フードコーディネータの美レシピ
抹茶バター
創業慶応元年、約150年の歴史を誇る老舗名店は、心斎橋で上質なお茶を提供し70年。家族3代でご贔屓にし続ける方々もいらっしゃるくらい…歴史ある一軒なのです。スィーツ専門のレシピコーディネーターたちからも支持されるのは…
京都 宇治の抹茶のコーナー。香り高く甘味を伴なったまろやかな渋味や、先鋭な印象を残す苦味も。
上質なものとなるに伴って、苦みはまーるくなっていくそう。抹茶の茶葉は、畑の頃に日光をさえぎり、甘味と旨味を高めるそうです。摘んだら発酵を止めるため熱処理。葉脈をさけて、葉の柔らかい部分のみを乾燥にかけます。
乾燥にかけた茶葉は石臼でひきます。「フッ」と吹いたら舞い上がるほどに粒子が細かくなる抹茶。石臼ですりつぶしたものと機械ですりつぶしたものは、その旨味や色合いに差異があるのだとか。宇治香園にて並ぶのは石臼のひいたものがほとんど。これを顕微鏡で覗くと・・・コンペイトウのような形をしていて、機械でひいたものより表面積が広く、結果、旨味や色合いに違いができるのだそう。
そんな事を教えてくださったのは浅井店長様。店内では自ら講師となり「急須で淹れるお茶講座“いちわん茶会”」を開催しておられます。これが、知ってるようで知らなかったお茶のトリビアが満載の講座で、詳しくは宇治香園様の公式サイトをごらんください♪
さて、今回はそんな宇治香園さんの抹茶「松殿の昔」を用いて、抹茶バターを作ります。こちらの商品、お手元に取られましたら是非そのまま召し上がってみてください。爽涼感溢れる香りと、端正な苦味、後口の甘さも。スッと心が鎮まる、そんなお味です。
ボールにバターと「松殿の昔」を入れて、馴染みやすいようオリーブオイルも少々。あとはピーターで混ぜるだけ。この時、よーーく混ぜてくださいね。混ぜるという工程は、実は私たちが思っている以上にデリケートな調理。形状も質も異なるものを一緒にする・・・ということは案外難しいものなのです。これでいいかな?と思ってからあと50回はグルグル行ってください。
出来上がった抹茶バターは、抹茶の爽やかな香りがグングンと立ち上ってきます。これだけでも食欲がわくというもの。鮮やかな発色は、大量生産をしない石臼でひいた抹茶ならではの魅力です。
バターのコクと抹茶の爽涼感は驚くほどに好相性。春菊や小松菜や山菜といった和の野菜でサンドイッチもおすすめですし、もちろん、小豆を使ったスィーツサンドとの相性は抜群。いつも食べている山食の魅力を、違った方向から引き出す名脇役となります。
- 松殿の昔(30g) 1,080円
- ※価格は全て参考価格です。
※全て税込価格。