2024.08.16

二学期が嫌で嫌でたまらないアナタへ
10代の晩夏に読んでおいて損はない!
一生モノの読書体験

憂鬱な二学期の始まり。

友人同士でぼやきあっても解決することのない、この時期の憂鬱。また通学の日々か…とウンザリしているそのタイミングに、心斎橋人たちがおすすめの本をご紹介します。本やコミックを含めた読書体験には特効薬効果はありませんが、もし本とのいい出会いができたならばボディブローのようにジワジワと効いてきます。大人の方にもいいヒントになりますように。

『夢をかなえるゾウ』水野敬也/能勢さん(ALLU 心斎橋 ANNEX)

能勢さんがまさに10代の頃に読んで覚醒した一冊。2007年の初版以来、多くの方を虜にしてシリーズ化もされています。インドのゾウの姿をした神様「ガネーシャ」が、夢はもちろん目標を持つことにも諦めた人たちに、ゆるーーーく指南。物語形式なので読みやすく、前向きな気持ちにさせてくれる内容です。なにも説教臭いことは書かれていません。「自分にもできるかな?」そんなふうに思い立つ「きっかけ」として、とても優しいメッセージとなっています。

『SLAM DUNK』井上雄彦/小野塚さん(サロモンストア 大阪 心斎橋)

小野塚さんが小さいころから何回も読み返しているのは『SLAM DUNK』。連載開始は1990年でありながら「これは普遍的な魅力を持っています」と話す小野塚さん。主人公は落ちこぼれ、スターキャラクターたちにも葛藤があり、それでも「誰かによって自分の才能を見つけてもらえること」や「誰かによって自分の強みを掘り起こされること」、その相互の共鳴が最大の魅力なのだと話してくれました!

『こころ』夏目漱石/柴橋弘宣さん(松屋)

呉服屋を営む柴橋さんは『こころ』を推薦。近代文学 村上春樹の作中でもしばし表現される「喪失感」。その一生ぬぐい切れない罪悪感や己への不信を抱えながら、それでも生きていかなければならない原罪への苛(さいな)み。逃れることのできない喪失といかに歩んでいくのか。私も「先生」があのような選択をしない「考え方」があるとすれば、それは何なのかをずっと考え続けています。

『はいからさんが通る』大和和紀/柴橋真紀子さん(松屋)

柴橋弘宣さんが明治の文豪を推薦してくれた一方、真紀子さんは大正の物語を推薦!矢絣(やがすり)の着物に羽織袴で元気いっぱいに自転車をこぐ紅緒ちゃん。彼女の真っすぐさや素直さ、純真さにおてんばな性格、そして何よりも大正時代の装い(和装)に憧れた真紀子さん10代の頃。「あれから何十年経って、自分が和装の仕事してるなんて、自分でびっくり」とのこと!!

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』/和田さん(ロペピクニック)

こんな時代だからこそ、ぜひとも読んで欲しい一冊。自分のことが嫌いな人、他人との比較で劣等感で押しつぶされそうな人、そんな息苦しさを承認欲求で解消しようともがく人、だからゆえに…人の評価や顔色ばかり気になってしまう人。そんなアナタやワタシは必読です。もっと健康的な形で他者との共同体感覚は育めます。そんなヒントにアドラー心理学をぜひ!

『サバイバル』さいとう・たかを/カメラマン

カメラマンさんからの推薦はゴルゴ13で知られるさいとう・たかをの『サバイバル』。これ、1976年連載開始で、あの望月峯太郎・ドラゴンヘッドのはるか前に、すでにこの世界と物語はあったんです!ウィキで調べたところ、だいぶハードよ、これ。カメラマンさんの推薦文では「あきらめない!とは、別の何かをあきらめるということと表裏一体」とあり、その凄まじさが窺い知れます。

『赤毛のアン』ルーシー・モード・モンゴメリ/カメラマンさんの妻様

このタイトルと作者名を見ただけで、涙が滲みます!!1880年代のカナダ、その暮らしぶりの描写や海と丘の風景描写に、成長していく女の子の自意識、瑞々しい感性、想像力、美徳、書かれている何もかもが愛おしくてたまらん古典名著。読み進めるうちにアンがますます好きになるし応援せずにはいられない!私がこれを10代の気持ちで読むことはもうできないことが寂しいです。ご推薦ありがとうございました!!!

『共感という病』永井陽右/ワタクシ

「いいねーわかるー」と人とつながってても不安な人。大多数の共通感情に同調できなくて戸惑っている人。どちらにも読んで欲しい一冊。内田樹先生との対談もあり。

いかがでしたか?10代の夏に読んだ本は一生モノの体験に。よい夏休みをお過ごしください!

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