旨味を盛り込んで･･･お花見弁当

お花見弁当って荷が重いですよね。華やかに、かわいく、仕上げたいもの。こういったお仕事をしていると、イベント事のお料理にすごく期待されてしまうのですが、ある時から頑張るのをやめました。
手の込んだものや、時間をかけたもの、何品も詰め込んだ品数や、希少な材料や珍しい調理法よりも、結局桜の下というシチュエーションで「美味しい！」が出るのは定番メニューだったりするんです。それも･･･隠し味を加えたものが的を得る。私がお花火弁当で駆使する隠し味は･･･

「松前屋」さんにあります。かつて南地と呼ばれた心斎橋周辺。料亭や割烹が凌ぎを削った場所でもあり、江戸時代に北前船が運んだ北海道の「昆布」が上方の食文化を発展させたエリア。そこにある、明治45年創業の「松前屋」。上方料理の歴史を支えた老舗名店でもあるのです。

まずは、北海道・道南産の白口浜の真昆布を使い、じっくり旨味成分を引き出した「昆布の水塩」。中には昆布の他、椎茸・鰹節・帆立が加わり旨味の相乗効果がこれ一本に。スプレータイプなので使用も手軽。塩分濃度約17%の「海≒17％」は唐揚げの下味にピッタリです。

さらに塩分濃度を上げるのは約25%の「玄≒25％」。こちらは出汁巻きにハマりました。いつもの出汁巻きがふくよかで風味豊かなものとなります。

おにぎりには「ウマナチュレ」を。真昆布をベースにした自然素材の”うま味”調味料なのです。真昆布たっぷりの「ウマミナチュレ・プレーン」をベースに「紫蘇」「柚子」「バジル」「カリー」の5種類を展開。ふりかけ感覚で使えるのも手軽でいいですね。今回は「プレーン」をセレクト。

そうして出来上がったのがこちら。昆布のグルタミン酸が鶏や卵のイノシン酸と相乗して、シンプルな調理なのに全体の底上げが適います。「あれ？なんか美味しい」と、フッと気づいてもらえたら、
とっても嬉しい。いいお花見シーズンをお迎えください。