。

自信のある方は行ってください。覚悟の決まっていない方は乗せられない事。スタッフさんの優しさと『伝説のミツヤライス』の沼は反比例、くらいに思っておいた方がいいです。

しばらくすると『伝説のミツヤライス』は運ばれてきます。ヨッコイショ気味に運ばれてきます。店長の中川さんですら腕がフルフルと震えています。ここでは総kgは記載しません。記載して「おっしゃ、やったる」となるよりも「むりむりむりむりむりーーーーー」となる方の方が大半でしょう。ところが「小柄な女性でもお1人でペロリと完食される方もいらっしゃいますよ」と教えてくださる中川店長。そう!これは重量との闘いではないんです。では、何との闘いなのか?それを知りたい方、是非とも下にスクロール。

現る、『伝説のミツヤライス』。

デン!と現れたソレは、想像以上のサイズ感。メジャーを伸ばす手が震えます。我が家の家中を探しても出てこないであろうほどの大きなプレート。その上で悠々と湯気を立ち昇らせる様。まさに、伝説。伝説の・・・・伝説の・・・

では、恒例のスペック紹介です。右3時の方角はミートソース(下にスパゲッティ)、6時に見えるのはフワフワオムライス、9時に見えるのはトマトソース(下にオムライス)、12時に見えるのはフレッシュサラダ、そして中央にドカンと乗るのはポークカツ。まるで「おとなのお子様ランチ」のようなモリモリスペック。食べたいもの全部乗せ。

そしてこの高さ・・・。ここで怯んではダメ。心の中にある、あらゆる前向き名言をかき集めて、心の動画でゆっくり再生させながら、「美味しく楽しむ」ことを旨に。それでは…いただきます。

伝説が伝説たるゆえん。

実は…心斎橋ミツヤには70余年の歴史がある。六甲山から氷を切り出し、製氷して馬に運ばせ、現在の福島区で販売していた「小儀凍氷店」。それが心斎橋ミツヤのルーツ。昭和20年代には喫茶・レストラン業態に力を注ぎ、一流料理店からもシェフを召喚してビーフシチューやハンバーグやエビフライやポークカツを供してきた。つまりは、関西における昭和洋食の礎。昭和22年に誕生した同店では「鉄板スパゲティ」を生み出すなど意欲的な姿勢は今も変わらず。それゆえの『伝説のミツヤライス』は、ただの大盛りメニューとは一線を画すのであった!!!

そんな一旦をまざまざと見せつけるのが「ミートソース」。現状クオリティでは決して満足しない同社は長い月日をかけて常にブラッシュアップを継続。ひと目でわかるゴロゴロ肉感。肉の旨味をしっかりと引き出しながらも雑味なしのクリアな風味。スッキリとしたデミの風合いが「次のひと口」へと誘い込む、そんな正統さ。

一方、「トマトソース」はといえば。先口の酸味インパクトがなんとも鋭利。その後に続くやさしい甘味へのグラデーションは手を叩きたくなるほどの弾み!これ以上のプラマイはないでしょうと深く頷く絶妙濃度に、ミートソース同様の貫禄の正統さ。

2種ソースをしっかりと堪能したら、次はふわふわのたまごに移って欲しい。絶妙火入れでホワンと仕上がるたまごが、トマトソースとミートソースの「また、異なる表情」をぞんぶんに引き出してくれる。ここまでで、全体像のまだ10%ほど。まだまだ味わいの愉しみは広がる。

休みなくオムライスに移る。一粒ずつにしっかりと味をまとったライス。トマトソースと合わせればライスの甘みが急激に際立ち、間にふわふわたまごを挟めば食感の層がアップ。どこかスパイスの深い香りも感じられ、誰もが大好きなオムライスが正統にワンランクアップされた大人味。

さらにスパゲティに移る。パスタと合わさることで、さらに肉の芳醇さを高めるミートソース。「あぁ、そうだったのか!」と膝を打つほどのマッチングで、これ以上にない好相性。食べたかった<洋食スパゲティ>の王道がここに。

ここまで驚くのは、その正統さと王道さ。もし、単純なボリューミー&モンスターなメニューを想像している方がおられたら、調子を狂わされること請け合いです。料理として、メニューとして、どこまでもしっかり。分厚くて柔らかく、衣カリカリのポークカツだってミート/トマトで味わいを変える妙味。サックリと噛み切るとジュワーーーっと旨味が広がります!

