青い屋根のプチクロワッサンの店

ヨーロッパ通りを一筋南へ。パンケーキ専門店やココア専門店が並ぶ一体を、ワタクシは秘かに「心斎橋スイーツ通り」と勝手に命名しています。そこにあるブルーの屋根、プチクロワッサンを看板メニューとした「ル・クロワッサン ショップ」は、ひとたびオープンすれば、ひっきりなしにお客さんが立ち寄る人気店。お世辞にも広いとはいえない間口のショーケースにびっしりと並んだ商品は、クルクルクルと回転を続け、焼き上がりを伝える「リンリン」の鈴の音が止みません。

アイテムは、惣菜系パンからおやつパン、そして、食べ歩きや手土産にも利用できるプチクロアイスなどと幅広く。看板メニューのプチクロワッサンは「プチクロシュー」や「アーモンドクロ」、「キャラメルクロ」や「チョコチップクロ」など多彩なラインナップ。実はこのショップ、焼きだけではなく、発酵も店内で行っています。売場正面には、ビッグサイズのオーヴンと発酵機がデンと2台。店内奥には調理場も広がり、屋内型のブーランジェリーにも引けを取らない設備なのです。

そして、売場や製造などオールラウンドで仕事を進めるスタッフたちは、なんと大半が女子！それぞれに自分の持ち場で黙して手を動かしていたかと思えば、お客さんへの声かけも、いわゆる「笑声」で対応。なんとも体育会系な気持ちのよいコたちなのです。スタッフさんに「1日に何個プチクロは売れますか？」と聞いたところ・・・

ニッコリと笑って「1000個かな？」と答えてくれました…その途端、店内中の全女子スタッフから「んなわけない、もっとある！」の大合唱で「1500は焼いてます」「2000の日もありました」という声が。ワタクシの質問が悪かったと、「最高何個売り上げましたか？」と聞き直したところ、6000個という結果が出てきました。なんとも誇らしげで、かっこいい彼女たちです。

そんな「ル・クロワッサン ショップ」なのですが、定番プチクロワッサンに並んで人気の商品が2つ。
廣瀬さんが持つ「たっぷり！明太子スティック」と「空飛ぶベーコンチーズクロワッサン」です。明太子スティックは、フランスパンより柔らかい生地のソフトフランスに、自家製ソースと博多の名店「やまや」の明太子をたっぷり塗った一品。実はワタクシも大好物で、朝にお昼にと購入しています。

「空飛ぶベーコンチーズクロワッサン」はぶ厚めのベーコンとゴーダチーズをクロワッサンでくるんで、チーズの羽根を付けた逸品。クロワッサンのサクッとした食感と、ジューシーなベーコン、チーズのコクが一体となって、ビールやワインもイケル…お惣菜パンです。

でも・・・なんといっても魅力は、目前で焼き上がるパンたちの様子。アツアツのクロワッサンを、サササと両手でトングを操り、丁寧に並べていく様は「絶対！焼き立てを提供する！」という心意気。スタッフ女子たちの使命感も伴った臨場感が、商品の味にひと味もふた味も魅力を上乗せ。リンリンと鈴を鳴らしてもうすぐ焼き上がりを知らせる音も期待が弾む！

さらには、こんな取り組みも面白い♪こないだ６月の父の日には、お客さんパパとキッズの写真を撮影。プレゼントアイテムを用意したり、写真をアルバムにして店頭に配したり、お客さんとのコミニケーションも大切にしています。

実は…店内には「ル・クロワッサン ショップ」のコンセプトメッセージがひっそりと掲げられています。焼き立てを提供すること、そのために進化し続けること、そんな思いが込められたベーカリー。今日も、元気な女子たちが満面笑顔でお客さんを迎えています。