夢中で味わい進めながら、絶妙な箸休めとなるサラダ。これは必ずアナタのことも助けてくれます。ひんやりと冷たく、瑞々しくて、シャキシャキした食感。ワンプレートの中で唯一、気を確かに保っていられるアイテムなのかもしれません。

思い出す、小笹調理長の名言。

かつて『伝説のミツヤライス』に関して、小笹調理長はこう語っていました。
「大人も子どもも、幅広い層が好きな味というのは、正統で定番のものであったりします。その定番や正統は“基本”なくして成り立ちません。それを毎日継続して変わらぬ味を作りつづけること、これが私どもの仕事です」と。
そう、新しいものを生むより、定番を守ることはもっと難しい。昭和18年創業のミツヤの調理長様のお言葉はズッシリと重みがあり、深く納得するのでした。

そしてワタクシは覚醒する。

この大きなプレートのどれが主役なのか、もうワカラナイ。どれかを口に運べば、どれかを口がまた欲する驚異の味覚&食感スパイラル。

口内ビッシリとスキ間を埋め尽くすほどに押し込んで、口いっぱいに咀嚼する幸福。アレもコレも食べたかった子どもの我儘が、いま爆発、そして覚醒。

これが、本気のフードアグレッシブ。このまま最後まで<美味しく>完食すること、それが『伝説のミツヤライス』との正しい闘い方。そして、美しい勝ち方。あぁ、こんなものが食べられるようになるなんて、大人になってよかった。大人って仕事とか嫌なこともあるけれど・・・・

くっ!しまった!邪念(仕事ワード)がよぎってしまった、不覚!!!!!

【伝説のミツヤライス 完食のための心得】
食べ始めからフィニッシュまで気を抜かず集中すること。特に現実生活のことは一片たりとも想起しないこと。そうでないと、胃袋占有率に<気づいて>しまいます。気づくと躓きます。躓くと、お皿上の残りが大きすぎる壁に見えてきます。こうなると、心の中にある、あらゆる前向き名言をかき集めても無駄。マドンナもダメ、マイトガイもダメ、ジョブズも竜馬もエジソンも竈門炭治郎も力にはなってくれない。いま、現実的に持てる手段でマドルスルーしなくては・・・

【伝説のミツヤライス 完食のためのマドルスルー】
そこで登場するのが「マリーシャープス・ハバネロソース ホット(中辛)」。原産国はベリーズ。かつて調理長が『伝説のミツヤライス』のために探し出してきたハバネロソース。それまで使用していたタバスコよりも旨味や甘味に秀でて、より複雑な味覚層を創り出すのだそうで・・・・

藁をもつかむ気持ちで1滴・・・2滴・・・

これが、劇的効果!!!これまでだって美味しかった。しかしながら、この1滴後は「美味しさが斜め上のそのまた向こうに跳ね返る」。別物とまではいかない、ベースの地続きであることはもちろん。で、ありながら。真新しい<伝説>が始まる!また、トマト/ミートと2種ソースを合わせてみたり、ハバネロの量を変えてみたりと、強固なベース上の味変はここまでも新味をかなえるのか!?と驚愕★

「勝てる」そう確信した瞬間でした。
(※ハバネロソースはスタッフさんにお願いすると持ってきてくださいます)

冬休みor春休みに心斎橋に遊びに来る予定の方で、心斎橋ミツヤの『伝説のミツヤライス』に挑戦しようと思っているアナタ。少しでも参考になれましたら幸いです。そして、くれぐれも…ご自身の体調を鑑みてチャレンジを。そして、いたずらに挑んで、悪意のあるフードロスは絶対にNGですよ。お願いしますね。

心斎橋ミツヤについて。

というのも。心斎橋ミツヤって我々心斎橋人にとって、我々の良心のような存在でして。喫茶・レストランというだけじゃない、何か「大切にしなければいけないお店」という公然の了解がありまして。

例えば昨年3月には15社(団体)以上が参加した「社会課題•SDGsヒント博」の会場になったりとか、天王寺動物園や株式会社ロードカーさんや徳島県庁さんとのコラボメニューの一部売上を、子ども支援されている各団体へ寄付されていたりとか。その他にもいろんな活動をされています。「お客様に安心・安全な料理を提供し、地域に密着した、地域社会へ貢献できる企業」を目指す、ミツヤさん。ミツヤさんの「社会への貢献」の分だけ、我々お客さんサイドとしては「お店を大切にする」ことで応えていきたい。心斎橋人にとっての心斎橋ミツヤとは、そんな存在なのです。だから、心斎橋人としては他府県の方々に胸を張って「おいで、おいで」とおすすめしたい一軒。是非とも足をお運びください★

◆伝説のミツヤライス
レギュラー 1,210円
ミツヤライス5/8サイズ 1,078円
ジャンボミツヤライス 1,430円

※すべての価格は消費税込

店名:心斎橋ミツヤ
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-3-21
TEL:06-6211-1028
URL:
http://www.mitsuya.co.jp/

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